NANKANG AW-1 165/55R15  

【再レビュー】(2024/01/12)
14インチにインチダウンしてのBLIZZAK VRX2への交換に伴って３シーズン目途中で降板。走行距離は１シーズン目2517km、２シーズン目2305km、３シーズン目985km、総走行距離5807km。プラットフォームはまだ出ていないが、コンパウンドの硬化は進んでいた。乾燥路面をメインに走っていて、今シーズンは氷雪路走行なし。

初めて購入したスタッドレスタイヤで、買ったころはスタッドレスタイヤに関する知見は殆どなく、スタッドレスタイヤなら何でもいい、安いから買ったという状況だった。今、AW-1のWebページを見直すと、ユーザーインプレッションのみでコンパウンドやタイヤの構造に関する解説は一切なく、客観的に見て選択するための情報を欠いていると思う。

最初は純正ホイール(7.1kg)に組み付けていたが、重量が重いため（タイヤ7.2kg、合計14.3kg）慣性モーメントが大きすぎ、走っていて思うように止まらず危ないので、１ヶ月ほどで軽量な社外ホイール（Weds VELVA AGUDO 5.7kg）に換装した。それで２シーズン目までは過ごしたが、３シーズン目になるとトレッドコンパウンドの硬化が進み、グリップ力が低下して再び危なくなってきた。シーズン初めは３シーズン目が終わるまで履き続けるつもりでいたが、縦揺れが酷くて乗り心地も悪いし、安全を優先して、タイヤ・ホイールをインチダウンして新調した。ナンカンAW-1から離れられて正直ホッとしている。

まとめとしては
・タイヤが重いので車重の軽い軽自動車には向かない。バネ下重量の増加と慣性モーメントの増加で、運動性能・乗り心地が非常に低下してしまう（氷雪路を30km/h程度で走行するだけなら大して影響ないと思う）。ホイール込みでまともに走れる重さにしようとするとBBSぐらいしか選択肢がないが、安さを目的に選んだのに本末転倒になってしまう。
・乾燥路やウエット路面を走るタイヤではない。あくまで氷雪路向けのタイヤと言える。氷雪路では十分な安定感があり、雪が積もったままの地域向きだと思う。非降雪地域でドライ路面中心の走行にはあまり向いていない。ウエット路面を走ると、タイヤが巻き上げる飛沫がサイドミラーまで跳ね上がりボディがかなり汚れる。
・タイヤの剛性が非常に高く、サイドウオールのよれや腰砕けは皆無だが、たわみによる振動吸収がないので、縦揺れが酷く乗り心地は良くない。
・トレッド面のブロックは剛性が低く氷路に密着しやすく設計されているようだ。ドライ路面ではブロックの柔らかさのお陰でロードノイズがほぼ無いし、パターンノイズも小さいが、走りの質は安っぽく感じる。小さな段差はブロックが変形して衝撃を吸収してくれるようだ。
・コンパウンドの硬化が早く、交換周期が短いので、交換工賃も含めて考えると、安価であるメリットがない（冬にたくさん走り２シーズン以内で交換という人にはいいと思う）。オフシーズンは屋内保管で保管状況はいいほうだと思うが、夏の気温が高かったので、保管中にタイヤの温度が35℃ぐらいになったことはあると思う。これがコンパウンド硬化の一因かもしれない。