
小冊子:プリンス誌別冊 「
スカイラインと私」
副題:あの名設計者「桜井真一郎」の不変の設計哲学を集大成。
個人的な備忘録?として、書き写し・・・・。
スカイラインと私(3)
「スカイラインが私に独自のフォルムを要求したのです。」
私はスカイラインを設計した時、時代を築いているあらゆる要素とどのように調和させるかを考えました。また、年齢を超えたそれこそ赤裸々な人間といかに調和させるかを考えました。というのも車には個性があるものですが、さらに乗る人をひきたたせ、人格をさりげなく感じさせる車を創りたいと思ったからです。ですからスカイラインのスタイリング・イメージを考えていた時も、この基本的な考え方は忠実に守ったのです。車というものは、なによりも人間の居住空間なのであり、それをすっぽり包み込むボディシエルが基本的なスタイルになるべきだと。それは優秀なデザイナーの助けをかりて、頭の中で考えていたイメージを厳密に具体化できました。できあがったボディシエルはいくつかの面で構成され、前後は大きな口を開けているわけです。その口に必要最低限の装置-ライトやラジエター・グリルを装着するという考え方、あくまで機能から求めたデザインに徹したのです。必然こそがスカイラインの基本であり、すべてなわけです。丸いテール・ランプは当初から、その位置やその形だったのではなく、必要なランプを配置したら現在のデザインになったということなのです。サイドのアクセントラインはできるだけ低い位置に置いて、安定感のあるボディ断面を創ることも、ぜい肉を落とした張りのある面で構成したボディシエルには必要なものでした。スカイラインは部分々々のデザインを寄せ集めてできたスタイルではないのです。
Posted at 2011/05/23 23:09:00 | |
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