
曜日感覚ない休日の午後、
昨日某所でいただいた冊子を眺めていました(画像)。1973年創刊の冊子『ニッサンクラブライフ』から、国立科学博物館で開催していた「快進社創業100周年記念展」も見れる機会なく終えてしまって残念でしたが、巻末ページのオーナーズクラブ情報で知りました。明後日8月28日はR30スカイラインの発表展示会の初日にあたる特別招待日(今で言う内覧会でしょうか?)、生誕30周年を迎えるのですね。ほんとうに満30歳の今年、あらためて月日を感じます。
そんな意味もあってか、今年のスカイラインミュウジアムのリーフレットはR30のテールランプでした。では、備忘録としてプリンス誌からメモします(笑)。
スカイラインと私―――10
スカイライン設計主査(当時):桜井真一郎
本質に触れたクルマでないと
「冬ごもり」に負けちゃうんですね。
私もスカイラインが新しい装いで発表されるたびに、全国各地の販売会社に招かれて講演というほどではありませんが、セールスの方やお客さんに話をするのが恒例になってしまいました。こんどの“S”にも11月8日から2日間、74万人もの方々が388の会場に集まってくださったらしいんですね。私もちょうどその日程に合わせて北海道―――苫小牧、室蘭、札幌と、東北地方は山形と仙台を回ってきました。折悪しく横なぐりの雨だったんですが、よくこれだけの方がおいでくださったと、私がクルマにかける情熱と同じ情熱でスカイラインを見に来て下さったことが、とってもうれしかったのです。ちょうど娘を嫁がせた父親が、その娘の家庭へ行って「ほんとうに大事にされてるな」と、しみじみ味わう気分に似ています。そこで、私はこんなことを話したのです。“S”には排気対策をほどこし、すでにあるパワーステアリングを装着し、またEGIエンジンもやりました。たしかに一つ一つのエレメントをとりあげれば、みんな独自の掘り下げ方をして苦労のにじみ出た結果なんですけど、そういうことはカタログで充分に説明しているんですね。そうじゃなしに、ドアに手をかけた瞬間に早く座ってみたいなあ、と思うようなクルマですね。エンジンをかけて走る。走ったらもっと走っていたい。そして体の疲れが残らず、降りてドアの重さとかラッチの閉音とか心の余韻が残るような、うしろ髪をひかれるようなクルマを―――”S”はそんな今まで築いてきたスカイラインの路線に合わせて設計したのです。今回、北国を実際に見て聞いて、あの自分で執拗に確かめて納得しないと結論を出さない地域性って言うんですか、じっくり屋の東北の方にGTを愛用する方が増えているというのを聞いたときに、スカイラインの強さをGTで表現できたと、やはり感慨深い思いをしました。
Posted at 2011/08/26 13:35:07 | |
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