
今日も変則休日、今日は休日らしく(珍しく?)ゆとりの日、好きな旧車に浸る時間があった。実は先日、
くるまの本屋さんで、ネット販売があることを知って「ポチッ」としてしまったこちら。1975年の
スカイライン販促パンフレット、今見ると積極的な新技術にも感心する「技術の日産」その独走の頃。
その新技術、電動式リモコンミラー(フェンダーミラー)、間欠式ワイパー、チルトステアリング、オーバーヘッドコンソール、タンデムマスターシリンダーとマスターバック、パワーウインドウ、センターコンソール、エアコンディショナー(オプション)などなど・・・・。
さて、そんなケンメリ(前期)から、恐らくその2年後のケンメリ(後期)について語る桜井真一郎(当時の設計主査)。
NAPSなど当時の排気ガス対策のことも今見ると懐かしい。またまた、プリンス誌の小特集(別冊)から氏のクルマ造りについての想いを残したい(個人的な備忘録として書き留めます)。
スカイラインと私―――11 (設計主査:桜井真一郎)
時の流れを結晶させたようなクルマをつくりたい・・・。
たしかにクルマの開発には切れ目がありませんが、私は新しいスカイラインを発表するたびにその時代、時代の重さのようなものを感じるんです。それはこういうことだと思うんです。例えば原始時代、そこには規則なんてなくて自由に人間が生きていた。けれど人口が増えてくると、やがて共同生活のための規則ができる。そうして人間が時代と共に進歩して現代となるわけですけど、原始時代の人が見たら「なんてワクにはまった生活だ」と驚くでしょうね。けれど、私たちはこの現代という時代を、それぞれの個性や体質に合わせて生活をしている―――クルマも同じで、車輪が4つあってエンジンが載っているという起源から、現在までにさまざまな規則や規制を受けているけれども特徴もあれば味もある。
少なくともスカイラインの開発に関しては、私はいつもそう考えてきました。たとえば排気ガス対策にしても、充分クリアーした上で更にスカイラインとしての“味”を充分発揮するということです。その知恵が尽きたら設計はできないと思っていました。もちろん、その知恵というのはただNAPSを載せればいいという性格のものではないわけです。NAPSは体系でしかないのですから、それをどうスカイラインにレイアウトするか、いかに有機的に生かしていくか、つまり、そのエンジンのもつ特性をどう料理するか、最終的にはトランスミッションやファイナルギヤ比まで検討を繰り返していきました。
しかし、いくら排気対策が完全でもお客さまの感覚にそえない性能では意味がありません。スカイラインとしての期待を裏切らないようなエンジン、レスポンスの良さとか回転が男性的だとか、そしてできてきたのが6気筒のEGIだったのです。EGIのいろいろな性能はGTにスカイラインはよく似合っている筈です。スカイラインは時の流れの中で、その時代を着実に走っているように思います。
Posted at 2011/09/09 19:42:22 | |
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