
いつかの
聖地訪問で入手した「プリンス誌」の冊子。
その特集記事から故・櫻井眞一郎氏の手記を綴ってみましたが、いよいよ最終回(その17)、その当時としては先進的な設計主査(今で言うチーフエンジニア)を務めていた、1977年。ケンメリ・スカイラインの頃ではあったが、故人のクルマづくりの思想(考え)が今も伝わってきます。。。。♪
さて来週はその聖地訪問、また懐かしいクルマと、そのクルマづくりに関わったお方達にお目にかかれるのが今から待ち遠しいですね♪もう過去のクルマかも知れませんがスカイラインは自分にとってそのクルマづくりのルーツでもあります。
「スカイラインと私(17)」・・・・設計主査、故・櫻井眞一郎
人気の”核”をたどってみると、”本質”に触れるのではないでしょうか。
”人気とり”という言葉は悪い意味で使われることが多いのですが、ただ”人気って何だろう”と考えることがあるんです。というのも、よくマスコミが「日本でも最も人気が高いクルマ」を募集しますと、「スカイライン」と多くの方からお応えいただいておりますので。設計者として、そんなに多くの方から好意を寄せられて、こんなにうれしいことはありません。ただ、それよりも重さとして実感できるのは、私なりのクルマづくりがそんなにまちがっていなかったな、ということなのです。先日もお客様から「”なるほど”と感じる所が1つづつわかってくる」と言ってくださいました。それは”こうあって欲しい”ということを単に品物でおきかえるんじゃなくてそういった欲求をクルマ全体のリズムの中に自然にとけ込ませるということなのです。たとえばシートですが、長時間ドライブしていると背中が痛んできますね。ほぼ同じ姿勢を維持しているのですから。その時痛む所とシートの間に手をあててみると痛みをやわらげることができます。そこで、一定の安定感をもたせて背中をホールドし、さらに疲労感の進行を遅らせるような、ちょうど”手”の役割をシートにさりげなく込められないものだろうか----少なくともスカイラインはそういった考え方で設計してきました。ただ、こういったことはカタログに出てくる数字や形で表現できる性質のものではないんですね。これは逆説のようですが、「何がいいんだかわかってしまうクルマ」は底が浅いような気がします。最初の話じゃないですが”人気とり”だと思うのです。少なくともスカイラインはグレードとかセンスをそのような所に求めませんでした。もちろん将来も。
Posted at 2012/07/29 22:24:06 | |
トラックバック(0) |
人 | 日記