
さて、4回に渡って、欧州車イッキ乗りして来まして、最後に乗ったのは、泣く子も黙る、世界の誰もが認める高級車、メルセデス・ベンツ Sクラス W221です。
もう、何の説明も要らないでしょうが、世界の大多数のVIPが支持するSクラスは、何処に居てもオーラがありますね。これは、LSユーザーである私も認めるところで、やはり、憧れの高級車であることは間違い無いです。
で、試乗なんですが、私は国内では、絶対に右ハンドルしか乗らないことにしています。
理由は、海外出張で運転する場合がたまにあるので、左ハンドルは海外でしか乗らないことにしているんです。
なんですが・・・Sクラスの試乗車はだいたい、左ハンドル仕様ばかりで、右ハンドル車はほとんど無いのです・・・AMG車まで試乗車にあってびっくりでした。
そこで、探してみたところ、1店舗だけ右ハンドルのS350を試乗車で持っている所が有ったので、1時間30分以上掛けて、そのお店に行ってみることにしました。
試乗開始時はすっかりと暗くなってましたが、さすが、Sクラス、一番低グレードのS350でも、やはり、威圧感満載です。
でも、乗り込むと、思ったより普通に感じてしまう内装でちょっと肩すかしでした・・・
ただ、センターパネルが立っていて、何となく囲まれ感があるというのは悪くないと思いましたが、ここは、メルセデス・ベンツ独特の世界なのでしょうか。
で、やっぱり変なATシフトを、セールスに教えてもらいDレンジに入れて、スタートです。
アクセルに対する鈍感度は、20年近く前に乗ったEクラスでびっくりしたのとは全く違いますが、やはり、緩慢な感じは、車格にあった特性です。
走り始めてすぐに分かるのは、揺れが少ないこと、路面の凹凸に従った音は入ってきますが、路面の凹凸が足回りでうまく緩衝してキャビンに伝えない様にしているのが分かります。
空飛ぶジュータンとは言いませんが、ちょっと、不思議な感覚を感じました。
そして安心感に繋がる重厚感。イイ意味でも悪い意味でも、大きく重くてカチカチに硬い空間を、ゆったりと移動させれている感覚は、まさにメルセデスをドライブしている事を意識させられます。
それと、運転中、やっぱり、気になるのは、ボンネット先端に鎮座するスリーポインテッド・スター。
やや邪魔な気もしますが、まぁ、なれるとこれを基準に運転することになるのでしょうか・・
まさに、この感覚が良くて、Sクラスを選び続ける世界中のVIPがいるのは、なるほど、よく分かりました。
ハンドリングも、決して俊敏とは言えず、ゆったりと緩慢な感じですが、余計な動きも少なく、不正確な感じにはならないのが大したものです。
パワステの重さも適当で、フィーリングも違和感は少ないものです。
加速性能もS350というグレードを考えると十分で、むしろ、ジェントルだと言えますし、トルクフルな感じで、ちょっとした坂道もなんら不満を感じることは無いと思われます。
V6ながら、エンジン音も静かで、音も軽やかで遠くの方で奏でている感じは高級感が漂います。
内装では、インパネメーターは、出た当時は話題になりましたスピードメーターだけを、LCD化したものですが、見づらくは無いですが、やはり、いまいち、タコメータなどアナログ系メーターとのマッチングは今ひとつですし、境目は如何にも目立つので、不出来な感じが醸しだされます。
ここは、既に廃止になりましたが、最初のマイナーチェンジ時に登場したLSのエレクトリックファイングラフィックスメーターの方が遥かに視認性と高級があります。
試乗中、一つ気になったのは、停車するとイチイチ、メーター内に黄色い横線が2本出ること。
どうやら、超音波を使ったコーナーセンサーが稼働しているのを表しているそうですが、慣れないと停止する度に、気になりました・・
それと、セールスマンが停止する度に、盛んにやってみろやってみろと言っていた、パーキングブレーキホールド。
LSは、ボタン一発で実にシンプルですが、Sクラスは、停止中、ブレーキペダルを強めに踏み続けると、自動的にホールドしてくれる物でした。
これって、セールス氏は絶賛していましたが、私的にはLSの方式の方が好みです。
パーキングブレーキホールドは、発進時にクリーピングしないので、発進時のアクセルコントロール次第では、ドーンと発進してしまうので、同乗者に気を使ってしまいます。
一方で、ホールド装置はブレーキペダルから足を外せるので、積極的に使いたいのですが、LSの場合、ボタンなので、気楽に機能を使い、信号が青に変わりそうな段階で、ブレーキに足を乗せてホールドをボタンで解除して、クリーピングを利用して発進することが出来るので、発進時のギクシャク感もなくなり、非常に有効な機能となります。
この辺り、LSと違うSクラスは、解除は、基本、アクセル・ONなので、ちょっとイマイチ感が漂いました。
因みに、ブレーキのタッチとかは、何ら印象に残りませんでしたので、きっと自然だったんだと思います。
何れにしても、Sクラスの乗り心地の独特さは、なかなか病みつきになりそうな要素があるのはよく分かりました。
一方で、BMWとの比較は全く意味がないことも分かります。
全くと言って良いほど、方向性が違いすぎて、同じフィールドで比べても全くナンセンスであることは、良く分かりました。
やはり、BMWは高級車というより、大きな空間を持ったパーソナルカーということなんでしょう。
一方で、Sクラスはやっぱり、VIPが快適に過ごせるような分かりやすい高級車と言えると思います。
因みに、LSは、Sクラスと方向性は同じなんだということを再確認できました。
思っていたより、Sクラスと比べるとLSも頑張っているのだと再確認できました。
もちろん、路面のいなし方は、Sクラスのほうが上手であるようですが、LSも、代が進んでチューニングも進んできており、よく善戦している事は、再確認できたのは、今回、収穫でした。
まぁ、いつかは、Sクラスユーザーになってみたいと思いますけど、いつになることやら・・