
508SWのドライビング インプレッションを、輸入車ビギナーな素人目線でお伝えします。
まず、運転して最初に感じる印象は、とてもドイツ車っぽいという事。
406と比較すると、同じフランス車とは思えないほど、しっかりした乗り味です。
欧州は完全にドイツ車品質がスタンダードになってしまったんでしょうね。
ただ、しばらく運転していると、ドイツ車ほどの硬質さは無く、ボディ剛性についても、
長年乗っていると「ミシリ」と言いそうな予感はしてきます。
ホイールベースも長いので、車体を斜めにネジるような入力があると、ルーフあたりから
少し軋みを感じます。ただ、このホイールベースのおかげで、乗り心地が良く快適。
走行距離が短いドイツ車と比較すると、明らかに当たりがマイルド。
ただ、乗り心地や静粛性だけで言えば、トヨタ クラウンの方が上な印象。
エントリーグレードの"アリュール”ですと、16インチホイールなので、乗り心地について
は余計にマイルドに感じます。ワインディングを飛ばすと、やっぱり17インチ〜18インチ
くらいのタイヤサイド剛性があってもいいなと欲求が出てきます。
足回り周辺の防音対策として、フェンダー部分、タイヤハウスの内側はフェルトのような
材質のものが貼られています。これが、効果的に効いていて、静粛性の高さに繋がっている
と思います。ただ、泥や雪が付いたら困るんじゃ無いの?
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エンジンパワーは1.6リッター ターボで必要十分以上の加速を魅せてくれます。
国産の2.5L車並の走りと言えると思います。
車体も約1.5トンと比較的軽量なので、ダッシュの力強さに不足を感じません。
4気筒エンジンなので、アイドリング時の音や振動は、それなりに発生して萎えますが、
走りはじめると振動や騒音も気になりません。
ATの制御で、アイドリング時にトルクのカットをしてくれれば良いのですが、それは
アイドリングストップ制御と共にマイナーチェンジで対応してくれたらいいのにな。
エンジン音、排気音は程よくチューニングされて、その気にさせてくれる良い音です。
「クォォオオーーン」と6千回転近くまでスムーズに回るので、ついついエンジン回して
しまいます。そのため、実用燃費は10km/L程度と、良くも無く・悪くもないエコ性能。
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なにより個人的に高評価なのが、アイシン製の6速AT。
トルコン式ATなので、シフトショックが少ないのは当然のこと、車速やエンジン回転数
を元にした制御がとっても素晴らしい。自動車ニュースサイトの記事によると、ロック
アップの領域も拡大しているとの事で、燃費性能にも貢献しているはず。
昔のフランス車と言うと、市街地ではなかなか4速に入らず、高回転での運転を強いられる
ようなイメージがありましたが、この最新ATを積む508は、ショックも無く、スムーズ
にシフトが入りつつ、「今は加速したい時」にはシフトをホールドしてくれて、ギクシャク
する事が少ないです。
また、下り坂でもATの制御はきめ細やかで、効果的にエンジンブレーキを効かせる運転
も車任せでOK。
とにかく、細かいアクセルの踏み方を見ていて、ドライバーの意図を汲み取ってくれる
素晴らしいAT。このATだけでも運転時における満足度が高いなと感心します。
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インテリアやコクピットについては、またの機会にレポートしますが、スピードメーター
周りやダッシュボード全体の高さが低く、フロントウインドウの視界が広い為に運転し
やすいのも高ポイントでした。
運転席に座った瞬間に、「何となく、しっくる来る。フィットする」と思ったのですが、
まさに服と同じで、見た目だけでは分からない、ジャケットに袖を通してみて初めて分か
る感覚なんだろうなと思っています。
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上記のような好印象もあり、購入を決めた訳ですが、ついつい長距離運転したくなる
楽しさがあって満足しています。
車の性能はスペックじゃ無いなと実感できた良い車。それが私にとってのプジョー508です。