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2024年04月21日

瞬間電費と平均電費(リーフは優秀)

瞬間電費と平均電費(リーフは優秀) 以前ブログで、e208のトリップメーター上に表示される平均電費が実際よりも悪い、という記事をあげました。

クルマの電費計はあてにならない・・・

その理由がわかりました。

また、調べるうちにリーフの作り込みの高さに驚いたので紹介します。

●e-208の平均電費比較
今回もOBD2スキャナーを使い、上り勾配と下り勾配それぞれで、実際の電費とメーター上の平均電費を比較しました。

結果は、下表のとおりです。


この結果からとても興味深いことを発見しました。
それは、上り勾配では実際の電費とメーターとでは違いはあまりありませんが、
下り勾配は差が歴然です。

実際の電費とメーターの平均電費に約12kmも差があります。

●平均電費の演算方法
そもそも平均電費はどのようにクルマで演算されて表示されるのでしょうか。

詳しいことはよくわかりませんが、ある時間内の瞬間電費を平均したものであることには間違いないでしょう。

では、回生ブレーキ中の瞬間電費表示はどうなっているのかというと、e-208は「999km/kWh」と表示されます。
回生充電しているときは、モーターからバッテリーへ逆向きに電流が流れています。
電費としては、最高に良い状態なので瞬間電費「999km/kWh」が表示されます。

でもこれって、よく考えるとおかしいです。

「999km/kWh」を使って平均電費を算出すると、平均電費が大きくなりすぎてしまいます。

そこで、(私の推測ですが)瞬間電費「999km/kWh」表示されている時は、平均電費の演算から除外されているのではないかと思います。

それを確かめるために、理想的な下り勾配モデルで思考実験をしました。
それが下図です。


山の頂上からスタートしてゴールの麓まで、全行程21kmの区間があるとします。
信号は一切なく一度も止まることはありません。

下り勾配の7km区間は、回生ブレーキにより1kWh充電できました。
麓の平坦な14km区間は、7km/kWhの電費で走行でき、2kWhを消費しました。

【実際の平均電費】
全行程の消費電力は、2kWh-1kW=1kWで21km走れたので、実際の平均電費は21km/kWhとなります。

【メーター上の平均電費】
メーターに表す平均電費の演算から「999」のA区間を除外します。
除外と言っても、除外するのは電力量だけで走行距離7kmは考慮します。
2kWhの消費電力で21km走れたので、平均電費は10.5km/kWhとなります。

実際の平均電費21km/kWhに対して、メーターでは10.5km/kWhとなります。

今回、私がOBD2スキャナーを使って調べた結果と酷似します。

●なぜ実際の平均電費と差が出るのか
理由はやはり回生時の瞬間電費「999」は、平均電費の演算に組み入れていないからでしょう。

言いかえると、回生中の瞬間電費は、回生もしなければ使ってもいない、「ゼロ」として処理しているということです。

長い下り勾配では、回生電力量が多いのにもかかわらず、「ゼロ」としているので、平均電費が実際よりも悪くなるのです。

街なかでも仕組みは同じです。

赤信号などで回生ブレーキで減速したときも、回生中の電力量は平均電費演算に組み入れていません。

この場合、下り勾配と比べて組み入れなかった電力量はごくわずかですが、発進・停止を何回も繰り返します。

すると、組み入れなかった電力量が積もり積もって大きくなり、実際の電費との差が生まれます。

その証拠に、逆に回生電力量が極端に少ない上り勾配では、「実際の平均電費≒ メーターの平均電費」となっています。

●正確な平均電費を表示させるには
そもそも回生中は、モーターからバッテリーへ逆向きに電流が流れているので、瞬間電費は「999」の「+プラス」でななく「-(マイナス)」表示が妥当な気がします。

しかし、「マイナス」を含んで平均電費の計算をすると、回生するたびに平均電費が減る(悪化する)という逆転現象が起きてしまいます。

やはり回生中は「999」と表示させるしか方法はなさそうです。

そして「999」は表示させる以上は、平均電費演算からの除外は妥当であり、これしか方法が無いように思われます。

●これって他のEVも同じ?
試しにリーフを調べてみました。

取説を読むと、やはり回生中はMax表示されるようです。

しかしリーフのユーザーで「実際の電費と違う!」との声(書き込み)を聞いたことがない気がします。

●優れたリーフの演算処理
リーフの取扱説明書を最後まで読むと、驚きの処理方法が記載されていました。



最下段に、「回生ブレーキによって、電力が蓄えられます。その間は、瞬間電費の値は最大値になります。その後も回生した電力が消費するまでは、最大値を表示します。

回生による充電中だけでなく、蓄えられた電力を消費するまで最大値を表示しているのです。

最初、意味がわかりませんでしたが、しばらくして、正確な平均電費を表示させるための工夫だと気がつきました。

先ほどの図にリーフの仕組みを当てはめてみます。



行程は先ほどのモデルと同じです。

リーフの場合も、A区間(下り)で回生により1kW充電できたとします。
この充電された1kWの電力量を消費して走っている区間をB区間とします。

リーフの場合は、このA区間とB区間の瞬間電費はMax表示されるということです。

リーフもe-208と同じように平均電費の演算にMaxを組み入れてないと、21kmの行程で1kWh(C区間のみ)の電力消費になるので、メーター上の平均電費は、実際と同じ21km/kWhになるのです!

街なかでも同じで、信号が青になって発進するたびに、直前の停止で蓄えた電力量を吐き出すまで演算から除外すれば、正確な平均電費が表示されます。

リーフは正確な平均電費表示のために、演算にひと手間かけているのです!

この処理をリーフが本当にしているならば、この仕組みを考えた日産のエンジニアを尊敬します。

私はこれまでリーフに注目したことはありませんでしたが、このひと手間が日本人ならではの作り込みの高さ(品質の高さ)であると思いました。
ブログ一覧 | 電費 | クルマ
Posted at 2024/04/21 22:05:06

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