ロールバーの装着
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
モータースポーツ参加の必須アイテムと言える6点ロールバーの装着です。
これは私の考えですが、競技参加で安全確保するのであれば、ロールバーは6点以上が基本であって、6点未満は効果が少ないと思います。
低速度での単独事故で、コロリと横転、または転倒するレベルなら、ロールバーが無くとも、運良く軽傷で済むでしょう。
もう少し車速が上がったとして、
舗装路面などの硬い路面での単独転倒ならば、4点や5点などのメインバーしかない場合でも、頭部周辺のクリアランスを確保できるでしょう。
ところが、
ダートラやラリーでは、コース脇の土手に乗り上げた場合、キリモミ状態で屋根から落ちます。
車速が100㎞以上とかであれば、それこそ何回転も転がります。
コース脇の谷に落ちた場合、斜面の傾斜によっては縦回転で転がります。
サーキットやラリーでは、後続車の衝突が1回で済まない場合もあるのが怖いです。
ボディやロールバーが衝撃吸収で潰れたところへ、2回、3回と衝撃の追い討ちが来たらと思うと、ゾッとします。
また、転倒した場所が土などで柔らかい場合、
オープンカーに良くあるヘッドレストより一回り大きめの細いパイプバーや、
5点式等のメインバーしか場合は、
バーが土にメリこんでしまい、
肝心の頭部のクリアランスを確保できないことも考えられます。
なので、ダートトライアルでは
・ロールバーは6点式以上
・オープン走行は禁止
・オープンは必ず屋根を装着
などの条件が付きます。
2
クルマが全損しました・・・なんてのは大した問題ではないですが、イベントで死亡者、重傷者が出たら、主催者やコース管理者にも多大な影響があります。
当然、家族にも。
あなたの加入している
・自動車保険
・生命保険
・傷害保険
・住宅ローンの担保保険
・その他・・・
自動車競技場での事故は保証範囲ですか?
ちなみに、この写真は速度50㎞ぐらいでイン側の土手に乗り上げて、屋根からキリモミ着地した結果。
ロールバーのおかげで乗車空間には全く影響ありません。
昔、ロールバーの無いEF7サイバーCR-Xで、同じ様な転倒したときは、Aピラーが完全に倒れ、Bピラーも若干倒れた状態で、明らかに乗車空間が狭くなっていました。
6点ロールバーの安全性を痛感しました。
3
この作業は2010年に行った内容です。
まずは内装を撤去します。
シートやダッシュボードを外します。
4
リア回りも外します。
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リアバーは、隔壁を貫通してストラットに直接当てたいので、リアガラス関連も外します。
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外した部品類です。
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ついでに軽量化のため、メルシートやインシュレーターを撤去します。
厳冬期であれば、スクレーパーで叩くとメルシートがパリパリ割れていくので、作業が楽です。
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ロールバーは黒デルソルから取り外したものの再利用です。
キャロッセさんのセーフティ21ダッシュ逃げ6点φ40㎜です。
保護パットは、水道管の凍結対策コーナーに売っている保護シートを巻き付けて固定します。
そしてメインバーとフロントバーを仮組みしました。
Bピラー止めは、建築資材の梁補強金具を自分で溶接して装着しました。
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そして、近所の外車を扱うレース屋さんに、下記作業をお願いしました。
①リア隔壁を貫通するリアバーのカスタム制作。
②フロント4点のボディ固定部分に当て板補強。
見積もりは8万円くらいとのこと。
ダートトライアルに参戦するため、JAFのNやSA車両のレギュレーションに合致するように、念を押して頼みました。
1カ月ほどして、お店から完成の連絡があり、話してみるとちょっと怪しい雰囲気が。。。
他のレース車両の制作が多忙で時間を掛けられない事、部材や予算の都合でちょっと。。。まず見て下さいと。
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確認に行くと、
メインバーやフロントバーの車体接合部は、3mmの鉄板でキレイに補強されています。
さすがプロの施工です。
標準仕様でロールバーを装着すると、車体の底部の鉄板、厚さ2mmくらい(?)のところへ、当て板で面積稼いで固定します。
そんなペラペラの弱いところへ固定したのでは、ボディ補強の効果は少ないと思われます。
このように、サイドシルの頑丈な鉄板部分に当て板補強してロールバーを固定することで、補強性能を強化する訳です。
サイドシル部分はともかく、ボディ底の2mmの鉄板に、素人溶接すると穴が開く一方だったりするので、素直にプロにお任せしました。
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ああっ!
リアバーの固定方法が、全然レギュレーションに合致してない。
BOX形状にして強度アップしたり、作り的にも良く仕上げてくれているのに、肝心のパイプが貫通穴を開けて直接ボルト止めって、端折りすぎです。
「JAF戦に出るのにどうするんですか。なんで施工する前に、ひとこと連絡くれないんですか」
と怒りクレームを入れました。
先方は、最初の見積もり金額で良いので、これで何とか…と。
まあ、JAF規定の部分を除けば、とても良く作られていると思います。
JAFのNやSA車両ではレギュレーション違反ですが、B車両なら問題ないのではないか?
との思惑もあり、本内容で合意しました。
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さて、JAFのB車両既定のロールバー条項です。
これしか、記載ありません。
車検で、
「B車両規定には何も書いてないのだから、これで問題ないでしょ」
と言い張るしかない。
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【追伸】2022年現在の情報
丸和カップはOKでした。
ところが、2021年のJMRCダートラフェスティバルでは、再車検で指摘されました。
一応、B車両規定について喰い下がりました。
また、SA車両の
「ロールバーの車体への最少取付け点数」
には合致していないですが、
「取り外し可能な連結金具(第5-33図)」
と構造は同じなので、その観点でどうなのか、と。
また、実際に速度50km程度で転倒して、接続部に破損や変形は全く無かったため、ある条件で強度OKの実績があります。
JMRC関東の車検委員の見解は「確かにB車両規定には何も書いていないが、安全第一でB車両にも他車両と同じ固定方法を適用すべきと判断する。今回は良しとするが、次回は失格にする」とのことでした。
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