今回紹介する「After the Love Has Gone」は、 アメリカのファンクミュージック・バンド Earth, Wind & Fire が1979年6月にリリースした9thスタジオアルバム「I Am」(邦題「黙示録」)の収録曲で、同年7月にはシングルカットもされています。
US Billboard Hot 100 と R&B Singles Chart で第2位、US Billboard Adult Contemporary Songs Chart 第3位を記録。またイギリスの UK Pop Singles Chart でも第4位を記録するなど大ヒットし、アメリカでは100万枚以上のセールスを記録してアメリカレコード協会(RIAA)からゴールドディスクを受賞しています。(ちなみにその時の US Billboard Hot 100 第1位は、The Knack の「My Sharona」でした。)
さらに同年のグラミー賞「Record of the Year」部門にもノミネートされ、最終的に「Best R&B Vocal Performance by a Duo or Group」を獲得するなど EW&F を代表するバラッド曲となっています。
注目すべきはこの楽曲のサウンドクリエーターが AOR の巨匠である David Foster と Jay Graydon、さらには Chicago のメンバーであった Bill Champlin(歌詞を担当) と洋楽ファンにはたまらない豪華な顔ぶれとなっていることです。
David Foster と Jay Graydon と言えば、角松敏生を始め特に日本でコアなファンが多いことで知られる伝説の AOR グループ Airplay のメンバーで、「After the Love Has Gone」は Airplay が1980年にリリースした唯一のアルバム「AirPlay」にもタイトルと歌詞を一部変更した「After The Love Is Gone」として作曲者自身による自作自演バージョンが収録されています。
ちなみにこの「AirPlay」は私が洋楽アルバムの中で最も好きなアルバムとなっています。
David Foster は、当初この楽曲を以前このブログでも紹介した Daryl Hall & John Oates に提供しようと考えていましたが、Hall & Oates から「自分たちが制作した楽曲以外には興味はない」と冷たくあしらわれ、その後作詞を担当した Bill Champlin のソロデビューアルバムに収録される予定であったところ、たまたま EW&F のリーダーであった Maurice White がアルバム「I Am」の制作スタッフでもあった David Foster からこの楽曲を聴かされ、一発で気に入ってぜひ「I Am」に収録させてほしいという話になったという逸話が残っています。
今や EW&F を代表するバラッド曲「After the Love Has Gone」。
結果的に EW&F が幸運を引き寄せたということでしょう。
巡り合わせってすごいですね。
Airplay「After The Love Is Gone」(こちらも名曲です。)
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2023/07/15 14:07:03