
アーノルド・シュワルツェネッガー氏の老体にムチ打ったアクションに加えクルマ好きからすれば食指が伸びるかもしれない映画(自分もそれで観に行った口)なので地味に取り上げるのが遅かったかも、と思っています。
とりあえずB級として観るのが最善の気はします。
ヒナタカさんの記事でも述べられていますがクルマと銃のアクションが個人的にツボだったのもあるので(銃に関しては婆さんのくだりで吹きました)。
ただ老体にムチ打ってることもあり「若い者には負けないぞ」感への説得感が大概で作中でも年をネタにする発言もあったほどなのでその点も素晴らしいです。また若造代表のジェリーが「こんな片田舎ではなく都会で仕事したい」と言ってシュワ氏演じるレイ保安官から「自分も若い時憧れた物の今ではその思いは抱かなくなった(これに関してはロス市警麻薬捜査課精鋭部隊時代に7人の仲間を喪ったことも起因しているかと)が力になる」と言われるもその後本作での敵となる組織の傭兵部隊に撃たれ制服が血で汚れるのを気にしながら事切れるという絵に描いた死亡フラグの提示と回収ながらも保安官としての誇りを描いた描写もありそれが彼の親友でかつて堕落して投獄されていたフランクに「親友のために今度は投げ出さない」という意思を抱かせるくだりも好きです。
とはいえ往年のような活気があるかといえばそうでもなかったのでしょう、当時のキャリアとしては評論家からの評価は高くても成績は最低だったそうです。その後もこけてますし…ライバルであるスタローン氏と比べると大丈夫なのか感が。そのうえ私生活でも家政婦に手を出して挙句奥さん(因みにケネディ大統領の姪)と離婚してますし…。今はそうでもないでしょうが
筋肉の劣化ぶりもネタにされてましたし。

出だしの後半がシュワ氏への苦言になってしまいましたがここから本題です。
登場する車両は全部が全部というわけではないですが米韓自由貿易協定の賜物なのかキム・ジウン監督の出身地である韓国で展開しているゼネラルモーターズないしはシボレーの車両がモブでもちょいちょい垣間見えていました。中でもソマートンでの銃撃戦でモブとして登場したT300型ソニック(劇中では山葵色。因みに日米墨ではその名称ですが韓国では「アベオ」という名称です)については貰えるキャンペーンが催されていました。尤も、コルベットやカマロじゃなくてそっちかよ感はありますが。
とはいえ把握し切れてるわけでもないので飽くまで主役車両2台がメインです。

作品の最も肝になる車両はC6型コルベットZR1(劇中ではホイールがボディ同色)です。早い話が自分はこの車両目当てで当初観に行ってました。衝突安全性や軽量化のためとはいえC2型~C5型のリトラクタブルヘッドライトが廃止されたのは惜しいですが円形テールランプが残ってますしこれもまたかっこいいと思います。
コルベットの高性能版(なお、C4型でもカタログモデルとして同グレードが存在しますがC6型の場合は限定車です)で通常モデルでも436馬力と結構高馬力なところを647馬力とコルベット史上初の600馬力超えを誇るのですが劇中ではそれをさらに1000馬力にチューニングし400km/hという桁外れの最高速度を誇る化け物にしていました。尤も、
現実にもC4型コルベットをベースに1988年に米国のチューニングメーカーであるキャラウェイの手で改造されたスレッジ・ハンマー(大型ハンマーの意)という車両が900馬力のエンジンに409km/hの速度を樹立している例があるので公開された2013年においては不可能どころか尚更可能な話ともいえるでしょう(もしかしたらスレッジハンマーが元ネタなのかもしれません)。
その化け物を麻薬王で自身もレース参戦するほど運転技術が高いガブリエル・コルテスの組織がモーターショーの場から盗み出し冒頭ではラスベガス郊外においてコルテスの運転で317km/hを出しており警官が「無灯火のジェット機」がいると報告していました。予告を観た上で観賞した自分は「それが件のコルベットなんだな」とわかりましたが予備知識なしで観賞した方は「これから何が起きるんだ」って思ったのかなあ、と感じました。
とにかく化け物を手なずけてるあたり腕が本物なのはこのシーンだけでも分かったのですがそれだけでなくその後も夜の検問から逃走を図り反対車線を暴走したりその後警察が先回りするも傭兵部隊に機銃掃射され、日中には警察車両の前に立ちはだかって方向転換、それから警察車両を横転させます(まあ現実にはいくらボンネットが低いからって無理だろとは思いますが突っ込むのは野暮ですw)。
ほどなくしてレイ保安官のいるソマートン(米墨国境付近にあります)を通過しますが玉蜀黍畑の辺りで保安官が町長の愛車(後述)でコルテスに応戦した末に故障、自走不可となりました。
因みにまきびしや発信機を用意すればという意見がありましたが発信機はつけようにも臨機応変な状況に対応できる運転技術があるのでつけさせないか仮につけたとしてもワイスピ6作目のブライアンが電磁パルスの装置をつけられた際にやってたように場合によっては剥がしてしまう可能性があるので大方無意味に終わってたでしょう。まきびしは橋のあたりでばら撒いとけばどうにかできたでしょうが劇中では橋に到達する前に自走不能に陥ってるので何とも。でも案外そちらも無駄になってた可能性も否定はできないです(『ニード・フォー・スピード』みたくヘリに括るとかすればまきびしなんてあってないようなもんですし)。
なお、作品の公開時期には展示されていたこともありましたがどんな感じだったか記憶にないです。また
シュワ氏が参院出馬するにあたり街宣車に使うという宣伝の一環(日付注目)も行われていました。

先述にもあるようにソマートンを通過したコルテスに応戦するために保安官は町長の愛車である5代目前期型カマロZL1を用いて応戦します。カマロといえば黄色い個体がトランスフォーマーシリーズで活躍していましたがフライヤーにも登場してたのでこちらの活躍も楽しみでした。
カマロの高性能版で576馬力をたたき出す代物なのですが町長もなかなかいい趣味かと。なお、その町長はというと愛車をちゃんと駐車せず保安官に任せてキーを預けた挙句サッカー観戦に行ってたり(ただしそこのところの記憶は自身がありません)と保安官から無能扱いされるのが無理もなかったです。
ただ結果的にキーを預けたのは正解だったといえるでしょう。おかげで持ち出せたんですから。コルベットと比べてクラスが下ということもあり性能差は本来あるのですが玉蜀黍畑の中では相殺され肉薄していました。横からコルベットに押されたり玉蜀黍畑の中で牽制しつつも最終的に耕運機に衝突し先述の通りコルベットは自走不可に、カマロは上半分が切断されました。それでもコルベットと違い自走不可ではなかったので最終的にコルテスを確保した際は後ろに括って街に戻ってました。
町長は「お前人のものを…」状態でしたがこれもまた罰が当たったってことで。ていうか自分の町で何が起きたか知らんのかとw
紹介台数は少ないながら以上なのですが、考えたらこの3台はGM大宇(旧・大宇自動車)が韓国GMに社名変更された際に導入された車種だったりします。
その意味では先述した米韓自由貿易協定だけでなく韓国人観賞者にも向けたチョイスとか監督が韓国人だからというのもあったのかもしれませんが何にせよ俺得のチョイスでした。
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劇中車 | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2016/05/01 15:26:54