
4月29日に観賞する機会があったのでこれまで纏めてきたように今回もやっていきます。
尚、間違えている可能性があるのでその時は御指摘を頂ければ幸いです。あと、参考のために画像は載せてますが劇中と仕様を合わせきれてないものがあるのは悪しからず。
因みにこれまでのシリーズのも纏めていますが、あまりに内容が長く
1・2・4作目、
5・6・3作目、
7作目に分けて書かないと字数制限オーバーとなる事態になっていました。あと、
7作目は感想も書いています。

序盤、キューバ(因みに政治的背景から撮影困難と言われていたのがオバマ政権下で国交回復したことのを機にハリウッド作品では初めて同地での撮影が許されたそうです)でハネムーン代わりのバカンスをレティと過ごしていたドミニクは甥であるフェルナンドが彼の愛車であるボロイサーフェイサーカラーの1950年型(パンフレットでは1953年型となっていますが、資料数などから1950年型としました)シボレー・フリートラインをラルドという男から奪われそうになっていたのを見かねフェルナンドから借りてラルドとストリートレースを行います。
フェルナンドからは地区内で最も遅いとまで言われていましたが、ドミニクが至るパーツを外したことに加えてブライアン直伝の秘儀を途中から用いたことにより、途中でラルドの仲間がバイクをヒットさせるという妨害にも関わらず勝利します。が、秘儀を用いるにあたってエンジンがオーバーヒートを起こして火を噴きフロントガラスが割れる事態となり、それからバックして走行することでニトロを起動させて追い上げた後は制御不能に陥って最後はドミニクが乗り捨てた後は壁に激突して吹っ飛んで海に落ちました。
余談ながら、劇中に登場したものは2ドアクーペ仕様ですが、4ドアセダン仕様なら『マッドマックス 怒りのデス・ロード』においてはフュリオサが搭乗する「ウォー・リグ」のボディとして用いられていました。

話を元に戻しますが、フリートラインを海の藻屑にしてしまったドミニクは自身が所有する予定だった赤い1961年型シボレー・インパラスポーツクーペをフェルナンドに譲ってあげて喜ばれていました。ドミニク曰く「乗るには遅すぎた」とのことですが、本音も入ってるかもしれないにせよ大方は建前でしょう。
なお、作中に搭乗してた仕様は1957年に元の所有者の先祖が購入し、ドミニクとレティの目に留まった時にはボートのエンジンを搭載しレティに驚かれていました(元の所有者曰く「使えるものは余さず使う」とのことです)。

尚、ラルドがレース時に搭乗していたのは黒い1956年型フォード・カスタムラインで、これまで負け知らずだったもののドミニクに敗北してキーを譲りますが、彼は丁重に断ったのでした。
妨害されたにもかかわらずこの対応はある意味で清々しいと個人的に感じましたが、この時の縁が後で役立っているのが面白いです(もしかしたら何かしら役立てられると見越してたのかもしれません)。持つべきものはファミリーと言ったところでしょうかね。

その後、ドミニクはサイファーにふとしたきっかけで遭遇する(というより「させられた」)のですが、この時サイファーが搭乗していたのは赤いJ40系トヨタ・ランドクルーザーです。
1960~1984年にかけて生産されていたこともあり、2006~2016年にかけて生産されていたFJクルーザーも同車をデザインモチーフとしていたほどですし、キューバの地で様になってると感じられて良いのですが、24年間というロングセラーともなると年式特定ができません。(´・ω・`)あと飽くまでどうでもいい個人的感想として、ランクルと言えばその次のJ70系の方が好きだったりします。
取り敢えず一つだけ言えるのは、実際のキューバでもそうですが旧いアメ車が見事に多い(しかも現役なんだから凄い!)ですし、個人的に随分様になってるなと感じます。

その後のホブスがベルリンの反体制派武器商人のアジトにて商人らが奪ったEMP砲を奪還すべくファミりーを招集し乗り込みますが、その際にホブスはランドローバー・ディフェンダー90を、それ以外のファミリーの面子は銀色のダッジ・チャレンジャーSRTデーモンを用いていました。
ていうかディフェンダーも先述のランクル40も生産期間が長いので詳しい年代などが掴めませんでしたw(まあ、こちらの未熟さもあるのですが)あとは堅牢さが特徴の一つともいえるこの車ですが、劇中では奪還成功後にドミニクの搭乗する車両に横から突進されて横転大破し、ドミニクにEMP砲を奪われてしまいます。まあ、現実的には横転しないだろとは予告編の時点で感じてましたが突っ込むだけ野暮ですw

チャレンジャーSRTデーモンに関しては前作で登場したチャレンジャーSRTヘルキャット同様限定生産されるハイスペックモデルで、V型8気筒エンジンを搭載する車両としては最強の840馬力を叩き出す、リアシートを排して2座にするなど、謂わば公道を走るレーシングマシンのような仕上がりとされています。また、4月12日に行われたニューヨーク国際オートショー2017前夜御披露目イベントではドミニクの中の人が祝福に駆けつけていました。
劇中での使われ方は先述の通りですが、ローマンの車両はドアミラーに鉄球が当たって外れ、ドミニクの車両は前述のホブスの車両に体当たりしてEMP砲を奪った後、警察に追われながらもサイファーのプライベートジェットのタラップに乗って追跡を躱していました。

ニューヨークにおいてドミニクが用いていたのは黒い1972年型プリムス・ロードランナーGTXでした。
同車はダッジ・チャージャーの兄弟車であるためドミニクには打って付けといえるでしょう。エンジンはGM製6.2L V8エンジンで、劇中では何千馬力(確か3000馬力だったような気がしますが自信はありません)も叩き出していることが示唆されていました。またシリーズおなじみのニトロ噴射システムも搭載しています。
劇中においては途中エンジントラブルといって5分ほどストップさせていましたが、その間にラルドが運搬車を入れて死角を作り、その隙にショウ兄弟の母親であるマグダレーンに協力要請を行っていました(息子二人の件もあってドミニクを恨んでいるようでしたが、元凶を討伐したいという意味で利害が一致してたのでしょう、要請は成功し後の展開に繋がります)。その後、ロシア国防大臣の搭乗するリムジンを襲い核兵器発射コードを奪いますがそれからファミリーとデッカード、Mr.ノーバディの部下であるリトル・ノーバディ(尤も、当人はその呼び名が不服だそうですが)が立ちはだかり追走劇の末にファミリーの手でワイヤーで拘束されますが機転を利かせて薙ぎ倒し、最後は自分の車両もろとも横転に持ち込んだのでした。






尚、その時の車両はホブスが迷彩柄のインターナショナル・MXT、デッカードが流石元英国軍特殊部隊とあって緑の2016年型ジャガー・FタイプSクーペ、レティが赤い1966年型シボレー・コルベットスティングレー(極太タイヤを収納するためのグラスファイバー製ボディは拡幅されているとか)、ローマンが白/茶ツートンの2010年型ベントレー・コンチネンタルGTヴォルシュタイナーBR9エディション、テズとラムジーが銀色の2016年型メルセデスAMG・GT S、リトルがZC6型スバル・BRZ(年式は不明ですが前期型なのは間違いないです。また、
ロケットバニー製ワイドボディとターボキットが組み込まれているとか)を用いていました。見事に高額車両ばかりですが、コルベットやBRZに関して言えばある意味で初期の頃の志向に近いかもしれません。後ブログタイトルにもあるように所謂スバリストなのでBRZ(と後述のWRX STI)の登場は結構俺得です。
リトルの車両はドミニクを追う最中で罠にかかり工事の足場を落とされ立ち往生したのでその後の拘束時には参加していませんでした。
ローマンの車両はドミニクの車両に正面から突っ込まれてバンパーが外れた後、ドミニクの機転でワイヤーが外れて宙を舞い亀の子状態になります。なお、車両価格は約2000万円+改造費なのでローマンが嘆くのも無理もないですが、もっと高いのも普通に壊しまくってるのでそれらと比べれば微々たるものといえるかもしれません。それでも普通に高いからもったいねえ…。
ホブスの車両はドアを引っ張っていましたがドミニクがドアを外したことで勢い余り路駐車両に乗り上げて横転してしまいます。
残りの車両もドミニクが上手い具合に横転させてしまいました。尤も、その後レティとデッカード、ホブスは逃げるドミニクを追いかけましたが…その最中にデッカードが凶弾に倒れ(しかし実際にはマグダレーンの協力で死んだように見せかけただけであり、また救急搬送時の隊員は5作目に登場したレトとサントスでした。あいつら完全にファミリーと袂を分かったわけじゃなかったのか!)レティも自分を愛しているドミニクが打ってこないと目論み現にその通りでしたが、サイファーの部下のローズが合流していたこともあり取り逃がしてしまいます。しかもその時のツケがドミニクに回りエレナが射殺されてしまうのでした…。これまでの作品でそこそこ活躍を見せていたのもありますし、何よりファミリーが犠牲になってしまうのは哀しい話です(先ほどのレオとサントスのこともありますし、そのことを考えると5作目を見ていると思うところがあると個人的には感じます)。

因みに車両調達は魚市場らしき施設の裏手にある秘密倉庫で行っていたのですが、数ある車両の中に日産・IDxニスモが置いてあったのは驚きでした。
参考までに説明しておくなら2013年東京モーターショーにて発表されたコンセプトカーであるIDx(小型FRスポーツカーで、外観はかつて生産されていた510系ブルーバードクーペを彷彿とさせるものとなっています)を日産自動車の連結子会社でチューニングやレース参戦などを手掛けるニッサン・モータースポーツ・インターナショナルがチューニングした代物なのですが、劇中で活躍するわけではなくチョイ役とはいえまさかここで拝めるとは思ってもみませんでした。マジな話市販化が楽しみです。
またそれ以外にも割と置いてあるクルマのチョイスは凝っているそうです。

話を本編に戻しますが、ロシア国防大臣をのせていた車両は見たところW221型メルセデス・ベンツ・S550ストレッチリムジンと思われます。多数の警護をつけていましたが、サイファーのクラッキングにより勝手に動き出した街中の車両によって警護が封じられた末にマイバッハ自体も落下車両に足止めされた後にドミニクがチェーンソー(おそらく防弾車体に対応してたのでしょう)で車体に切れ目を入れていました(下手な対応を取ればガソリンタンクに火をつけると脅すため)。

最初の調達時には目立つわけにいかないなどの理由からリトルが使用車両を決めていたものの、ドミニクを取り逃がしたことで彼がルールに縛られず行動することにし、それに伴って好きな車両を使うことを許可したのでした。
そのためローマンはオレンジ色のランボルギーニ・ムルシエラゴLP640を持ち出し氷上を駆けるのですが、色が派手なだけに目立って格好の標的にされてしまい(しかも同車自体は四駆である物の悪路走行に向けているわけではないこともありスケートの様に滑っていることもありました。とはいえローマンの運転技術も確かなので制御できていないわけではありません)、挙句氷が割れて沈んでいったのでした。とはいえテズがドアに杭をはめ込んでいたため、そのドアに掴まってローマンは無事救出されます。そしてそのドアは敵との交戦時に役に立ったのでした。
尚、撮影に際しては1台4000万円弱の個体3台を用いたそうですが、無事に残ったのは1台だけだったそうです。何とも勿体ない…。また、氷河に水没するシーンではエンジンを搭載していないグラスファイバー製レプリカが用いられたとのことです。

また、テズはハウ&ハウテクノロジーズ・リップソーを用いていました。作中では米国陸軍の払い下げ品として登場しニューヨークでの一件の際にも使おうとしたものの路面向きでないという事で却下されその後ロシアでの決戦で日の目を浴びたという感じとなっています。天辺には銃砲が据えられており、後続敵車両を薙ぎ払ったりもしていました。最終的に大破することもなく走り切っていました。
因みにもはや戦車ともいえるこの車両は実際に民間用に販売されているオフロード車両だそうです。こんなのが金さえあれば自分でも買えるのは何とも凄い話です(ただ、ハマーの例を考えた時に強ち有り得ない話と言えないこともないですが)。


ホブスはアイス・ラムと呼ばれる、ダッジ・ラムの第4世代をベースに車輪ではなくキャタピラを履き、可動式ブレードを装着した車両を用いていました。そして劇中では決戦の終盤で最後尾を走り他の車両の盾となって尻に火が付いた状態でも走っていましたが最後まで生き残っていました。

レティとラムジーは銀色のローカルモーターズ・ラリーファイターを用いていました。劇中では氷河を漂う潜水艦に持ち上げられたりもしたものの最後まで生き残りました。
尚、先述のリップソー同様こちらも民間に販売されており、公道を走ることが可能です。ただし劇中で登場したものは四駆に改造されていますが本来は後輪駆動の車両です。

リトルは白の2015年型スバル・WRX STIを用いていました。劇中では然程見せ場があった感はしないですが、最後まで生き残っていました。
尚、もともとの車両がラリー競技での活躍が多いこともあり(尤も、当該車種自体はどちらかと言えば近年ではニュルブルクリンク24時間耐久レースでの参戦の方が重きを置かれている感はあるのですが)ラリーカー風パーツとスパイクタイヤを装着した以外は改造は殆ど為されていないにも拘らずしっかりと走行できていたそうです。あと、北米仕様なのでエンジンは2.0Lではなく2.5Lとなっています。

ドミニクはアイス・チャージャーと呼ばれる、1968年型ダッジ・チャージャーをベースにボディを防弾&拡幅した(お陰で見かけは武骨です)上でリアにジェットタービン及びホブスから奪ったEMP砲を積んだ代物を用いています。尤も、フレームとサスペンションをゼロから手作りしており、またオフロードレーサーと同様の四駆システム搭載ときてるので手法としては前作のバハレーサーにチャージャーのボディをかぶせた奴と近いかもしれません。なお、撮影に使われた個体は大体数億円ほどの価値があり、また別のこの個体に限ったことではないものの実際にヴィン・ディーゼル氏がハンドルを握っています。そして
日本国内においては用いられた個体のうち1台が期間限定で日本の津々浦々で展示されていました(上画像は南港で見かけた時に撮影したものです)。
過去作の例に漏れず見せ場ともいえようところでチャージャーが登場するのはGJですしアレはアレで好きですが、何ていうかここまで来たら旧き良きオリジナルのチャージャーの雰囲気は何処吹く風で最早クルマというより武器だな感が個人的にはします。
劇中に於いてはロシアでの任務に於いて用いられ、分離派が接近に気づくなりバリケードを敷くもEMPにより無力化し、発砲されても諸共せず(とはいえ度々の攻撃でガラスにひびは入ってましたが)、妨害車両も強化ボディには効果がなく突破され、爆風に晒されながらも突っ走るなどしていました。そしてお目当ての潜水艦に対して使用して敵を薙ぎ払った後にサイファーの部下であるローズを乗せるも、一か八かギアを入れようとしてサイファーに感づかれファミリーの内レティをまず初めに殺されそうになりますが、機転を利かせて軌道を反らした後にローズを絞め殺しそしてファミリーと合流しました。それから怒髪天を衝いたサイファーが熱感知ミサイルを用いピンチに陥りますが、ドミニクがブースターを最大にし火を噴かせたことで攻撃を集中させそれから潜水艦の方に向けたことでピンチを脱するも着地の際に横転・炎上したのでした。
車両まとめは大体そんな感じですが、昔書いた記事や某氏のツイートへ返信でも述べたように、初期の頃は手の届く範囲のクルマばかりだったのが今や手の届かないものばかりでしかもそれが惜しげもなく壊されているので受け容れられない方が居られるのも無理もないことでしょう。正直、自分も観方を変えてなかったら受け容れられなかったと思うぐらいですし。

続いては感想について。
テーマとしては「ドミニクがファミリーを裏切って…」という感じですが、まあ作風としては相も変わらず5作目以降の流れといったところで「クルマで色々やったり、ハゲとマッチョが殴り合ったり、ファミリーの絆が前面に押されたり」です。
その「ファミリー」に関して言えば、そちらも大事ですが同時に本当の意味での「家族」も大事なわけですからねえ。7作目のブライアンやデッカード、本作のドミニクやホブスが正にそんなところでしょうし。
デッカードも6作目のオーウェンの発言を見るに家族の概念より掟を重視してる節がありましたし今作でもファミリー云々への関心がなさげでしたが、その実7作目では昏倒させられた弟の仇討ちの為に動いてましたし、8作目でもファミリーと共同戦線を張ってたのは母親や弟を不幸にさせたサイファーへの復讐だったので軽視はしてないように見受けられます。
勿論血縁というのもあるからでしょうが、ドミニクはそれを理由に信頼を置き、そして杞憂に終わらなかったのですから侮れないでしょう(ハンやジゼルの件が帳消しになりませんしそれがあるからラストのファミリー入りは納得しきれないですが、赤子を救ったというのもまた事実ですし何より今後の活躍は気になるので良いとしましょう)。
ホブスに関しても、デッカードとの関係性などへのスポットの方が向いてた感があるにせよ前作共々「娘との関係性」は見どころと言えるでしょう。最初の方では新たな任務と思いきや娘のサッカーの試合でチーム監督を務めていたり(なお、サモアスピリッツに溢れているチームのようで試合前にはハカっぽい舞踊を披露して相手チームをドン引きさせていました。まあ、
ハカはマオリ族の民族舞踊ですが)したほか、最後は娘との時間を優先し16年間(つまりワイスピ1作目の頃に捜査官人生が始まったってことか…)勤めあげた捜査官人生にピリオドを打っていました。
ドミニクに関しては妻であるレティとの間で「子供を作るべきかどうか」の話をキューバでのハネムーンで語っていましたが、その後でドミニクが5~6作目でエレナと付き合ってた頃(上画像)にできた子供の存在が発覚し、サイファーがそれを知って駒にしてドミニクを動かすこととなります。少なくとも映画作品は全部押さえてる身としては如何に大きなファクターになるかは想像に難くないのですが…それだけにエレナがローズの手で射殺されてしまうのは心が痛みましたが、そのローズが後にドミニクの手で絞殺され仇は討てたのが幸いです。

あと前作で別れを遂げたブライアンの存在は今でも大きいんだなと改めて痛感させられます。
キューバでの1マイルレースではブライアンの使った手法を用いて勝利しましたし(まあ、炎上の末に制御不能で海の藻屑と化しましたが)、秘密基地を急襲された際にはローマンが「ブライアンがいれば…」と口走ってレティに諫められたりしてましたから。
そしてラストではキーとなるドミニクの息子が彼への敬意を込めて「ブライアン」と名付けられていました。普通に予想はできることでしたが、それでもかなり嬉しい展開でした。

また、「レティが夫であるドミニクをいかに信じ切れるか」が大きなキーだったのは確かでしょう。
他の面子と違って前作から加わったばかりのラムジーが「本当に裏切ったんじゃ」と疑念を抱いたのに対してレティが抗議し肩をぶつけていたほか、急襲の際にはサイファーとドミニクが「二人は濃厚なキスをして退散」してもなお「あれは本当の彼じゃない」と言ってのけ、ニューヨークでの件ではドミニクが自らを撃たないことに賭けたり(現に撃ちませんでしたし、レティに銃口を向けたローズに銃を向けたほど)、アイスランドではホブスが場合によってはドミニクを殺す可能性があると告げられた際にはその時は自分も殺してくれるよう介錯を頼んでいました。
そしてその信念が最大の勝因ともいえるでしょう。
しかもそれだけではなく、ドミニクの方に爆風が向いた際にはファミリーは爆風からドミニクを守っていました。ドミニクも言ってましたが一度背を向けたにもかかわらず信頼感は揺らいでなかったのは素敵です。

まあそうは言っても全体的に面子に関しては「いつも通り」です。
ローマンは相変わらず良くも悪くもガキがそのままデカくなったようなムードメーカーで、秘密基地で案を出したがったり(ただある意味一理あることもあったりするから侮れません)、車庫で黒人の輸送係を勝手に「ブラック・サンタ」の略で「ブランタ」呼ばわりしたり、ミスター・ノーバディの部下を「リトル・ノーバディ」と呼んだり(ただこれに関してはリトル自身は嫌がってるものの他の面子も納得してましたし自分も「こりゃしっくりくるわ」と思って観てました)、派手好きだったり(まあその延長で高級車であるコンチネンタルGTを選んだもののドミニクの車両が向かってきた際には「おいやめろベントレーだぞ!」と叫んでましたがw)、テズと口喧嘩したり(ラムジーが加わってからはどちらがモノにするか競ってますが、前作では上画像のシーンの後でアプローチしたことのある人物曰く「気が強い」、本作では「姓がわかったら言ってきて」と進展せずでした。まあ、言わずもがな仲が良いってことです)してました。ただ過去作でも言えることですがやるときはやる男ですし、本作でも最終決戦の際にはムルシエラゴのドアで反撃した後でしっかり敵を狙い撃ちしてました。
テズの方も前作ではドバイのパーティ会場でボディガードに見つかった際に見事瞬殺してましたし、コンピュータと改造だけが彼の華ではありません。まあ、本作ではどちらかと言えばオタク性分の方が前面に押され戦車に目が輝いてましたが。

しかし言われてみればラムジーの姓って不詳なんですよねえ。それが後々絡んでくるのかも。
もしかしてミスター・ノーバディやリトル・ノーバディと関係するのかもしれませんが…まさかな。
或いはサイファーの方かも。ジャカンディの方での関係があるので全くの無関係と言うことはないですしプログラミング対決も繰り広げてました(余談ですが吹き替え版の中の人の所為で
新旧少佐対決に見えてしまいました。そう言えば
クゼとARISE版
バトーもいたな)が。

…脱線しそうなので戻します。
6作目を観た時は「オーウェンが元凶か」と思ってましたが、本作では「実際の元凶はサイファーだった」ことが判明します。
フュリオサこの女マジで怖え。
何しろ6作目ではオーウェンに対して「ナイト・シェード」を盗むよう持ち掛け(出向いたのはローズですが。尚、6作目を観た方ならご存じでしょうが、これが4作目に絡みます)、7作目ではジャカンディに対して「ゴッド・アイ」を盗むよう持ち掛けてたのですから。尤も、何れもドミニクのファミリーにより計画を潰され、そのことにより今度はドミニクの方に手を出すこととなるのですが。そしてそこで先述したようにドミニクとエレナの間に男の子が生まれていたことを掴み交渉の材料に用いることとなります。
彼女の行動原理は選択理論と支配欲(ある意味こういう実体のないものが一番怖いかも)に基づいており、「『ファミリー』の概念は無意味」「自分は選択肢を与えただけで決めたのはドミニク自身だ」と言い放っていました。そしてどう足掻いてもドミニクはサイファーの掌の上で踊らされるしかないような感じになったかのように思えました。また、1作目の「ゼロヨンが俺の生き甲斐だ。走ってる間の10秒間は先のことも借金のこともチームの事も気にせず自由だ。」の旨を述べていたことを知ってか知らずか、ドミニクに対して「貴方にとって本当に大切なのはファミリーじゃなくてゼロヨンなんじゃないの」との旨を述べていました。
しかしサイファーの思い上がりにすぎませんでした。ドミニクにとって「ファミリー」は理屈だけで語れるものではないのはこれまでのシリーズを通しても少なからず描かれていましたし、それに秘密裏にショウ一家に協力を仰いでいたこともあり結果的には打ち破ることができました。
とはいえ完全討伐したわけではなく取り逃がしているので9・10作目あたりに勝負は持ち越されますが…。後になるにつれてメッキが剥がれていってるとはいえ手古摺らせたところはあったのでそこが怖いです。

あと、まさかないとは思いますが、1作目のトラン一味の生き残りや3作目の初代D.K.とかと手を組んだりしないよなあ…? あいつらの場合は小物でサイファーのような巨象とは桁が違うのでないとは思いますが、あったら意外ですし、明確な死亡描写がないのもいたので。ただ、意外と死亡エンドになってない敵も多いので可能性がないと言い切れない感もあります。

或いは初期作品の仲間が再登場してファミりーに加わってくれたらとも思います。7作目でショーンが、8作目でレオ、サントスが再登場したぐらいですし、可能性はないとは言い切れないでしょうし(まあ、ない可能性の方が多いでしょうが…)。

本編の話に戻りますが、デッカードに関する描写は結構魅力的だったと感じます。
なにしろ、「母親に頭が上がらない」「意外とベビーシッターに長けてる!」って感じだったのですから。いやはや強面なのにギャップが素晴らしいw
先述したように、勿論ハンを東京で謀殺した罪は消えないですが、一方でドミニクの息子を救ったのもまた事実ですし、何より前作まで「脅威」の象徴しかなかったのが何処か愛着が湧くのに加えて今後の活躍が楽しみです。

また、ホブスとの関係性もまた注目と言えるでしょう。
前作では米国外交保安部の本部で一悶着を起こしていましたが、本作では刑務所(EMP砲奪還絡みでホブスが収監され、そこにデッカードも移送されていたようですが…移送して良かったのだろうかw)で言い合いをしていました。とはいえ、前作の場合は途中でエレナが介入しましたし、本作でも他の犯罪者や機動隊を蹴散らして1vs1の肉弾戦と思いきやミスター・ノーバディが現れ決着がつかないままとなっていました。
ただ体格(一方は元飛込選手→ファッションモデルの経歴を持つ演者と言うこともあって細マッチョなのに対し、他方はレスラーの顔を持つ演者という事からゴリマッチョ)や階級の差はあるにせよ本質的には似たようなところがあったので徐々にシンパシーを感じていき、「もし時代が違ってたらちゃんと戦えてたろうな」と思うようになってた他に、デッカードが死んだと思った時にホブスは怒りをぶつけていました。
いつしかタイマンの決着を見てみたい気もしますが、「描かないからこそ良い」のでしょうし、今後共闘していくであろうことは予想されるのでそれはそれで楽しみです。

あと、ショウ親子の母親であるマクダレーンも今回こそ活躍は僅かでしたが、今後の作品でさらなる活躍を拝みたいところです。ていうか作品的には息子2人同様運転して欲しい!
尚、個人的な要望としては『REDリターンズ』に於いて助手席に座りながら二丁拳銃アクションを披露したロータス・エキシージS(フェイズ3、上画像参照)辺りが希望です。英国車ですし。
あと『REDリターンズ』ではワイスピシリーズの過去作よろしくトラックの下に潜り込むシーンがあったんですよねえ。偶然でしょうけど思い出さずにはいられなかったです。YouTubeにエキシージSの活躍の様の映像がありましたが、権利問題が気になって載せるのは憚られたので各自で調べて確認してもらいたいです。

ミスター・ノーバディは前作に引き続き登場し、相変わらず「実力は凄いけど普段飄々としてる」感じでした。
とはいえ今回は出番は少なめでしたが。カート・ラッセル氏が本作以外に『バーニング・オーシャン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(こちらもヴィン・ディーゼル氏出演。もしかして『SKY MISSION』で交遊を作ったのも実現に至った経緯でしょうか)に出てるのが関係してるかは不明です(因みにワイスピを取り上げた記事で言うのもなんですが、この2作品は『ICE BREAK』と同時に観て個人的にそちらの方が良かったです)が、本当のところはスコット・イーストウッド氏演じるリトル・ノーバディの活躍に割いたのが実情なのでしょうが何とも言えないです。
ですが個人的感覚としてこれだけは言えるのは、最初ホブスと対面したときは(前作での交遊があるかないかの差があるにせよ)ミスターと違って如何にも役人的対応を取ってホブスに締められたり、ドミニク確保作戦の際は罠に気づかず先走って工事の足場を引っかけられて立ち往生…なんていう頼りなさげな彼が吹っ切れてルールにとらわれずに動くようになりやがてファミリーと同等に渡り合えるようになるまでの成長物語として観ても楽しいです。あと、地味にローマンとの掛け合いも。
ラストではミスターもですがリトルもファミリーの一員に加わっており、彼の活躍がまた拝めそうな気がしますが、運転姿が今作で描かれたとなると今後それは描かれなくなるなんてことはないですよね…?
今更言うのも野暮にせよ、このシリーズに於いてクルマに関する描写が蔑ろにされてしまうことになるのは個人的に如何かと思うもので。
とまあ、感想はそんなところですが、また思いついたら追記するかもしれません。