
※元は2017年11月2日に書いた記事ですが、後に加筆修正等を行っています。
DVD借りて観てきたので(北野作品を過去作から順を追うつもりでしたが、時間がかかるので諦めました)。
因みに画像に関しては権利に触れたら消します。あと、作品別に挙げてるので車種が被ることもありますが、その場合は画像は1度上げたらその後は割愛します。
*1作目



序盤の会合のシーンではW220系メルセデス・ベンツ・S55AMG(これに関しては合ってるかはわかりませんが、フロントサイドにバッジがついてたので多分)、W221系メルセデス・ベンツ・S550、GZG50型トヨタ・センチュリー、F50型日産・シーマが停まっていました。
いやあ、やはり世間的なイメージに違わない感じがします。
W221系に関しては、大友組の車両がその後の一列に走るシーンでは上から映されタイトルが出ていた(個人的にツボです)他に、歯科医院での口腔破壊を食らったのを経て引退を申し出た村瀬を乗せた車両として登場していました。
W220系は水野が警察署前で大友を待っている時や、大友がカジノに行った際に登場していましたが、後者は構成員が運転席で待機していたら片岡から別の場所に移動するよう言われていました。それから暫くして警官に免許証の提示を求められたと思ったら実は偽警官で撃ち合いになるシーンでも登場していました。

また、その後の黒塗りの高級車が壮観に一列に走るシーンではGWS191型レクサス・GS450hも加わっていました。


村瀬組の若い衆がやらかした詫びをしに木村が大友組事務所を訪れた(水野「村瀬はどうしたんだよぉコノヤロー」)際には黒のF30型トヨタ・セルシオが登場していました。尚、大友が地下駐車場で情婦と会合した際には同車から赤いLY系マツダ・MPVに乗り換えたり(情婦曰くつまらない車らしいですが、後半彼女は同車内で死体となってました)、村瀬組の車両とカーチェイスの末に相手にぶつけたりしていたので大友組の車両のようです。
木村がカッターナイフで指詰めしようとしたシーンは観てるこちらも痛々しかったなあ…。

岡崎が屋台で飲んでるところを拉致られたときは銀のH10W型トヨタ・アルファードが用いられていました。その後、村瀬の引退宣言後に出てきた大友組のセルシオを追いかけますが、感づいた大友組がバックしたのを躱せずバンパーが外れ、それから村瀬組構成員は返り討ちとなりました。

麻薬売買の御婦人が売人と取引したり、ラーメン屋に向かったりしたときには銀のR230系メルセデス・ベンツ・SL350(合ってるかどうかは自信がありません。SL500の方かも)が用いられていました。
後者の方は「ラーメンに大将の指が入ってる(意味深)」のが妙に印象的だったなあ…。

大友組の組員が売人を拉致った時は黒のS180型トヨタ・クラウンが用いられていました。
尚、銀色の個体も警察車両として登場し、水野が大友の聴取を待ってる間に煙草をポイ捨てしてたのを咎めた刑事が乗っていたり(その際水野は拾った煙草を車に投げつけていました)、終盤では獄中で身の安全の確保することを目論んだ大友から呼び出された片岡が運転していました。

グバナン共和国の大使館車両として黒のS180型トヨタ・クラウンマジェスタが登場し、作中では大友「破門したり取り消したり、テメーの舌は何枚あんだコノヤロー!」「1枚だぁ?2枚も3枚も持ってんだろ!」を経て殺られた池元の死体をトランクに詰めて人目につかない場所に運ぶのに用いられていました。途中で警察検問に引っかかるも、石原が英語で急いでる旨を警官に伝えた後に大使が日本語で伝えた(言語逆じゃないのか)ことで切り抜けていました。尚、大使館車両の為かナンバーも専用のものとなっており、フロントのトヨタエンブレムの代わりに紋章がついていました。
それにしても、あの大使はロイヤリティーを求めたら浴槽に蛇を詰められるわ死体の処理をさせられた挙句置いてきぼりを食らうわ何ともご愁傷様な役回りでした。



大友から逃走を促された安倍は黒のY50型日産・フーガに乗って逃走しますが、結局逃げきれず応戦しようとして散りました。そりゃ孤軍奮闘しても多勢に無勢だわな…。
因みに相手の方は黒のBP型スバル・レガシィツーリングワゴンとH20W型トヨタ・ヴェルファイアを使っていました。

同じく逃走を促された水野が身を置いている情婦は銀のX120型トヨタ・マークXに乗っていました。
その後、水野が使おうとしたところで小沢の部下に拉致られ後部座席に乗せられた挙句、人目につかない場所で頭巾をかぶせられ、首に引っ掛けられた縄を車外の柱に括りつけられた後で車を発進させられ車外に放り出された上に首が折れて即死と言ったところでした
情婦も殺されたようですし…まさに処刑の様相を成してた感がします。

*2作目(ビヨンド)

1作目ラストで昇進した片岡が自らの後任として指名するも、本作冒頭でホステス共々港に沈められ粛清された山本が乗せられていたのは黒のJ31型日産・ティアナでした。

その山本の遺体検分に繁田らが立ち会うにあたり銀のT260前期型トヨタ・プレミオが用いられていました。
それにしても、取り調べのシーン観てたら「繁田も大変だよなあ…」と(他にも内心辟易としてる捜査官もいたんじゃないですかね)。
暴力団に対して人間性を無視して十把一絡げにゴミ以下と一刀両断してますし(これに対して小野が「警察も似たようなもんだろ」と言ってましたが、強ち間違ってないかもと思ってしまいます)、片岡と比べると先見の明がなさすぎる感があるので必ずしもポジティブな印象は持てないですが、少なくとも警官としての在り方は片岡と比べれば大分マシと言えるでしょう。
十把一絡げは如何かと思うものの反社会的勢力に対する姿勢としては問題ないでしょうし。それに出世の為なら何でも利用し、人命なんてお構いなしな片岡と比べれば真っ当な警察の人間としての職務を全うしようとしてますから(そこまでして出世するぐらいなら一生ヒラでいいとも言い放っています)。

画像は先の分で載せてるので割愛しますが、片岡が山王会事務所や堅気となった木村が経営するバッティングセンター、仮出所した大友の迎え(繁田もこの時同行)に赴く際に乗っていたのは銀のX120型トヨタ・マークXでした。
それにしても…1作目と比べて汚さが割り増しした感がたまりません(1作目の関内会長が2作目で片岡に代わったという見方もあるでしょうが、片岡の汚さは1作目時点からですからねえ)。正味、繁田がン百倍はマシに見えます。
なお、事務所前に停まっていたのはF30型トヨタ・セルシオ、S170型トヨタ・クラウンマジェスタ、F50型日産・シーマ(何れも黒)でした。
セルシオに関しては片岡が山王会古参構成員と共に花菱組事務所に足を運ぶ際に用いた他、舟木が前作ラストに加藤が関内会長と小沢を射殺して会長の座に上り詰めたことを述べるに至る前には不幸にも黒塗りの花菱会構成員運転の車両(後述)に追突されていました(但しその後無傷の状態で登場しているので、修復したか複数台所有してるのかもしれません)。
それにしても富田に関しては加藤、
狂犬石原に牛耳られるわ、花菱会に相談したらチクられた末に射殺されるわでかなり不憫です(繁田の言う様に片岡の所為で死んだようなものですが、その片岡は意に介してないですし…)。
日韓を股にかける大物フィクサーである張大成(チャン・テソン)会長の腹心・李が仮出所した大友を迎えに来た際には銀のW221前期型メルセデス・ベンツ・S350が用いられました。尚、復讐を遂げた木村から誘われた大友が丁重に辞退し去る際にも用いられています。
どうでもいいけど前作と比べて大友も丸くなったな感は否めないです。暴力団の世界に辟易としてるからというのもあるでしょうが、前作に於いて筋を通しに来た木村の顔を切りつけた件を反省していたり、自分が撃たれたことで木村が舎弟二人を叱り付けた際に止めたり
なお、演じる金田時男氏は統一日報会長も務める実業家で、北野監督と交友があったことから「金は後世に残せないが映画出演すれば姿を後世に刻めるから」と話したことが本作出演のきっかけとなったそうです。

木村は自家用車を持っているようですが、黒い日産・Y34型まではわかったものの、セドリックかグロリアかはわかりませんでした。尚、片岡がバッティングセンターを訪れた際にはセンター前に停まっていたり、舎弟二人の遺体検分にあたる際にも乗り付けていました。
大友が丸くなり、石原が前作のインテリヤクザから狂犬になりましたが、木村も前作で刺したことを詫びたり、兄弟の杯を交わすにあたり一触即発になった際には指を食いちぎって場を収めたりしてて本作では前作以上の漢気をみせていました。




石原が大友に会いにいくにあたってはS200型トヨタ・クラウンが用いられていました。尚、その後は「野球しよっか」の展開となります(ただこれに関しては「軟球で死ぬのは難しい」そうですが。観た感じあまり時間がたってなさそうでしたし)。
尚、この時花菱会の方はC35型日産・ローレル、E65型BMW・7シリーズ、2代目シボレー・シルバラード(何れも黒)を用いており、シルバラードは先述の舟木の件にあたってセルシオに追突していました。

山王会構成員一斉粛清に於いて、城の運転するシルバラードに追いかけられた末に横転してから彼に射殺された構成員は黒のS160系トヨタ・アリストを用いていました。
加藤が山王会組長引退後に事務所を去る際にはW221後期型メルセデス・ベンツ・Sクラスが用いられました。

*3作目(最終章)
済州島(なお、劇中では日本語読みの「さいしゅうとう」読みです)に於いて、張会長の計らいで彼の運営している組織の用心棒を大森南朋氏演じる市川とともに務めている大友を乗せるハイヤーとして黒のW220系メルセデス・ベンツ・Sクラスが用いられていました。
なお、ピエール瀧氏演じる花田の宿泊施設に向かう際も用いられていました。またテーマ曲の流れているあたりではW221系も登場しています。
それにしても…花田が最も迂闊なことやってる感がしてならないです(しかもケチで小心者。例えば小指を詰めるのにもビビってたりしてましたし)。死に際もギャグボール型の爆薬咥えさせられ爆殺ですし。
まあ、
中の人は中の人で演歌活動終了の際に犬にかみ殺される最期の設定をやった例もありますし…個人的には、電気グルーヴの時の姿を思い出すとそちらとは様相は違えど妙に違和感がなかったりしますw
(2023年11月18日追記)
因みに監督が把握してたかは不明ですが、電気グルーヴの初期楽曲で『その男、凶暴につき』(因みに同作出演の白竜氏や岸部一徳氏は本作にも出演)の台詞をサンプリングしてたりするので北野作品との縁はあるようです。
まあ、引用した台詞が台詞な上にほぼ全編にわたって用いられているので後に契約した会社の検閲でお蔵入りとなりましたが(アルバム収録の他の楽曲も歌詞のマズさで検閲に引っかかってますが歌詞変更に留まっています)。

北野監督作品としては本作が遺作となった大杉漣氏演じる花菱組新会長である野村(先代会長の娘婿とのことですが、もともと証券マンでたたき上げのやくざではないこともあって特に西野からはいい顔されていません)の定例会議のシーンではW222系メルセデス・ベンツ・Sクラス(おそらくS550だと思われますが車名エンブレムが装着されてないので不明です)、S180系トヨタ・クラウン、USF40型レクサス・LS460(野村はこちらに搭乗。また野村が中田を唆し西野を粛清しようと動いたり、西野が野村を拉致って大友のもとに連れて行った際にも登場しています。なお、白い個体が李らが張会長のもとに向かう際に登場)が登場していました(いずれも黒です)。

野村の西野粛正計画にあたって西野が自らの死を偽装した際には黒いS200型トヨタ・クラウンマジェスタが湖に沈められていました(なお、花田を降ろしたうえで沈めましたが、濡れてないとおかしいので後で花田も湖に突き落としました)。

張会長の通う喫茶店を原田泰造氏演じる丸山(元暴走族で花田組の舎弟)らが襲撃した際には黒いAH30型トヨタ・アルファードが登場していますが、中田と花田が張会長のもとに慰謝料3000万円(李曰く「はした金」。あと、張会長からは舐めている旨を見透かされていました)をもって顔を見せに行った際にも登場しているので花菱組の車両でしょう。
なお襲撃理由に関しては先述の西野粛正の罪を張グループに被せた形ですが、張会長自身は逃げおおせ丸山らは散ってしまったので結果は失敗でした。

なお、その顔見せのシーンでは張グループの車両として黒いD3系アウディ・A8(だと思いますが、違ってたら申し訳ないです)が登場しています。
但し2作目にも登場した銀のW221系Sクラスと比べれば登場頻度は少ないです(こちらは覚えてる分では、大友が署を出た際の出迎えや、終盤に於いて加藤の側近で木村を殺害した張本人である元・山王会組員のスクラップ工場の男への復讐、大友の自害の時に登場していました)。

繁田と中村育二氏演じる先輩刑事の平山が用いる捜査車両として銀のX130型トヨタ・マークX(2012~2016年までの仕様)が登場しています。
劇中では張会長の自宅の来訪や空港で出迎えられた大友を重要参考人としてしょっ引く際、先述のスクラップ工場の男のもとを訪れる際に用いられていました。
なお、大友は張会長が警察上層部に圧力をかけ出してもらえましたが繁田は納得していませんでした。しまいには警察の現実に幻滅して辞職届を平山とうなぎ屋に食いに行った際に出す始末なので何とも気の毒な気はします。
張会長の舎弟が野村を襲撃しに行った際に彼が搭乗していたのは黒のGZG50型トヨタ・センチュリーです。
なお、「防弾じゃねえのか」と憤っていますが、Wikipediaの同作品の項目によると、防弾車両の入手は公的機関や金融機関でもない限りは難しく、日本唯一の防弾車メーカーであるセキュリコ社ではリース販売しか行っていない、日本国内専用車両であるセンチュリーだと防弾ガラスの入手性などの問題から海外の工場で防弾施工を実施することは事実上不可能、メルセデスやアウディ、BMWといったドイツのメーカーなら純正でも存在するものの政府機関だけにしか提供されないという背景があるそうです。

出所した大友が秘密裏に入国していた市川らと合流して花菱会襲撃を計画した際には黒のH100型トヨタ・ハイエースが登場していました。
なお、バーでの襲撃に成功しますが同じく合流していた韓国人が花菱組からの刺客で撃ち合いの末に全員射殺するも張グループの若い衆まで誤射したことから市川と大友の二人だけで襲撃することとなりました。

その後、西野(花田に詫びさせた上で張会長襲撃の黒幕が野村であることを大友らに明かします)から屋上駐車場に呼び出された際には黒いW222系メルセデス・ベンツ・S63 AMGを用いていました。
AMG仕様を用いているあたりは大友の中の人の趣味もあるのでしょうが、俺得です。
その後は市川との別れのシーンでも登場しているほか、
キャンプ楽しんでもらおうと野村を土に埋めに行った際にもおそらく登場したものと思われます。それにしても、野村の首の折れる音が実に生々しいです。


花菱会中堅幹部の出所祝いパーティに於いてはE60系BMW・5シリーズ、C219系メルセデス・ベンツ・CLSクラス等(全車種把握してるわけではありませんが、すべて黒)が登場しました。
それにしても会場での乱射が気持ち良過ぎで正味腹を抱えましたw
本題は押さえきれてる分には以上ですが、まあ大概「世間的にはこんなイメージでは」という感じのものばかりでした(良くも悪くもステレオタイプってことです)。
北野監督も車の趣味がありますし、そこのところは把握されてたことでしょう。
(2023年11月18日追記)
今月23日に『首』公開を控えているので結果的には最後の作品にはなっておらず意味合いは薄れたかもしれませんが、それでも先述した『その男、凶暴につき』以外でも過去作出演経験者が多いのでその意味だと集大成の意味合いは強いと言えるでしょう(特に大杉漣氏の場合は公開翌年に鬼籍に入っているので北野作品としては本作が遺作)。
また、実際には加瀬亮氏が演じた石原役が元々は公開前年に麻薬取締法で逮捕された押尾学氏の予定だったり、1作目で安倍役を演じた役者がひったくりで逮捕されたり、2作目で小野役を演じた新井浩文氏が強制性交容疑で逮捕されたり、3作目で花田役を演じたピエール瀧氏が麻薬取締法で逮捕されたりでなかなか大変なこととなっています(監督が天皇陛下御即位三十年奉祝感謝の集いでネタにしたぐらい)が、まあ彼らの件がなくともそもそも監督兼主演のビートたけし氏がフライデー襲撃事件で逮捕されてるので…。