久々です。
ある人の提案で書籍化することも本気で考えてみようかなあ、なんて思ったこともありましたが、やはり周辺環境に左右されず自分の気の向くままに書く方が性に合うと思ったのと、『キノの旅』読んだ人なら通じるかもしれませんが『絵の国』に出てきた画家みたいなことになったら…と思ったので結局その話は考えないことにしました(正直、「ちと自分の腕を確かめてみるか」とやってみて惨い様を見ることになるのは自分の場合精神に来てもおかしくないです)。
あと、そもそもネタはあっても限りはありますし、既存のネタの加筆・修正して掲載と言ってもできる自信がないもので。
前置きの前置きの時点で既に長くてすみません。
『イニシエーション・ラブ』原作文庫本読み終えたので書くことにしました。映画版は公開時に映画館で観て「ええーっ!?」ってなったのが記憶にあるぐらいですが、原作の方はというと「うーん、でも買うのはなあ」ということで結局目を通してなかったです。今思えば図書館で借りればよかったんじゃねえかっていうかそもそも今回読むにあたって近くの図書館で借りてたぐらいです(なお、何故読むに至ったかと言えば「図書館で取り扱ってることが分かった」のが一番ですが、ヒロイン役の前田敦子さんが
将軍勝地涼さんとの間の子を出産したのもあります)。
この作品の場合、本気でネタバレしたらシャレにならんので「ネタバレ含む」じゃなくて「マジでネタバレ注意」にしてます。
因みにこの作品の登場車種に関しては過去にも書いてますが、改めてこちらに書きます(昔書いた方は消します)。

*原作
side-Bに於いて主人公の鈴木辰也の愛車として登場するのは初代ホンダ・シティです。
なお、色やグレード等は書かれていません。また、劇中で名称が登場するのは同車種だけです。
まあ、それだけだと短すぎるので初代・2代目のCMと説明を。

1981~1986年に販売された初代に関しては「トールボーイ」と呼ばれる当時の同クラスと比べて高い全高(1460~1570㎜。目安として、後述するP60型トヨタ・スターレットは1330㎜)で販売されたヒットセラーであり、上に載せた動画の序盤のムカデダンス(実際はナッティー・ウォーク)にイギリスのネオ・スカバンドグループであるマッドネスの『シティ・イン・シティ』(もともと3分強の長さの曲なのでCM用に作られたわけではなさそうです。なお、作曲したのは井上大輔氏とのことです)に「ホンダホンダホンダホンダ」の合いの手を入れたCMや「ブルドッグ」の別名のついた上画像にも載せたホットハッチ仕様のターボII(CMは4:25あたりから。それにしてもなんか強そう)などが有名といえるかもしれません(特にムカデダンスは当時は『8時だよ全員集合』やソフト99のCM等でネタにされました。ていうかリバイバルしてもいいんじゃないかと個人的には思ってます)。
なお、国外ではオペルが「シティ」の商標を持っていたことから「ジャズ」の名前が用いられましたが、この名称はホンダの他の車種(その中には後述するフィットの初代・2代目モデルも含まれます)でも用いられています。

1986~1994年に販売された2代目に関しては初代とは打って変わって全高を低く全幅を広げる形となり同社の生産していた軽自動車であるトゥデイの初代ハミングと似たような印象となったほか、車両重量が680kgということでモータースポーツで重宝された側面もあるそうです(初代でもターボIIを用いたワンメイクレースはあったものの背の高いボディのために重心が高く転倒することもあったそうなのでそれと比べると安定はしてたろうことは想像がつきましたが、当時のホンダ車の例にもれず『紙のボディ』と揶揄される低剛性ボディという短所もあったとか…)。ただ、やはり初代の背の高いイメージが強いのか販売は低迷していたそうです(とはいえ前述の販売期間を考えると2代目の方が長いですが。あと自分が幼いころは2代目はそこそこ見かけたものの初代はあまり見かけなかったのでかえって2代目の方のイメージがかつては強かったです)。



その後は実質上の後継車種であるロゴ(1996年登場。1490~1525㎜)やフィット(2001年登場。1525~1550㎜。余談ですが、2代目シティには同様名称のグレードが存在していたそうです)に於いて再び背が高くなっていますが、これに関しては他の同クラス車でもそれぐらいの全高なので初代シティとは無関係でしょう。
なお、3ドア車が販売の主流だった時代だったとは言え同クラス車(後述するスターレットも含む)と違いシティでは最後まで3ドア車だけのバリエーションでしたが、ロゴは5ドア車も用意され、フィットに至っては5ドア車だけのバリエーションとなっています(これもある意味時代の流れなのかもしれません)。また、ロゴは実用性に振り切りすぎて受けがよろしくなかったと聞かれるのに対し、フィットは少なくとも2代目まではヒットセラーとなっているのは系譜的には初代シティの再来なのかもしれません(ただ、意味合いが異なるので一緒くたに考えるのは危険ですが。むしろ意味合い的にはシビックのほうが近いかもしれません)
…脱線しかけましたが、「そういう背景を考えると2代目は選ばんよなあ」と個人的には思います。

*映画版
観賞当時は原作未読ということもあってか最後の最後で「ええーっ!?」ってなりました。別人のようにじゃなくて本当に別人なのかよ!(パンフによれば、原作者の乾くるみ氏が「幼年、成年、老年をそれぞれ別の俳優が演じる大河ドラマのようにふたりひと役と思わせればいいと考えた」と述べていますが、あの描き方だと冴えない人間がトレーニングを始めて二枚目になりスターレットに買い替え冴えるようになったように自分は思ってました)あと途中で月日だけになってたから予測はついてましたがいつの間にか頭から抜けてました。まあ80年代文化が好きなので楽しかったですがこれは余程理解力が悪くない限り1回観れば十分かと(パンフでもしっかり解説されてますし。なお、原作単行本でもある程度説明はありますが映画版ほどわかりやすくはないです)。なお、車に関しては最初の方のはエンドロールやパンフでも紹介されてますが一応書きます。
あとジャイ子前田敦子さんはつくづく桃太郎に縁あるなあ…。

鈴木夕樹が愛車として購入したのは銀色のL55型ダイハツ・ミラクオーレでした(すみません、なぜか黄色と間違えてました)。免許取り立てということもあってかフロントバンパーに若葉マークが付けられていたりとか、サイドブレーキ引き忘れて坂道をずるずる下がってしまってたりしていました(一歩間違えたらGTOの冬月先生みたいなことになりかねないので注意を)。またボロいこともあって夕樹には気にしている節がありましたが繭子はそうでもなさそうです(その背景を見るにやはり練習を考慮してボロいのをかったわけでなく女の子のために車を買ったはいいが貧乏が故に…ってことですね)。
因みに同車は1980年~1985年まで販売されましたが1982年のマイナーチェンジで「ミラ」に名称変更されてるのでミラクオーレの方を見かけるのはレアな気がします(尤も、前期型が2年、後期型が4年販売されてるものの前期の方がよく見かけるF31型日産・レパードの例もあるのでなんともいえませんが)。
桃ちゃん鈴木辰也が愛車として所有してるのは赤いP60型トヨタ・スターレット5ドアSE(ドアミラー、マニュアルトランスミッション仕様。なお、ドアミラー仕様は1983年4月登場ですが、P60型の販売時期が1978年2月~1984年9月なのでかなり末期です)で、side-B序盤のジョギング、東京⇔静岡の往来、繭子から生理が来ていない旨を告白されたとき(その際、前方のZ10型トヨタ・ソアラとの車間距離が開いて後続のA60型トヨタ・セリカXXからクラクションを鳴らされていましたが、これについて「二人の心の距離」を暗示しているという推測を耳にしたことがあります)、産婦人科で3か月と告げられた時や堕胎したとき(しかしこれに関しては嘘か本当かわかりません。個人的にはおそらく本当だろうと思いますが推測頼りな面があるので微妙なところです)、美弥子宅の来訪の際に用いられていました(余談ですが小ネタとして美弥子の両親役は『男女7人秋物語』で共演した片岡鶴太郎さんと手塚理美さんが起用されています)。
コンパクトボディ(車両重量は730㎏)に加え、この頃の同クラス車では前述のシティのように前輪駆動を採用していたのに相反して後輪駆動を採用していた(というより安易な前輪駆動化への懐疑心がトヨタ側にあったことが背景にあるそうですが、それでも次代であるP70型では前輪駆動となっています。)こともあって競技仕様に用いられる等スポーティー傾向があったことから若者に人気だったそうなので辰也が持っていたのもこの時代じゃ普通のことだったのかもしれません(ただし、エンドロールやパンフレットに於いては「『かっとび』の愛称で親しまれた」旨が言及されており自分も恥ずかしながらそれを真に受けてしまったのですが、実際にその異名があったのは前輪駆動化しかつターボチャージャー搭載車も登場するようになったP70型です。P60型の通称は「1300スターレット」)。
80年代前半の車とは言え地味に好きな車種なので割と登場してたのは俺得でしたが…まさかその中に二人のニアミスシーンがあったとは。
あと最後の最後でネタばらしされるまで本当に同一人物の設定と思ってたのでミラクオーレからスターレットに買い替えたんだなと普通に思ってました(ただ、改めてDVDで見返したら美弥子の「そういえば『男女7人秋物語』の最終回(1987年12月18日放送。したがってside-Bがside-Aの翌年だとしたらほぼ1年前の話をしてることとなり世間話としては不自然)観た?」「あの人の名前は鈴木
辰也」のセリフがあるのでその時点で気づけたろうと後悔しました。なお、原作でも夏物語か秋物語の差などで勘繰ることはできます)。



それ以外ではside-Aのテニスのシーンでは北原の愛車として黒の初代フォルクスワーゲン・ゴルフカブリオレ(劇中では丸4灯ヘッドライトでしたが、調べた限りではその仕様が登場したのが1989年なので後から付け足したのでないなら時代考察ミスとなります)が、望月の愛車として緑の初代ホンダ・シティカブリオレが、大石の愛車として白のA60型トヨタ・カリーナ(だと思われますが違ってたら申し訳ございません)が登場していました。
劇中ではシティに乗せられた夕樹はゴルフに乗せられた繭子が北原と仲良さげなのを見て嫉妬していた際に登場しました(実際には杞憂でしたが)。

また、ミラクオーレを入手するまではヤマハ・ジョグ(1987年時点ではCG50が現行型ですが、金銭状況的に新車を購入している可能性はないと思われるのでCE50の方でしょう)が夕樹の普段の足で、合コンの時や繭子の家に行ったとき等にも用いていましたが、中には辰也のスターレットと遭遇していたこともありました(side-Aにおける夕樹のイメチェンの様の時、side-Bにおける辰也が美弥子から告白され悩んでいる時)。

なお、side-Bでの海水浴場に向かう際に生理が来ない旨を繭子が告げるシーンの渋滞に登場した車種全部は把握していませんが、
この方や
この方のように実際に撮影に協力された方のブログである程度は述べられています。
グレーのA60型トヨタ・セリカXXが先述の車間距離のくだりの際にクラクションを鳴らした後続車両として登場していたのは気づいていましたが、まさかこの方のご知人だったとは知りませんでした。

あと気づいたのはせいぜい金色のZ10型トヨタ・ソアラが前方車両として登場してたくらいでした。
実際のところどうなのかはわからないですが、50年代後半~60年代前半に産まれた方にとっては車もまた青春を感じさせる要素なのかもしれません。
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劇中車 | 音楽/映画/テレビ
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2019/07/15 21:56:12