
『帰ってきたあぶない刑事』5月25日に舞台挨拶中継付きの回観てきたので書きます(ドラマ1作目~『さらば』までは
こちら。文字数制限引っかかったので『帰ってきた』だけ別記事の形となりました)。
率直に感想を言えば、「前作でもきれいに終わってはいたけど、本作のほうが良かった!」
38年経ても鷹山さんと大下さんと町田さんと薫さんの関係性がずっと変わらないことが本当に素晴らしいことだとつくづく思います。例えば町田さんは二人がいない前だとガツンと言ってやると思っててもいざ本人たちを前にすると「トロい動物」「プリティー町田」に戻ってましたから(ただその一方でいざという時の対応は『もっとも』等での近藤課長を彷彿とさせてくれてよかったです)。そして薫さんは相変わらずの暴走特急ぶりでした(それでも台本通りみたいですが)。
(以上は劇中使用曲の元曲のほうです)
また過去作を観ていたら懐かしいと感じさせる演出(オープニングとエンディング、BGMはTVドラマ版のアレンジでしたし、先述してますが『Where do you go from here?』がいい使われ方をしてました。また、過去の映像が用いられていたのでその意味では初見でも問題はないかもしれませんが、それでも極力観て実際の空気感がどういうものだったか感じてもらいたいです)があって良かったです。
ていうか『もっと』のエンディングの映像見当たらなかったです(曲が『翼を拡げて』になってるだけで赤レンガ倉庫前を走ってジャンプする映像自体は1作目と一緒ですが。そして本作では『さらば』以上に再現されていてよかったです)。
『まだまだ』あたりから主役二人が年齢を重ね老いを感じ始める中で周りに若い層が増えてきたことがネタも交えて描かれ出すようになっていますが、本作の場合はそれでも若手刑事の尾行を撒いたり傭兵の襲撃時に若手に指南して立ち向かえるようにしたりと「老いてもなお衰えたわけでない」様を見せていました(このあたりに関しては若手刑事に見向きもされていない『さらば』よりも若手からは最初こそおっさんと見くびっていたけど最終的に認めた節のある『まだまだ』に近いところはあるかもしれません)。
ていうか片方に関しては土方歳三の中の人だしなあ。
まあ、語りたいことはいろいろありますが本題に入ります。長くなったら書けなくなるので。なお、二人の移動車両と捜査車両以外は書いてません。
今回はこれまでの劇場公開作品と違いメーカーからの車両提供はなく1台を除き劇用車会社からの提供となっています(劇中で破損する車両に関しては用意したのは東映側と思われます)。
前作のような日産自動車の車両提供がないのは何とも惜しまれます。ただ、意図したか偶然かは定かではないものの土屋太鳳さん演じる依頼人の永峰彩夏がみなとみらい大橋を南下するシーンにおいて右側に日産自動車グローバル本社が映ってます。
出典:https://www.opencar.jp/bmw330ci_cabriolet_msp_26u29.htm
ニュージーランドでトラブルを起こして出禁となり横浜に戻って探偵事務所を開設した鷹山さんと大下さんが足車にしてるのは銀色のE46/2C系BMW・330Ci Mスポーツカブリオレです。
劇中では冒頭から『She’s So Good』をBGMにベイブリッジを渡ってから埠頭に停まっていたほか、彩夏が登場してからは彼女を助手席に乗せて宝石店に向かったりその帰途ホテルエントランス前で岸谷五朗氏演じる劉飛龍の配下による襲撃を受けた際には配下を撥ねたりサイドターンを繰り出し逃げたりしましたがその途中でガス欠を起こしてレッカーされる事態となりました(BGMの『RUNNING SHOT』が遅くなるのは笑いました。因みに
グレードにもよりますがE46/2C型の場合だと約7.5~9.3km/lとのことです)。
それでもその後も最後まで使い続けており鷹山さんと合流してからは彩夏を後部座席に乗せることもありました。
なお、この車両を使うことになったのは冒頭から主役二人を映したかった事と3人乗せる状況を想定したためとのことです。
もしや途中で大破するんじゃと思いましたがそんなことはなかったです(なお、劇中ではずっと幌は開けっ放しでした)。これに関しては実際の車両が劇用車企業である「
ワンダーフォーゲル」(『ドライブ・マイ・カー』のサーブ900の提供元といえばわかるかもしれません)所有の車両だからという背景があるからでしょう。また、近年の警察の規制厳格化で模造ナンバーを使用して公道走行したうえで撮影を行うのが実質不可能となったこともあって素の車両の「多摩303 む 65-93」ナンバーが用いられているそうです。
出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:180Crown-unmarkedcarLED.jpg
鷹山さんに大下さん、薫さんに彩夏、町田さんの部下が敵と遭遇したバー・カプリアイランド(因みに知りませんでしたが元ネタはあぶ刑事ドラマ版監督を務めたことのある西村潔監督が手掛け柴田恭兵氏も出演した『大追跡』17話に登場したバーとのことです)に町田さんが向かう際には黒のS180型トヨタ・クラウン(何故かS210型と間違えてましたが後で調べてわかりました)に乗っていましたが、道中カプリアイランドから逃げる薫さんと接触してしまいました。
出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Toyota_MARK_X_250G_(X120)_front.JPG
出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jeep-Grand-Cherokee-WK.jpg
またそれ以外の捜査車両として銀色のX120型トヨタ・マークXが登場し、終盤早乙女太一氏演じるベンチャー企業社長で『もっとも』における銀星会会長である前尾源次郎の息子である海堂巧の一味の搭乗する黒のWH系ジープ・グランドチェロキーに接触して横転させていました。
出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:2009_Toyota_Mark-X_03.jpg
出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:2008_Toyota_Crown-Royal_01.jpg
出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nissan_SKYLINE_250GT_(V36).JPG
出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Patrol_car2.jpg
なお、それ以外に捜査車両として登場したのは銀のX130系トヨタ・マークX 250G、白黒警察車両としてはS200型トヨタ・クラウン、V36型日産・スカイライン(劇用車会社である「
インペリアル」所有車両。これに関しては他の作品でもちょいちょい見かけます)、E24型日産・キャラバンが登場していたようですが、たぶんX130系マークXはV36型スカイラインと見間違えてた&それ以外は気づいてなかったという感じです。
キャラバンに関してはその次のE25系以降ならともかくE24系は現実でも見かけることが少ないだけになかなかレアな気がします(それでも映画だと『お前の罪を自白しろ』にも登場してたりしますが)。
(2024年7月1日追記)
因みにS180型クラウンとX130型マークXに関しては本作と同じく原廣利監督が手掛けた6月21日公開の映画『朽ちないサクラ』においても登場していますが、同一個体かは不明です。
ただ後者に関しては作中で大破していることに加えおそらくナンバーが架空のものを用いている(地名自体が架空の為)ため劇用車会社のレンタルではない別個体かもしれません。
出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nissan_LEOPARD_Ultima_MY1987_ver.Saraba_Abunai_Deka_(3).JPG
そして忘れてはならないのはゴールド・グレーのツートンのF31型前期型日産・レパードアルティマでしょう。
劇中では町田さんがトランクに重火器類を詰めた状態で二人のもとまで運転して持って行った後、大下さんが彩夏が拉致された本牧埠頭のコンテナターミナルまで乗っていました。それから彩夏の母親の被弾に気づくと敵の発砲を受けつつも車内から敵に発砲していました(この時、後輪ホイルスピンしていました)。
前作のレパードもですが、横浜港署の覆面車両の設定のようです。販売期間が1986年2月~1988年8月(後期型も含めれば1992年8月ですが前期型なので)の車両なだけに今でも用いてるのがとんでもないです(でもこの作品に関してはそれがいい)。
撮影に際してはこの車両だけが個人所有車両を用いている(絶版車両であることから日産自動車側よりも個人所有車両を当たったほうが早いため)のですが、
所有者の方の所有時点で車両の外装(グレードも『さらば』と違い本当に「アルティマ」グレードです)・内装のカラーリングが過去作のレパードと同様(但し劇用車との相違としてサンルーフ付き車両であり、所有者の方もその点を惜しんでいるとのこと)ではあった物の元々作品と無関係に車両維持するつもりだったことからカスタムしていたのが、東映側から
F31型レパードを扱う専門店に車両仕様の連絡が入りそこから条件の合致する車両を入手していた所有者の方に話が来たことでノーマル仕様に戻したそうです。その際には全部品を1986年型のものに換えており(車両自体は1987年型)、仲村トオル氏いわく「ここまで再現されると、感動を通り越して気持ち悪いです(笑)」(賞賛)とのことです。
また面白いのがナンバーに関しては先述の330Ciカブリオレの項でも述べたように素の車両のナンバーを用いることになる(『さらば』迄の個体は模造ナンバーなので素のナンバーを用いたレパードが登場したのは今作が初です)のですが、所有者の方がかつての港303号と同じ「54-17」のナンバーを希望したところ、「横浜333 も 54-17」となったのでした。
殆どの方がご存じでしょうが、希望ナンバーは下4桁は兎も角分類番号や平仮名部分は所有者側で決められるものではないので完全に偶然です(或いは横浜陸運支局側が気を利かせ調整したとかなら担当の方がGJです。そうでなく本当に偶然なら神様の賜物と言えるでしょう)。
なお、本作の制作発表の会場や2024年2月17日~2月18日にパシフィコ横浜で開催された「Nostalgic 2days」等においてもこの車両は展示されていました。
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劇中車 | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2024/06/20 23:31:09