
『君の名は。』を観たいと思いつつ「でも録画した『言の葉の庭』を先に観た方がいいかも」と考え結局観ずに『後妻業の女』の方にした口です。尤も、元々観るつもりだったので問題はないのですが。
作品自体に関しては黒川博行氏の小説である『後妻業』を原作としておりビッグコミックオリジナルに村上たかし氏による漫画版も出ています(なお、前者も目を通したのですが余裕がなく最初の方だけです。後者は観賞時点で2話までしか公に出てません)。
類似した事件もありモデルと言われていますが時期的には『後妻業』の方が先なので偶然でしょう。ただ幾ら作品自体がフィクションとはいえ似てる事件があるとなると笑っていいものか悩むのも無理はないでしょう(それに京都の件が氷山の一角の可能性もあるだけに…)。
自分の場合は「実際にこういうの結構起きてるんだろうなあ」と思いつつも作品の趣が人間の黒い業をコミカルタッチ(これに関しては鶴橋康夫監督のインタビューによると原作の趣は逆に喜劇的に描いた方が自身の中で成り立つからだとか)に描いたようなところもあり楽しめました(ついでに言えば自分の観た回はそれこそ標的にされそうな御老人が多かったのですが自分以上に笑っていたので「ああ、そういう観点持っていいんだ」と思うことができました)がそうは言ってもやはりえげつなさは感じました。特に大竹しのぶさん演じる武内小夜子は役者の演技力が高いこともあって「バケモンかあのババア」「殴りたい、この笑顔」って感じを見事に抱かせてくれました。
と同時にラストの台詞は後妻業を蔓延らせないためにも頭に入れておいた方がいいかも、と思います。
あとは大阪の風景を観ながら「おー、あれはここやな」と感じつつ観てたのと「永瀬正敏さんの探偵って濱マイクじゃねーか(因みに氏曰く小道具を貸してくれた探偵は濱マイクに影響を受けたとかでそれが嬉しかったそうです)」「鶴瓶さんの存在感が個人的に面白い」「松尾諭さんをはじめとして『シン・ゴジラ』の面子がそれなりにいるなあ」って感じです。
すみません、前置きが長くなりました。ここから本題です。

豊川悦司さん演じる結婚相談所所長の柏木亨はW221前期型メルセデス・ベンツ・S600(劇中では白)を愛車としています。なお、予告時点では
現行のW222型と勘違いしてました
大人の事情で使えなかったのもあるかもしれませんが。
「これが買えるあたりマジで儲けてるんだろうなあ(因みに現行型の同グレードは2318万円)」「『これ売ればいいんじゃ』って内心行員は思ってたりして」と観てる間冗談めかして思いましたがそれはさておき、劇中では小夜子と柏木が津村雅彦氏演じる小夜子の9番目の夫(尤も、籍は入れてませんが)である中瀬耕造の通帳解約に際し行員から本人からの同意云々でできないと言われそれなら本人に訊くと返しそれから行員をこの車の後部座席に乗せ耕造の入院先に赴くのですが…とりあえず柏木の運転粗過ぎですwそりゃ小夜子も「シートベルト締めた方がいい」っていうのも無理ないですが締めるのに手こずってましたw
また中盤では風間俊介さん演じる小夜子のドラ息子の博司が永瀬さん演じる本多芳則と一悶着した後に柏木のもとに向かった際にも登場していたほか終盤では母親を扼殺してしまったと思い込んだ博司と柏木が小夜子を入れたキャリーバッグをこの車のトランクに入れようとしていたところを警察に見つかり必死に取り繕っていました。あの顛末は無茶苦茶な感もしますが個人的に面白かったです。

その本多は
ナッシュ・メトロポリタン…ではなくBH系スバル・レガシィツーリングワゴン(劇中ではグレー)を移動の足に使っていました。細かいグレードはわかりませんでしたが所謂
ボクサーサウンドがしていたので4気筒仕様でしょう。
劇中ではミムラさん演じる、8番目の夫の義理の娘(余談ですが映画版では普通の感じなのが前述の村上さんの作品では狂気が垣間見えてて不気味さを感じた記憶があります)の家を訪れる際に用いられたほかにどこかの建物の屋上駐車場での博司との取引やその際の負傷治療のために動物病院に向かった時にも用いていました。
それにしてもまさかこの作品で観られるとは思わなかったです。不評がちですが個人的にこの型は近所の人が乗っててよく目にしてた関係もあって好きな物でつい反応してしまいました。

博司は所々でS200P系ダイハツ・ハイゼットトラック(型式に自信はないですが9代目なのは確か)を用いていました。劇中では横にステッカーが貼られていたのでアルバイト先かなんかの業務車かもしれません(ただ出所したばかりと言ってた気がするので違うかも)。
取り上げてますがせいぜい取引前に本多のレガシィの周りを何周かぐるぐる回った後で運転席同士が合う形で横付けしてたりとか柏木のいる港に向かうとかぐらいしか出番はないです。
因みに博司ですが作中では一番ガキっぽいです。それがある意味コメディリリーフ要素なのですが自分の場合「確かに面白いけど時々引く」って感じでした。

伊武雅刀さん演じる8番目の夫の武内宗治郎が乗っていたのは恐らくX300系デイムラー・ダブルシックスと思われます。型式と車種の方は自信がないもののメーカーに関してはデイムラーのロゴがちらりと見えたのでそちらは自信があります。
いずれにせよジャガー・XJのバッジ違いには変わりないですが、とりあえず流石元テレビ局役員とあってなかなかいい車に乗っています。

ただ作中ではGE系ホンダ・フィットを運転する柏木が後ろから執拗にクラクションを鳴らし譲る意味合いで停車させたところ降りてきた柏木が宗治郎の頭をドアで叩きつけて昏倒させそれから助手席の小夜子がフィットに乗り換えた後で柏木が押して宗治郎ごと崖下に落としました。
平然とこういうことをやるって怖いなあ…。

それ以外では尾野真千子さんが演じている耕造の次女の朋美が本多と共に余貴美子さん演じる小夜子の同業者で理髪店を営む瀬川英子のもとを訪れたときにはプジョー・206を用いてた気がしますが全く自信はありません。
記事は以上となります。とりあえず作品の性格上高級車も登場してますが別に拘りはないと見えます。
Posted at 2016/09/11 01:46:58 | |
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