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新春恒例の車関連イベントといえばTAS。
今年は久しぶりに行くことができました。
楽しかったのは間違いないですが、感動という意味では前回、前々回の方が大きかったように思います。
その理由について考えてみると、自分の年齢的なところと、それに伴う趣向の変化があるのかもしれません。
様々なドレスアップカーを見てそのアイディアに関心した部分ももちろんありましたが、、メーカー系や、大手サプライヤーの説明員の方と、技術的な会話をしたことの方が印象に強く残っています。
以下箇条書きで。
【BRIDGESTONE】
昨年のTASで試作品が展示されていたブリジストンのスチール風超軽量アルミホイール、SUPER R・A・P(スーパーアールエーピーと読むのが正しいとのこと)が正式発売されたということで現物を見てきました。
ただ、ラインナップされているサイズが完全にチューナー向けで、現実的に検討は難しいなという印象でした。
15x7.0 +28とか、完全にノーマルで履きこなすのは難しいサイズです。
今後14インチの展開はあるらしいのですが、おそらくそれも14x6.0などになるのでしょうから、これも車種(改造度合)を選びます。
リム幅薄く、軽く、ノーマルでも履けるラインナップを要望してみましたが、あまり良い反応ではありませんでした。残念。
最後にサランラップをもらいました。旭化成とコラボしたSUPER R・A・P柄の特注品。しかしながら、ホイールの正式な呼び方は「アールエーピーなのでお間違えなく」とのことでした。
【TOPY】
ブリジストンのR・A・Pはちょっとラインナップがハードでしたが、TOPYスチール風アルミホイールである、ランドフットXFGはその点純正同等サイズが充実。
現在GP1のスチールもTOPYを使用。交換するならこちらの方が現実的です。
家族所有のMX91Sの純正スチールはTOPYで驚くほど軽量です(14x4.5で約3.9kg)
説明員の方に伺うと、これと比較してもXFGは若干軽くなるということでしたので、見てくれだけではなさそう。スチールを白く塗る手間を考えると、こちらの方がいいかもしれません。前向きに検討です。
【TESLA ALLIANCE】
TESLA車両のドレスアップを行う企業共同体の展示。
今回は、車両のほかに10 Fields Factoryの急速充電機、FLASHが展示されていました。
訪問時に丁度10 Fields FactoryのCEOがプレゼン実施中。
曰く
「高出力な充電器の設置が増えてこそEVの進化と普及が進むものであるが、時間課金制が主流になっている現在の充電インフラには、低出力充電器の方が設置者が得をするという矛盾がある」
「従量課金(充電電力量単位で課金)で高出力な機械を普及させるべき(ここでいうFlash)」
なるほど。
興味本位でEVを所有、運用してみたい自分も、e-mobility powerの低出力で時間課金な充電設備が支配的な充電インフラでは不安です。
遠出時の経路充電のカギとなる高速道路や道の駅で、Flashのような高出力従量課金機が増えて頂くのを願ってやみません。
近く、充電機の450V制限が解き放たれる時が来るそうなので、充電時出力が112.5[kW]から180[kW]になるということ。国産EVではここまで許容できる車種は少ないですが、外製EVではすでに200[kW]以上を受け入れられるものがあり、利便性は大きく向上しそうです。
【BYD】
今回のメインはここ。
上記TESLA ALLIANCEの部分で10 Fields Factory CEOから直接話を聞く機会があったのは偶然ですが、BYDについて詳しい話を聞きたいということが、TASに行くことになった大きなきっかけでした。
来訪当日、BYDブースはかなりの混雑度で、車両の乗り込み体験すらも町が出る状況でした。TASに来訪するような層に対してはBYDの認知度はそれなりに高い様子です。
BYD側の配置人員も多く、ブースや車両のテーマカラーである黒服で統一されていました。
しかしながら、技術的な話ができる方は限られているようで、車両の詳しい話が聞きたいと伝えると、ブースの奥から黒服ではない方が出てきて対応してくださいました。
BYDはEV業界ではTESLAと並ぶ2大巨頭。
ただ、車両だけではなく蓄電池も自社内で設計・生産をしているのがTESLAとの違いです。
世界全体の蓄電池の生産量(容量)ではCATLに次ぐ2位ですが、LFPに限定するとすでに世界1位の企業。TESLAでもLFPを使用する車両にはCATL製だけではなくBYD製の電池も使用されている模様です。
そうなると、EV車両の大きな部分を占める電池を握っているBYDは、TESLAよりも価格競争力の面で優位に立っている状況であるといえます。また、最新のテクノロジーも自社車両に優先的に使用することができると考えられ、LFPを使用した車両において、TESLAよりもコストパフォーマンスの点で優位に立てることは想像に難くありません。
今回展示されていたSEALという車両は、TESLAのModel3とほぼ同じサイズ感のもの。しかしながら、ウインカーレバーすら排除してしまったModel3ハイランドに比べて、右ウインカーレバーやワイパーを残すなど、大分トラディショナルな
雰囲気が漂います。
しかしながら、これは決して悪いことではなく、従来からのインタフェースを変えることなく最新のEVを運転できるという点で、大きく評価する層も出てくるのではないでしょうか。(実際、ゴルフ8ではMCを期にハードウェアSWに回帰してくるとのこと)
個人的には、上記インタフェースとガラスルーフの中央に分割線が無い、更にHUDも装着されているという点で、SEALの方に魅力を感じました。
説明員の方と話す中で今後のBYDラインナップの話題になりました。
曰く
・BYDとして安売りはしない姿勢。しかしながら、本国とそう変わらない値段で日本仕様も提供している(装備、グレードを合わせると本国比で高くはない)
・dm-i(PHEV)は日本に導入する予定はない。EV一本で行く。
・seagullなどの低価格車両は導入予定なし。(上記安売りしない方針と合わせ、日本仕様とする際に発生するコストでseagullも低価格にならないからか?)
・現在、CHAdeMOに併せて450[V]としているが、今後アップデートすることも考えられている。150[kW]程度で充電できるようになるのかもしれない。
本人としては小型な車両が好みなので、SEALのような大型車は今のところ有力な選択肢とはなりませんが、今後の状況次第では意外と所有してしまったりすることがあるかもしれません。
日本国内で購入できる車両としては、他にもVOLVO EX30などが吉利のSEAプラットフォームを使用していて魅力的ですが、こちらに同じ吉利グループのZeekrが使用している金砖電池など、Cレートが高く長寿命なLFPが乗ってくれば、更に魅力が増して、ボディサイズと共に魅力的な選択肢になりそうです。