
KENWOODの彩速ナビオフィシャルサイトを見ていたところ、
「彩速ナビ公式アンバサダー」
なるものを募集しているらしいということを知りました。
もしアンバサダーになれた場合は、MDV-M909HDFという最新フローティングタイプ9インチの彩速ナビが提供されるというとのこと。
これは、MDV-Z702という初期の彩速ナビを使い続けている自分としては願ってもない機会。
散々初期の彩速ナビ最強説を唱えていた自分ではありますが、最新のものを使い始めたらコロリと考えが変わってしまうのかもしれません。
ただ、残念なのは
Twitter、Instagram、Facebookなどご自身のSNSアカウントをお持ちで“彩速ナビ”大画面フローティングモデルの魅力を月に4本以上、期間中に10本以上発信していただける方
ということで、みんカラがケンウッド的にSNSに含まれているかどうかが怪しいところ。
このような、みんカラブログでいくら吠えたところでアンバサダーに結びつかない可能性が高いという状況ではありますが、それでもKENWOOD彩速シリーズをを含め、KENWOOD製品を散々使用してきた自分として、少しだけ過去を振り返ってみる機会にしようと考えています。
【1‗2000年代前半_1】
このころ、まだカー・ナビゲーションシステムは一般的ではなく、非常に高価なものでした。
そのため、車室内のエンターテインメントといえばカー・オーディオが一般的。
それでも、カー・オーディオがMP3などの圧縮音源に対応してきたことにより、たくさんのCDやMDメディアを持ち歩く必要がなくなって、車室内の音楽環境が劇的に改善されたように思います。
更にその中で、KENWOOD,Victor(JVC),PIONEERが
”日本語TEXT表示対応”
をしてきたのが、自分の中で大変うれしかったのを覚えています。
まだ自分の車を所有するほど裕福ではありませんでしたが、実家の車のオーディオが壊れたことを切っ掛けに、一番初めに選択したユニットは”PIONEER DEH-P717”でした。

pic. from pioneer official
上記のMP3/WMA再生、日本語表示に対応しているのはもちろんの事、電動でフロントパネルが開いて表示部分が拡大する、デュアルスタイル・フロントフェイスは革新的でした。
当時のカー・オーディオは、現在のようにダッシュボードの一番上にある場合はほとんどなく、ダッシュボード一番下の灰皿と上段のエアコン操作部に挟まれた中段部(殆ど足の高さ)にあることが多かったため、このデュアルスタイル・フロントパネルは、操作性と視認性を兼ね備えた素晴らしい機構だったと記憶しています。
ただし、純正オーディオに比べて操作方法が難しい(いちいち操作の階層が深い)ということで、残念ながら家族には不評でした。
【2_2000年代前半_2】
漸く自分の車を持てるようになりました。
ただ、潤沢に資金があるわけではありませんでしたので、購入できた車両は10万円もしないような古い中古の軽自動車。それでも軽量かつマニュアル・トランスミッションであったので運転するのが非常に楽しかった記憶があります。
安い車両でしたので、購入当初は何もオーディオがついていませんでした。
しかしながら、ようやく手に入れた車両に対してできる限り拘りをもって接したかった自分は、KENWOODのFX-9000を購入・装着していました。
こちらは、最初に購入したDEH-P717と同様にパネルが開いて操作部と表示部が現れ、2DIN並みの表示/操作面積を確保できる”ダブルフェイスパネル”というもの。
やはり、低い位置にオーディオスペースが存在している当時の車両において、非常に使用しやすかったのを覚えています。さらには音質も素晴らしい。
それに加え、極めつけは電源OFF時。
見難いですが、完全にパネルが閉じることで、まるでオーディオレス車両のようにふるまうことができます。
外観フルノーマルで純正鉄+ホイールカバーで車高だけ落とす。内装も上級グレードの純正部品を流用しながら、オーディオすらついていない状態を装いつつも、実は車両購入価格に近い(60,000[JPY]!)高級品が取り付けられているという、当時の車両制作コンセプトに一番マッチした製品でした。
【3_2000年代後半_1】
当時は音楽だけでなく、動画を社内で楽しむのが一般的になってき始めていました。
それはDVDの再生であったり、その他の有象無象のものであったり。
そういったものを手軽に楽しんでみたいと考えていたところ、当時出始めだった中国製ヘッドユニットが目に留まりました。
色々なフォーマットの再生が可能で、1DINに収まる小さいサイズながらも2.5インチのTFT付き。それでいて値段も1万円程度というEONONのE0633を入手。
しかしながら、これはあまり良いものとは言えませんでした。
確かに、多彩なフォーマットの再生ができ、面白さはあったのですが、オーディオとしてのインターフェースが日本製と異なっており、非常に使いにくかったこと。また、耐久性が低く、入手後1年足らずでファンから異音発生し、その後ほどなくして背面ケーブルの接触不良による電源OFFが頻発するようになりました。
修理もしてみたのですが、やはりどこか心許せないところがあり、短期間で使用をやめてしまいました。
今はEONONも品質が上がってきていると聞きますが、インターフェースもより分かり易くなっているのでしょうか?
【4_2000年代後半_2】
免許を返納することになった家族の車両を廃車にするというので、そこから取り外してきたカー・ナビゲーションシステムを頂きました。
PanasonicのCN-HDS625Dというものです。
左右の画面で縮尺の異なる地図表示が可能になっており、ナビゲーション時には重宝した記憶があります。また、ナビゲーション使用時の一般道/高速道路の平均速度を任意に変更することができたので、それなりに予想到達時間をチューニングできたのは便利でした。
ただ、操作レスポンスやメディア対応性については平凡な印象しかなく、直感的に素早い操作が求められるカー・ナビゲーションシステムとしては物足りない印象でした。
【5_2012年末】
趣味で遠出をする機会が増えたため、少々カー・ナビゲーションシステムに拘りを持とうと考えました。上記したPanasonic CN-HDS625Dの地図データも古くなり、更新に20,000[JPY]を払うくらいならば買い替えてしまおうと。
カー・ナビゲーションシステム選定にあたっての条件は、2画面地図表示ができることと、オーディオの音質が良いこと、それに操作レスポンスが良いこと(あとは価格)
ということで選んだのは、MITSUBISHI NR-MZ50
上記に挙げた条件のうち、操作レスポンス以外はまあ満足できるものでした。
ただ、操作レスポンスというのは非常に大事なものであるということをこの製品で学ぶことにもなりました。
何をするにもワンテンポ遅いというのは、例えば信号待ちや短い停車時間の中での操作を求められるカー・ナビゲーションシステムには致命的になります。
【6_2013年_1】
妻の車を購入するにあたり、ある程度は予算が確保できる状況になりました。
カー・ナビゲーションシステムに拘りがあったのは私だけだったので、先年購入して後悔した”レスポンス”に拘った製品選びをすることを心に決めていました。
レスポンスに拘っているといえば、2011年頃からKENWOODが”彩速ナビ”としてリリースしていたシリーズ。昨年MITSUBISHI NR-MZ50を購入した時も候補に挙がっていましたが、対抗のKENWOODナビは地図の2画面表示ができずに候補から落としてしまっていました。
しかしながら今回は2画面よりもレスポンス。次回はKENWOODと考えたところで出てきたのが2013年モデルのKENWOOD彩速シリーズ。
なんと、このモデルから、まだ当時どこも実現できていなかった、今では当たり前のスマートフォンライクな操作IF(ピンチイン・アウト、フリック等)を導入してきたのです。もちろん、これらを実現できるような操作レスポンスが備わっていなければストレスがたまるだけなのですが、2013年モデルはこれを兼ね備えていました。(一部ニュースサイトではOSがLINUXベースという記載があったようなので、もしかしたら内部OSはAndroidに近いのかもしれません)
カーショップの展示台で触ってみたところ、他メーカーとは比較にならない動きの良さだったのを記憶しています。
更には、左からのフリックで引き出せる子画面表示。
これによって2画面が簡単に表示できるだけなく、その2画面目のソース選択も右からのフリックで簡単に選択可能。
あまり良くないこととは思いますが、走行中でも簡単にソースを変えたり縮尺を変たり、そんなことも全くストレスにはなりません。
控えめに言って、最高でした。
当然、妻の車には2013年モデルのMDV-X500の導入を決定。
ノングレアモデルの方が外光に対して反射が少なくて良いから、あと少しだけ安い、というのがX500選定の理由ですが、Z700やR700であっても問題はなかったと今では思います。
購入した自動車販売店からはPanasonicをお勧めされた記憶がありますが、正直Panasonicにはピンとくるものがありませんでした。これは別にPanasonicがいけなかったのではなくて、当時のKENWOODが自分の要求に対して非常にはまっていたから、ということです。
【7_2013年_2】
ほぼ時を同じくして、実家の車にも2DINのカー・ナビゲーションシステムを導入してくれという依頼がありました。
それまでは、1DINオーディオ(KENWOOD I-K55)+Golliraナビという構成で運用していたのですが、Golliraをバイクに常設するということで、自動車側のナビが必要になる、とのこと。
当時MDV-X500に大変満足していた私は、同じものを導入してはどうかと提案。そのまま2代目のMDV-X500導入と相成りました。
時たま実家で自動車を借りるときなど、同じIFのナビは操作に戸惑うことが無く、非常に楽でした。
【8_2014年】
昨年のMDV-X500装着ラッシュを横目に、自分の車についても彩速ナビの導入を虎視眈々と狙っておりましたが、ついにその時が来ました。
2013年モデルのMDV-R700がYHで安売り実施という情報を入手。
2013年モデルの彩速シリーズの中にあって、ディスクドライブレスという尖った仕様のR700はディスクドライブ搭載のZ700やX500と比較して人気が無かったようで、在庫として残ってしまっていたということなのでしょう。
ディスクドライブなど必要ないという自分にとっては、X500よりも安い価格でプレミアム・ファインビュー・ディスプレイとBluetooth が手に入れられるとあって、1も2もなく即断。店頭購入してその晩取り付けを完了させることになりました。
X500と比較して、やはり液晶画面の綺麗さは格段に上で、それでいて外光反射もほとんど気にならない点と、Bluetoothによるスマートフォンとの接続が非常に便利な点は明らかなアドバンテージでした。
しかしながら、翌年の彩速シリーズからディスクドライブレスモデルが消えたということは、カー・ナビゲーションシステムにおいては、まだまだディスクドライブを必要とする層が多かったということなのだと思います。
しかしながら、R700というモデルを生み出したKENWOODのチャレンジ精神を私は今でも忘れていません。
2023年の今であれば、動画などもはやDVDで見る時代ではありませんし、CDについても同様です。カー・ナビゲーションシステム本体にスマートフォンもしくはネットワークとの接続ができるようであれば、既にディスクドライブなど不要な世界が訪れつつあるものと思います。
つまり、MDV-R700は登場が10年早かった、10年時代を先取りしていたモデルであるといえるでしょう。
そのようなモデルに2014年時点で触れることができたのは幸せだったといっても過言ではないものと思います。
この時点で、実家と自分たち家族含めてすべてが彩速ナビ化しました。
【9‗2016年】
一時的に自家用車を手放す期間があり、その後また復活。
自家用車入手後はやはりカー・ナビゲーションシステムに拘りたくなるものです。
しかし、この時は家族が増えていたこともあり、車両にも周辺部品にもあまり金額を投じることができない状況でした。
そこで周辺をくまなく探し回り、KENWOODの彩速ナビではあっても、マツダ純正のCA9K2という、言ってみればMDV-X500 にマツダ専用オープニングとBluetoothを追加したモデルを入手しました。

ホンダ車にマツダ純正のナビなど装着できるのか?
答えはYES。
偶然が重なり合ってYES。
最初はギボシを全て繋ぎ変える覚悟で入手したのですが、たまたま入手したCA9K2はスズキから供給されている軽自動車に装着されていたものでした。つまり、そのCA9K2にはスズキ車にダイレクトで接続できる配線が付属していたのです。
一方当時乗っていたホンダ車も、丁度スズキ車と同じオーディオ配線が使用できる年式のものであり、なんと奇跡的にポン付けが可能という結果に。
ナビ起動時にマツダのロゴでオープニングする部分を笑い飛ばせれば、カーナビが1回アップデート無料でできるところや、Bluetoothが使用できるところなど、なかなか悪くない選択だったと思います。
これにより再度実家と自分たち家族含めて彩速ナビ化されました。
【10‗2019年】
2016年に入手した車両を入れ替えることになり、装着されていたCA9K2はそのまま一緒に手放すことになってしまいましたので、再度彩速ナビ探しをすることになりました。
今回入手した車両はワイドタイプの2DINスペースがあるため、アナログボリュームが大好きな自分は、彩速ナビのラインナップの中でも末尾にWが付いた、ワイドタイプを装着をもくろんでいました。
しかしながら、この当時新品で流通していたMDV-Z904W/905Wからはアナログボリュームが廃止され、静電タッチパネルになっていたのです。
暫く懊悩したのち、新品のZシリーズをあきらめ、最後のアナログボリュームとなったMDV-Z702Wのできるだけ程度の良いものを入手して装着することになりました。
静電タッチパネルが決して駄目であるわけではないのですが、アナログボリュームの操作感は想像していた通りかなり良好で、-Wシリーズはスイッチ類が本体右側に集約されることによって、右ハンドル車においては音量調整のしやすさが格段に向上しました。
ただ、この後にステアリング交換を行ってステアリングスイッチを導入したことにより、ボリュームの急変時以外、アナログボリュームの有無についてはそこまで重要な要素ではなくなったようにも思います。
CA9K2と比較すると、画面がノングレアからグレアのプレミアム・ファインビュー・モニターになって非常に鮮やかになったことと、DAコンバータがAKM製32bitになった為か、音質が非常に良くなったことが印象的でした。
インターフェースについては2013年モデルと変わらずに非常に使いやすいもので、MDV-X500⇒MDV-R700⇒CA9K2を経てMDV-Z702Wとなっても、全く違和感もストレスもなく操作できるのは非常に快適でした。

結局このナビは、次に車両を入れ替えた際も引き続き暫定で使用することになりました。
【11‗2023年】
車両入れ替えに伴って、ナビスペースが2DINワイドから通常の2DINになってしまいました。気に入っているナビを継続して使用するため、当初はナビスペースを2DINワイド化しようとしていましたが、実家の車両入れ替えに伴い、そちらが2DINワイド化されるため、MDV-Z702Wを実家に提供し、新たに彩速ナビを入手することにしました。
今回選択したのはMDV-Z702。通常の2DINバージョンです。
新品のZシリーズが購入しなかったのは、慣れ親しんだ2013年から続く彩速ナビのインターフェースが変わることに抵抗があったから。(実際に、2017年モデルから操作感が変わってきてしまっています)
特に実家の両親は年齢も高いので、新しい操作系には私以上に馴染みにくいでしょう。
ただし、それ以上に最新の彩速ナビのラインナップには高詳細化・フローティング化された8インチ、9インチ画面があり、これらは視認性の点で年を重ねていったとしてももありがたく感じるでしょうし、2DIN、2DINワイドを選ばずに取り付けができるのは車両を選ばずにフィッティングできるという面で非常に魅力的です。
最近はトヨタ、ダイハツを中心に、標準で9インチが導入できるオーディオスペースが確保される動きがありますが、世の中の大多数の車両は2DINが未だ主流と思いますので、それに対応したフローティングは今後従来車両のナビ・リプレイスの
主流になっていくのではないでしょうか。
今後MDV-Z702の後継機を考える際は、いよいよフローティングタイプのナビ導入を検討することになるのではないかと思っています。
ただ、それまでは今の彩速ナビを大事に使っていくつもりです。