ファイナルギアやクロスミッション、タイヤ外径を調整して
各ギアの最大速度とコーナーやストレートとの相性を確認することがあります。
例えばこんな感じ。
茶はファイナル4.1
青はファイナル4.5
タイヤは215/45R17(255/35R18もほぼ同じ)
その際理論値をどれくらい信用していいのか?
気になっていたのでファイナル4.5のシフトポジション判定調整の準備も兼ねて
実測値と理論値を比較してみました。
結論を先に書きます。
扁平率を-5%程度で理論値を計算しておくと
想定より早くレブに当たって悲しい思いをしなくて済むかもしれない。
以下煮え切らない検証結果です。
■生データ
時系列データ。横軸時間。縦軸速度と回転数のデータです。
ファイナル4.556
タイヤ215/45R17
これを2つのグラフに変換
↓
横軸:速度
縦軸:速度/回転数(次のグラフの傾き)
横軸:速度
縦軸:回転数
グレーのグラフから各ギアの傾きを取得し
上の青いグラフ(実測値)に重ねて見ます。
だいたい一致するので理論値に重ねてみるとこんな感じ。
↓
青:理論値
黄:実測値ベース
概ね実測値の方がローギアード側にずれました。
■理論値より左にずれる理由
基本的にタイヤは潰れてるので実測値は左にずれる。
タイヤの空気圧も2.3と若干低めだったのも左にずれる要因。
255/35R18&ファイナル4.1の場合もそうだったけど、
215/45R17&ファイナル4.5の場合も同じで
扁平率を-5%程度で理論値を計算すると実測と合う気がする。
扁平率を-5%して
215/40R17&ファイナル4.5で計算した理論値(青線)
スゴク合いますねぇ
次
215/45R17&ファイナル4.1で鈴鹿南で走った場合。
扁平を補正しなくてもそこそこ合っている。
同じタイヤでも一律5%しておけば合うわけではない。
あれ?
この時って空気圧高めのまま走ってたような気が?
じゃあ空気パンパンに入れたらハイギヤード化されるのかい?
■空気圧280kPa&ファイナル4.5
黄色い線は空気圧230kPa
紫の破線は空気圧280kPa
殆ど変わらない。
空気圧は無視できそう。
街中を走った時と
鈴鹿南を走った時の違いは
【街中】
低回転、急な加減速なし、横Gほぼ無し ⇒ 点群の幅は細い
【鈴鹿南】
高回転、急な加減速あり、横G1.5弱 ⇒ 点群の幅が広い
点群の幅が狭い1速はローギヤード側にずれてた。(上のグラフと同じ)
点群の幅が太い2,3速はハイギヤード側にずれてた。
点群の幅が太いということは同じギアでもタイヤが潰れたり広がったりしているということ。
で、
ハイギヤード側にずれる要因は?
タイヤの回転数大 → タイヤの外径大?
イヤー、こんな速度でそんな影響出てたら200kmで走ったらバーストするだろと。
違う気がする。
よく見ると直線の塊が赤く引いた線の位置に見えるから純粋な加速はハイギヤード側にずれているのかもしれない。
ローギヤード側(上側)にずれて見える点は何だろう?
加速Gより減速Gが圧倒的に大きいはずだから
減速Gでリアが伸びた際にタイヤの潰れがなくなった?
他に思いつかない。
■まとめ
煮え切らないですが…
各ギアの速度範囲を確認する場合は、
理論値-5%程度で最大速度を見ておかないと
コーナー手前でレブに当たって悲しい思いをするかも知れません。
そのうち加速だけ、減速だけのシチュエーションを抜き出して回転数/速度グラフを書いてみよう。
最後に
255/35R18のファイナル4.1と4.5の各ギア最大速度は
255/
30R18で理論値計算するとこんな感じ

扁平率5%の差って結構あるよね。
3速で5.4km/h、5速で8.3km/h。
ストレートエンドでレブったら腹決めて265にしよう。
■追記
自動車設計時は
動的負荷半径で計算するとXで教えていただきました。動的負荷半径は扁平率-4%程度の値なので結構いい線いってたっぽい!
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GR86 | 日記
Posted at
2024/08/02 00:00:28