
優先順位を間違えないようにブレーキの熱対策について頭の整理です。
【結論】
痩せろや!!
と思ったけど-20㎏でローターはコーナーあたり約-2℃
たったの2℃
たった-2℃だけど仮にハードブレーキ毎に-2℃違えば-10℃/周。
発熱と放熱のせめぎあいの中でギリギリのバランスにあるならこの-2℃は大きい。
ワンラップのアタック前提なので
やっぱり痩せろや!!を結論とします。
周回するようなら冷却性能が良さそうなローターに交換。
クーリング不可のレースならブレーキシステムを。
目的次第。
【頭の整理】
ブレーキの発熱が全てローターに入り、放熱も全てローターが行う前提の概算です。
ブレーキ発熱[J] = 1/2 * (車両+ドライバ)[kg] * (減速前速度[m/s]^2 - 減速後速度[m/s]^2)
放熱(t)[W]=(ローター温度(t)[℃] - 空気温度[℃]) / 熱抵抗[K/W]
※厳密には速度が下がると気流は遅くなり熱抵抗は大きくなる
熱容量[J/K] = 比熱容量[J/(kg·K)] * ブレーキの重さ[kg]
↓
温度変化[K] = (ブレーキ発熱量[J] - ∫放熱(t)[W]dt[J])/ 熱容量[J/K]
↓
ローター温度(減速後)[℃] = ローター温度(減速前)[℃] + 温度変化[K]
※ブレーキパッドは断熱材も兼ねているので摩剤が薄くなるとキャリパ側に熱が伝わりやすく熱的に不利!(と
ZONEのHPや
DIXELのHPに書いてありました。受け売り)
■自分がコントロールできる項目(予防策)
・車両+ドライバ[kg] : 燃料を減らす、軽量パーツ、ドライバーが痩せる
⇒ ブレーキ発熱量[W] が減ってMAX温度が下がる
・熱抵抗[K/W] ⇒ ローター高性能化
・空気温度[℃] ⇒ 導風板、ダクト、バックプレート穴開け
⇒ 放熱[W]が増えてMAX温度が下がる
・ブレーキの重さ[kg] ⇒ ブレーキシステム大型化
⇒ 同じ発熱量でも温度が上がりにくく/下がりにくい
MAX温度到達までの時間を遅らせられる。
コースによってはあり。
■耐熱温度を上げる(対処療法)
・パッド変更(済)
常温~600℃、フェード、現状炭化などなし
・ローター焼き入れへ(未)
ヒートクラック、ヒートスポットなどないため優先度低
・シール類は対処できない
ローターのベンチレーションイメージ
■軽量化でブレーキ温度下がるの?(概算)
鈴鹿南の3コーナー進入を想定。
体重20kg減で130km/h→50km/hに-1Gで減速したとする。
減速エネルギー -11107 J
フロントブレーキだけで減速したとして
ローター 6kg×2=12kg
鉄の比熱容量 約450 J/(kg・K)
温度変化ΔT=-11107 /(12*450)=-2.1℃
ブレーキ温度-2度。
ちなみに1200kgで同じ計算をすると
減速エネルギー666,438J
温度変化ΔT=+123.4℃
実際は後ブレーキも仕事してるし、キャリパやナックルにも熱は伝搬するからこれよりは少ないけど、この程度の温度上昇と放熱がせめぎあった結果がこのあたりの温度ということ。
正直計算したときはたった2℃…と思ったけど
この程度であれば‐2℃のバランス変化は無視できない。
減量は半分冗談ですが、ガソリンの量調整や無駄な荷物を下ろすのも無駄ではない。
ちなみに導風板の掃気による効果は、
放熱(t)[W]=(ローター温度(t)[℃] - 空気温度[℃]) / 熱抵抗[K/W]
ローター温度(t)[℃]250℃一定で、
空気温度50[℃]→30[℃]程度の差と仮定すると
温度差220℃/温度差200℃→放熱量10%増
空気温度40[℃]→30[℃]程度の差と仮定すると
これも無視できないオーダーと思います。
■何となく参考にしたブログ
自分の考え方が合ってるか確認。
バックプレートが何のためについているのかを考えると安易に穴開けするのもね。
Posted at 2024/07/10 01:35:19 | |
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GR86 | 日記