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2023年10月09日

『沈黙の艦隊(2023)』IMAX鑑賞

『沈黙の艦隊(2023)』IMAX鑑賞 ⚠このレビューには原作も含め重度のネタバレがあります!

あのかわぐちかいじ先生の名作『沈黙の艦隊』がまさかの実写化!原作はリアルタイムで読破し、それが元で海自ファン&かいじファンになった身として今回の映画はとても楽しみにしていた作品でした。

ただ、やはり脳裏にはあの『空母いぶき』と同じ轍を踏まないか不安が過ぎりもしましたが、結果的になかなかよく出来てたなと思います。
原作をそのまま再現するのはどう考えても不可能だし…その辺は割り切るしかないのも確か。

なんと言っても海上自衛隊全面協力なので、実際のそうりゅう型潜水艦の実写シーンは凄い迫力。よく再現された内部セットや呉の『てつのくじら館』あきしおの非公開エリアでの撮影もされて、艦内シーンもかなりリアルでした。


さて、いろいろな人が考察や原作との違い、中途半端で終わる事をすでに指摘されてますので、あれなんですが、せっかくの本来の原作の良さを失わせた部分について私の視点であえて3点ほどツッコませてもらいますね。

①なぜ『やまなみ』を米海軍のロサンゼルス級原潜にぶち当たることにしたのか?
そもそも80年代に原作マンガ『沈黙の艦隊』が当時国会でも話題になるなど世に衝撃を与えた理由は、自衛隊がいまほど国民に親しまれにくかった世相の中、日本という国がいま置かれている周辺危機について広く国民に知らしめたという側面があったこと。そして、日米同盟についていざというときに本当に機能するのか、よく考えておくべきではないか?と一般読者レベルに問題提起したことでした。
原作では(当時の)ソビエト海軍の原子力潜水艦が我が国の近海に我が物顔で侵入を繰り返している現状を海江田艦長の天才的な操艦技術で『やまなみ』をソ連原潜にぶち当てて沈ませたことで身を以て国民に知らしめたとても重要な場面だった。
それが今回、同盟国米国のロス級原潜に当てて沈んだところで、ただの間抜け感があり、(やまなみ)クルーを受け入れる側の米海軍もこれには苦笑でしょう。
あれ?制作陣、ロシアに気を遣ってるの?

②海江田と深町の順列の改変と入江兄弟のエピソードを入れたため発生する致命的なミス!
原作では(冷静な)海江田と(大胆な)深町は、どちらがシーバットを任されてもおかしくない優秀な艦長同士の熱いライバル関係がストーリーに惹き込ませるものとなりました。
ところが、実写版ではオリジナルキャラによるお涙頂戴シーンを入れるためなのか?こともあろうか『ゆうなみ』海江田艦長とその部下深町副長という過去設定となり、艦長として躊躇なく正しい判断をした海江田が人間的にちょっとアレな感じっぽくされたりしてしまっている。こうしたことから深町のいう艦を躊躇無く沈める人間を信用しないというニュアンスのセリフは原作と今回の映画では若干意味が違ってくる。
うーん…熱い男の魂のぶつかり合いってもはや流行らないんですかね…。
そして、原因は詳細不明ながら海江田艦長は事故により乗員一名殉職、さらに『ゆうなみ』を失うという事態の当事者になっている。
これが現実ならいくら海江田艦長が海自一の優秀な艦長であったとしてもその後の『やまなみ』艦長には拝命されないでしょうし、もし『やまなみ』艦長となり、話の通り沈めてしまうと海江田艦長は2杯の艦を失わせたことになり、その後の記者会見は相当紛糾、上戸彩さんに「そんな過去に事故を起こした危険な艦長をなぜ乗せたんですか?」と任命責任を問われたことでしょう。
中村倫也さんの演技など普通に見れば入江兄弟のエピソードは悪くないのだけども、上記点に気がつけば、これらの改変を加える必要があったのだろうか…。意味の無いお涙頂戴を入れた改変シーンといえば迷作?潜水艦映画『ローレライ』を思い出し、鑑賞中一気に興醒めしちゃいました。 

③海江田艦長、早々に日本と同盟を組むと言及しちゃった!?
なんで海江田艦長は最後、深町に対して日本と同盟を組むと言及しちゃったのかな〜。これじゃあ最初から日本に戻るために原潜を奪取した?と思われてしまう。結局馴れ合い?第7艦隊の真ん中にいたときは否定してたんじゃないのか…
せめて第2護衛隊群が出張ってきてから判断してくださいよ〜😗
沼田司令と竹上総理の活躍が…orz
(もしかして、もともと映画の続編は視野に入れてなかったのかな?)


いろいろなレビューを見て原作未読の方が『沈黙の艦隊』ってこの程度のものか?って思われるのが残念であえて書かしてもらいました。
確かに映画はよく出来ておりリスペクトを感じますが、原作が描いた意味や素晴らしい部分をスポイルさせないように、次回作があるならボイス提督の如くもっと用心深く作って欲しいと思います。

原作マンガ未読の方はこの機会にぜひご一読されると一味違った感動を受けること間違いなしです!


ちなみに、『たつなみ』の速水副長が女性に変更され「改悪だ」という人もいますが、あの当時リアルタイムではあの端正な顔立ちやセリフ回しから“もしかして速水副長はWAVE(女性自衛官)なのでは?”説で盛り上がってましたので、今回の配役については“ネタぶっ込んできたな”とニヤニヤしちゃいました。
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Posted at 2023/10/10 01:00:10

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