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2023年11月11日

『ゴジラ−1.0(2023)』IMAX鑑賞

『ゴジラ−1.0(2023)』IMAX鑑賞 ⚠このレビューには過去のゴジラシリーズなども含め重度のネタバレがあります!
 とりあえず劇場で『ゴジラ−1.0』を観たあとご覧いただくことをオススメします!


 『シン・ゴジラ(2016)』制作前、次期ゴジラ作品にはぜひ山崎貴監督に“鈴木オートゴジラ”をフルで作って欲しいというファンの期待がありました。
これは『ALWAYS 続三丁目の夕日(2007)』の冒頭にいきなりゴジラが登場し、劇中完成したばかりの東京タワーが熱線で破壊され、さらに鈴木オートが尻尾により根こそぎぶち壊されるという小説家の空想シーンがあり、評判を呼んだ。実は私、まったく観に行くつもりがなかったのに、フルCGゴジラが凄いと噂に聞いて速攻劇場に観に行ったものでした。

 そんなわけで、今回の山崎貴監督起用でしたが、良くも悪くも“山崎貴映画”になってましたね。
 最初の予告で終戦直後が舞台となることから、これまでのゴジラ作品の基である初代『ゴジラ(1954)』よりも早く現れるゴジラ。というと、『ゴジラVSキングギドラ(1991)』のラゴス島のゴジラザウルスやレジェンダリー『ゴジラ(2014)』冒頭のモナークによるウラニウム型原子爆弾による怪獣駆除を連想したんで、おそらく彼は【日本帝国海軍対ゴジラ】をやりたいに違いない!という確信は抱いてました。
 お、これは帝国海軍の象徴軍艦「長門」も復活するのか?とわくわくしましたが、まさか重巡洋艦「高雄」で来るとは流石マニアック!!
 大戸島からの復員船に二等輸送艦がライフサイズで再現されてこれだけで高評価ですよ!!
 三丁目シリーズ✕海賊と呼ばれた男✕アルキメデスの大戦✕ゴジラ÷永遠の0?
 本当に永遠の0のエッセンス強めで、主人公神木隆之介さん演じる敷島くん(の喋り方)、浜辺美波さん演じる大石典子さん(名字)は完全にその雰囲気を感じたし音楽もだいぶ寄せてたような…

 さて、肝心のゴジラの造形は原点回帰するどころかむしろ現行のレジェンダリー版に近いマッスルな体型、放射能熱線も一発がすでに小型戦術核弾頭並みの威力と、金子修介監督作『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001)』(以下GMK)を彷彿とさせる、いや、それ以上の最強最悪のゴジラといえます。
(※シン・ゴジラはプロトンビームに近い熱線なのでちょっと別格ですw)
でも正直これはちょっとやり過ぎなんじゃないかな〜と思います。クロスロード作戦翌年1947年の時点ですでに完成の域に達したゴジラ?これ以上成長すると手が付けられない…。
あ、まさか未来のゴジラ・アース(※劇場アニメ『GODZILLA』3部作(2017〜18)のゴジラ)に繋がる?わけないよね、あれは植物由来成分だし(汗)

 まあ、海外展開も視野に入れてるだろうからレジェンダリーゴジラに寄せてるのと、それを超えた強い日本のゴジラとしての表現もあるんだろうと。とすると、クロスロード作戦≒(レジェンダリー版の)モナークによるゴジラ駆除作戦とのゴジラの共通化(別個体?)としてモンスターバースとの関連性も維持できる!
そこまで考えてるとしたらすごいな~

 他のレビューでは、今回史実なら英国軍に海没処分された重巡高雄や幻の局地戦闘機「震電」が実はありました!的に配備されることなどから演出が【ご都合主義的】と批判もされているようです。
でも、これ東宝特撮(VFX)映画ですよ!?むしろいきなりメーサー兵器やスーパーXとか架空のものが出たら出たで批判されるのでしょう?往年のファンは逆にトンデモ兵器とか出て欲しいところですけどね(笑)
えっ!?零戦乗りの敷島くん、震電の操縦がうま過ぎ?ドイツ製の射出座席はどこにあった?…確かに!
 そして、最後その震電の活躍でゴジラを倒すことに成功しますが、その後、海中でゴジラが再生している様子がありました。このパターンは『GMK』と同じです。これは山崎貴監督のGMK金子監督へのリスペクトでしょう。そして、これは『ゴジラは死なず』というゴジラシリーズ共通の不文律です。
 ゴジラが死ぬのは(芹沢博士開発の)オキシジェンデストロイヤーと自らの体内の原子炉が暴走した時だけ!
 もしかすると、本作により『GMK』は初代『ゴジラ』の続編ではなく『ゴジラ−1.0』の続編ということに繋がる(繋げた)のかな?とも思いました。

 もちろん演出上の不満点もあり、あえて独自目線で上げるなら以下の2点。
・鉄道車両の車体は台車に載せてあるだけ。カプラーやケーブルなどで電気的に接続してあるだけなので、旧型国電があれだけ持ち上がると台車は脱落して落っこちるはず。これについては『シン・ゴジラ』の樋口監督が京急800形車両で演出した表現が正確です。
 旧型国電も形状などリアルにこだわってたのに、これはいただけない。
(まあ、初代『ゴジラ』も同じだけど、あのプロップは鉄道模型だからなぁ…)
・旧海軍の航空機の着陸方式は“三点着陸”が基本。特に零式艦戦は前脚が主翼下に2本で最後部に小さい尾輪1個があり、この3つの車輪を着陸寸前に同時に接地させて着陸を安定させる方法。というのも、海軍の航空機は滑走距離がかなり短い航空母艦の甲板に着艦させることが前提なのでこの方法が基本です。(アレスティングフックを引っ掛けるためでもあります)
 冒頭敷島少尉の零戦が大戸島分遣隊基地に着陸する場面、コクピットの大写しでしたが、主脚から接地し、あと後部が下がってたように見えました。そこは、着地直前の機種上げ操作を表現してそれっぽくしてほしかったな〜…。永遠の0やったんだからさぁ、そここだわんないと!


 そしてラストに大石典子さんが奇跡的にご生還されてました。あぁよかったね!っと思ったあなた。たぶん見逃してますよ。

 この映画、ハッピーエンドに見えてバッドエンドの可能性があります。
敷島くんと病院で感動の対面を果たした典子さんの右の首筋に黒いアザが出来てました。これはおそらく銀座でゴジラ由来の放射性被爆を受けた影響による原爆症の症状が現れているものと思いました。
『この世界の片隅に(2016)』で主人公すずさんの妹のすみちゃんも戦後に体調を崩していて同様にアザができていたものと同様に感じました。
しかし、原子爆弾の放射線による二次被爆の症状はすぐに現れるものではないそうです。個人差もありますが、数年後に症状が現れ、やがて命を落とす恐ろしい病いです。
 では今回は何か?銀座がゴジラの放射能熱線で壊滅した後のラジオ放送の中で放射線以外に『巨大生物の不審な肉片がある』と伝えてました。で、典子さんのアザは何か蠢いていたように見えました。ということは、ゴジラが熱線を吐いたときに飛散した肉片が付着してしまった可能性があります。放射能を帯び再生能力のあるゴジラの肉片。『シン・ゴジラ』でも検出されていたのと同様にどのように変化するのか現段階では想像もできないですね。
 これについていろいろ考察されていて、人間がゴジラ化するとか、怪物化するという意見も散見されますが、個人的には、“ゴジラの放射能熱線の影響による急性原爆症”くらいに抑えておいて欲しいなと思います。(願望)
だってゴジラ映画なんだから!

 なお、今回のゴジラは反原爆・反核のメッセージが無い!との指摘を見受けますが、昭和22年の段階なので、上記の通り原爆症の恐ろしさを日本国民や世界が知るのはもう少しあと。それでもこうしたシーンを入れることによって暗にその恐怖を表しているのだと理解しています。


 では総評として。私は昭和の怪獣プロレスよりシリアスな社会派の怖いゴジラが好きなのでとても楽しめ、素晴らしかったと思います。
 とくに日本映画初の重巡高雄と局地戦闘機震電の活躍!復員船化されながらも再び国を守る役目となった駆逐艦雪風・響・夕風・欅の各艦艇やその乗組員の姿、大和型46サンチ主砲弾の活用など、本当に胸熱でした。
 人間ドラマでは、世間が言う“泣きゴジ”というほどでもなかったけども、戦争から帰ってきた元将兵の“まだ自分たちの戦争は終わっていない”というテーマや「戦争に行っていないということは、幸せなことなんだぜ」というセリフがかなり染みました。
 私は幼少期に陸軍で南方やインパールで戦ってなんとか帰ってきた祖父の実体験を生で聞いていたので、山崎貴監督はこのテーマを本当によく描いてくれたなと素直に感謝したいです。
 逆にいうと、そうした歴史的経緯や世相を理解してなければ、ただの地味な怪獣対策をしてた映画としか捉えられないかもしれない…
 えっ?演技が大袈裟?大仰過ぎる?…いや、それは〜…、東宝特撮映画あるあるというか伝統なんですが…。山崎貴監督に罪はないと思いますよ(苦笑)

 なお、ゴジラ映画としては現代のシミュレーション的な怪獣映画として生まれ変わった『ゴジラ(1984)』『ゴジラVSビオランテ(1989)』の流れが大好きで(金子監督のガメラ3部作も!)、その延長線上、方向性にある『シン・ゴジラ』の方が私的には好みです。
 マイナスゴジラはあまりにも強すぎるところが、今後の展開に不安を覚えてしまうんですよ。東宝関係者でもないのに…

 だって、このあと『ゴジラ 0』があって、そのあと『ゴジラ 1.0』やるんでしょ?
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Posted at 2023/11/12 00:46:29

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