
子供が観たいというので、公開初日の夜、職場をピンポンダッシュして帰宅し、子供を連れ劇場へ。
その前にガンダムベースサテライトにてHG『GQuuuuuuX』を購入し、通常版パンフレット事前購入したあと万全の体制で鑑賞。
※ちなみに、翌日には豪華版パンフレットも購入したのは内緒🤭
《ネタバレなし》※以下敬称略
すでに話題となっている通り、庵野秀明率いるスタジオカラー、いわゆるエヴァを作ったスタッフらが制作したとあって、最高のガンダム作品となっていると思います。まさにこれまでのガンダムをいろんな意味で覆す作品。
また、日本の主要アニメ制作会社が名を連ね、いま考えうる最高のアニメ作品を作ったとも言えます。庵野さんアニメーター見本市をやった成果ですね〜。
ガノタ&エヴァファンの私としてはもう楽しくて楽しくて仕方ありませんでした😆
そして本作は米津玄師の主題歌をはじめ、挿入曲、劇伴(スコア)に至るまで全編で音楽が最高にマッチしていて、往年のガンダムファンや最近のアニメも見ない層でも心を捉えられるのではないかと思います。
明るく軽やかでスピーディーな展開、これこそ鶴巻監督の真骨頂なのかなと思います。
まだ劇場でご覧になってない方は、いますぐ行きましょう。いや、IMAXに行きましょう!
「どうせテレビで放送するだろ?」って思う方は、たぶん後悔すると思います。
(でも、また最後に総集編みたいな劇場公開あるかな?)
なお、これまでのガンダム作品を見てないよ!という人でも楽しめること間違いなしですが、以下の要素を身に着けておくと更に楽しめます。
・『機動戦士ガンダム(1979)』(いわゆるファーストガンダム 劇場版3部作含む)
・小説版『機動戦士ガンダム』
・ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』(シリーズ)
・すべての『シン・エヴァンゲリオン劇場版』
・その他『シン・』シリーズ
えっ?ハードル高い?
取り急ぎファーストガンダムを知っているともっと楽しめること間違いなし🫵
⚠以降ネタバレがあります
読みたくない方はリターン願います
《ネタバレあり》
公開前にも一部本作の内容について噂が出回ってましたが、想像のはるか斜め上をいく内容だった。
いきなり開始早々オープニングがいつものファーストのあの音楽とモノローグ!(永井一郎の声ではないので少し戸惑う)
そして、サブタイトルがいつものジングルでかかると『これは完全に庵野にやられた!』と覚悟した。
(鈴置洋孝の声があれば完璧だったが、さすがにムリ言っちゃいけないよね… 成田剣を起用するほどでもないけど)
そして始まるガンダム第一話。
サイド7に迫る3機の変なザク、あれ?シャアザク?なんか混乱していると、あ、ジーンがいないのか!?Ifルート突入!マジか、やられた!
ここからは完全な『機動戦士ガンダム ギレンの野望』的展開。
・キャスバル専用ガンダム、いや、シャア専用ガンダム!
・ドズル亡き後、ビグザム量産の暁でジオンの形勢逆転(笑)
・ジオン製ガンダムタイプ量産のため大型モビルアーマーやドム以降開発中止!?
・ソロモンをグラナダに落とすだと!?やるなワッケイン。ってこれ逆シャア要素?
・グラナダの地下のオブジェクトって何だ?まさかセントラルドグマが?
・ソロモンにアクシズショック&ユニコーンの結晶が…
…親父(私)が熱中するわけだ。
ということで、前半はまさに怒涛の展開で一年戦争は宇宙の拠点をすべて失った地球連邦政府がジオン公国に休戦を申し入れ終戦。
ここまででもう最高に幸せになりましたよ、本当に。
そして、後半。ここからは完全に2025年の最新アニメっぽくなり、キャラの画が全然違う絵に😁というか、ポケモン?
脳が前半からの繋がりを補正するのに若干のラグが…٩(′д‵)۶ウワーン
一年戦争終結から5年後、シャアがソロモンで消失した際に乗っていた赤いガンダムを探すため、シャアの相棒として戦ったシャリア・ブルが一年戦争でガンダムと共に鹵獲された連邦の強襲揚陸艦ソドン(旧名:ペガサス)と共にサイド6・イズマコロニーに乗り込んで来る。さらにカムラン・ブルームがそれを出迎える(笑)
それにしてもこのコロニーは現代の日本に近い文化なのか、日本語が公用語っぽい。中国語やハングルもまじってるし、女子高生が普通にスマホって、全然宇宙世紀っぽくない(笑)
いや、設定面白いんだけどね。
スウィートウォーターのアジア圏版なのかな?ジオン公国との地位協定あるし、軍警察っていわゆる戦後の警察予備隊的な組織っぽいな。
そんな中、主人公の女子高生アマテはたまたま難民で運び屋の少女ニャアンと邂逅する。うーん、なんか水星の魔女とイメージ被るというか、水星〜が先にやったお陰ですんなり入れた。
この世界では払い下げのモビルスーツによる闇のクランバトル(通称:クラバ)が流行っており、アマテはニャアンについて行ったことでクラバチームに協力することになり、そこでひょんな事からソドンから出撃してきたモビルスーツ・ジークアクスに乗り込む(強奪?)するアマテ。
そして、赤いガンダムの駆る渚カヲル的キャラ・シュウジの登場。あと、クラバってMFGっぽい(笑)
以降はTVシリーズへ。
…ということで、Beginningはとにかく楽しかった。『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』もお祭り映画として面白かったけど、まさか一年戦争物でここまでやってくれるとは思わなかったですね。庵野秀明の真骨頂といえるリスペクト作品への破壊と再構築。
というより、ここまでやられると富野御大、安彦御大は今頃吐き気を催してるんじゃないかと心配になります(´-`).。oO
後半は鶴巻監督の明るく爽やかな作風で、ガラッと感じが変わってそれはそれで楽しかった。
また最初に触れたように音楽が素晴らしい!
ガンダムの劇伴の名曲ベストセレクションを現代風にアレンジしたものをフルに使うというジ・オリジンでもやらなかったことを堂々とやってる。良すぎて、早くジークアクスのサントラが欲しい!!
シャアの声が知らない声で違和感。というかみんなキャラクターの声が若いしあまり馴染みがないので、どれが誰の声なのか若干混乱する。(いまの声優はあんまり個性が感じにくい?いや、『シン・ゴジラ』の時のように個性を求めてないからなのか?)
さて、この作品の宇宙世紀のベースになるのは、アニメ版ガンダムというより小説版なのではないかと思う。そう考えるとすんなり、しっくりくる。
(小説版『機動戦士ガンダム』(角川スニーカー文庫刊)は『逆襲のシャア(1988)』公開時に祖父の家の近くのローソンで買ってもらったが、もう手元には無い(ToT))
まず、ガンダムを収容するはずだった連邦軍の強襲揚陸艦。アニメ版の『ホワイトベース』ではなく小説版準拠のホワイトベース級『ペガサス』。そうなると当然アムロは民間人ではなく軍人でコアファイターのパイロットなので、デニムとジーンが手当たり次第破壊行動をしていない状況だとガンダムに飛び乗る状況ではなかったのか。当然セイラさん=アルテイシアも連邦軍に加入済みである。
その他、
・地上戦が描かれない展開。小説版だと地上に降りないから
・モビルスーツもジオンの最後の生産機はドムなので、これまたゲルググやジオングは出現しない
・ララァも当たり前のようにフラナガン機関スタートですんなり死んでいる?(別のルートに進んだか…シャロムの薔薇?)
なにより、シャアとシャリア・ブルの連携である。アニメ版では1話分で退場扱いのシャリア・ブルが小説版同様に大活躍。
こうして正真正銘の富野の世界観に土足で踏み込んで(『キケロガ』の設定を入れ込んだり)作り変えるとは、ここに目をつけて来た鶴巻監督はさすがとしか言いようがない。(だから声優もアニメ準拠である必要が無いということか)
…クスコ・アルも出してくれよ〜
最後に、今回の庵野秀明の功績について。
Beginningの前半パート(一年戦争部分)はほぼ、庵野案から制作されている。当初鶴巻監督からアバンタイトル1話分のプロットを頼まれたにも関わらず上がってきたものには映画一本分にも相当する脚本並のものディテールが返ってきて、さらに絵コンテも相当量かなり細かく書かれていたが、鶴巻監督が泣く泣くカットしたのだとか。
赤いガンダム出したい、ガンダム対ガンダムやりたい、というのも庵野の意向だし、赤いガンダム+ビットというのも『逆襲のシャア』のとき富野監督がニューガンダム案をコンペで募ったとき、庵野が提出したのはほぼ初代ガンダムにファンネルを付けたものだったそうで(富野が泣きながら「お前は何がしたいんだ!」と激怒したというw)、そのセルフオマージュというか、あらためて実現したのだと思う。
また、艦船マニアの視点でリファインしたマゼランやサラミス、さらにはペガサスを本来の強襲揚陸艦としての運用を描かせたのにはマジ感動ですよ。
あと前半の音楽、ファーストガンダムの楽曲もすべて庵野セレクションとのこと。あの迷曲?『シャアが来る』の現代風アレンジでくるあたりニヤニヤが止まらなかった。
ま、いまは次回作『シン・宇宙戦艦ヤマト』に主軸を置いているのでこの程度の関わりに留めているのでしょう。
まだまだ書きたいこともありますが、
それではみなさん、機動戦士Gundam GQuuuuuuXのTV放送も楽しみに待ちましょう!!