はじめに
この解説では、フィアット500に搭載されているデュアロジックトランスミッションのストップソレノイドの整備について詳しく説明します。
ストップソレノイドとは
ストップソレノイドは、ギアセレクターシャフトの動きを1-2、3-4、R-Nの各プレーン間で切り替える部品です。デュアロジックシステムにおいて、ギアチェンジをスムーズに行うために重要な役割を果たしています。
ストップソレノイドの不具合
ストップソレノイドは、オイルとグリースで潤滑された内部機構を備えています。しかし、時間の経過とともに、汚れがニップルやソレノイド内部に侵入し、固着の原因となることがあります。
ストップソレノイドが固着すると、ギアが抜けたり、ギアが入らなくなったりといった不具合が発生します。特に、外気温が低いとグリース状の汚れが固まりやすくなるため、不具合が発生しやすくなります。
ストップソレノイドの整備方法
ストップソレノイドの不具合を解決するには、以下の2つの方法があります。
オプション1:迅速な修正
この方法は、一時的な応急処置として有効です。
ストップソレノイドの取り外し: バッテリーホルダープレートを取り外した状態で、ストップソレノイドにアクセスして取り外します。
洗浄: WD40、ブレーキクリーナー、消毒用アルコールなどを小さなシャフトにゆっくりとスプレーして、ソレノイドを洗浄します。シャフトがかなり自由に動くようになるまで、これを何度も繰り返します。
シャフトの押し戻し: 必要に応じて、9Vバッテリーと2本のケーブルを使用して、シャフトを押し戻します。
ニップルソケットの清掃: ソレノイドを取り外した状態で、バレルのニップルソケットも古いグリースからきれいにして、固着を防ぎます。
オプション2:完全な長期修正
この方法は、根本的な解決策として有効です。
ロボットの取り外し: デュアロジックシステム全体を取り外す必要があります。専門的な知識と工具が必要になります。
バレルの清掃: 内部の「バレル」全体を丁寧に清掃し、古いグリースを取り除きます。
グリースの塗布: 高品質の広温度グレードの合成グリースをバレルに塗布します。
工場出荷時のキャリブレーション: 専門の診断機(MESなど)を使用して、工場出荷時のキャリブレーションを行う必要があります。
注意点
オプション2は、専門的な知識と技術が必要となるため、必ず専門の業者に依頼してください。
オプション1を行う場合でも、バッテリーの取り扱いには十分注意してください。
作業前に、必ず車両の取扱説明書を確認してください。
参考:
https://www.fiatforum.com/threads/the-one-and-only-dualogic-failure-thread.425006/page-37
Posted at 2025/02/07 16:01:00 | |
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