皆さん、こんにちは。
2月も後半に入ってきて随分と日中は暖かい日が出てくるようになりましたね。
何処かでは寒の戻りは有るでしょうけど、日に日に季節は春に近づいているようですね。
さて、以前のブログで
流行りの自作リアクターに使ってるラジウムシートの放射線について!その2
を取り上げましたが。
この業者のラジウムシートが裏表で放射線数値が違うと言う話をみん友さん達から聞きます。
どうして裏表で放射線の数値が違うのでしょうかと聞かれても、現物を見ていないので何とも言えなかったのですが。
なので、またまた興味本位でラジウムシートを取り寄せてみました。
(ホント物好きですね(笑))
で来ました。
2枚セットでした。
金額的にはこれが本物のラジウム物質を使った製品なら妥当な値段かも知れませんね。
そしてキャンペンーン中だどいう事で2倍になるように放射性濃度を上げましたと?
12μSvから21μ㏜~24μ㏜位に放射線濃度を上げましたと。
頼んでないぞ(笑)
(でも、この業者はこれが仇となるかも?)
裏側にすると放射線量が10分の1くらいに放射線が減衰するのだとか。
この放射線量が空間に放射される数値なら高い線量に思えますが、実際に空間に放射されている放射線量はそこまで高線量ではないと思っています。
業者の使っている放射線測定器はパンケーキ型の検出測定器なので、表面汚染の放射線量を測定していますので、実際に空間に放射されている放射線量と違う数値が表示されています。
(α線、β線、γ線のすべてを測定し合算した線量を表示するので、放射線数値が高くなるのは当たり前の話です)
実際に現物を見てみました。
表側
シリコン樹脂で固められているようです。
裏側
シリコン樹脂が表側より厚みがあるように見えます。
現物を見ると結構なラジウムの量のパウダーが封入してあるように見えます。
ここで私の知識から推測してですが、このシリコン樹脂の厚みが放射線を遮蔽して放射線が減衰しているのではと思えます。
そこで厳密に放射線測定をしてみようかと思います。
先ず対象とするのがラジウムシートの表裏の線量測定、比較に私が使っているラジウムゲルの線量測定をし比較しようかと。
何故?私の使っているラジウムゲルを比較にするかと言うと、同じ放射線測定器Inspectorを使って放射線測定をし数値を公開しているからです。
私の使っているラジウムゲルのメーカーの測定線量値
だいたい15μ㏜程度出ていると測定して見えるのです。
そして私に送ってきてくれた2倍に倍増したラジウムシートのメーカーの測定値は
21μ㏜~24μSvとなっています。
なので、この数値から考えるとかなりの放射線数値に差があるのではないか?
それとも殆ど差がないのか?
それかシリコン樹脂の影響があるのか?
γ線とβ線の測定値を別々に出し、更に皆様と同じような構造の測定器で測定し、メーカーが言うようなβ線を測定できないのか?
これらの調査項目から数種類の測定器で測定していきます。
送られてきたラジウムシートは2枚あり、メーカーが測定してどちらか一方が線量が高く出ている様なので。
試しに測定して線量の高い方を測定対象にしようと思います。
放射線測定器は3種類を使います。
日本精密測器
空間線量計 DC-100
CSI(TI)シンチレータ+フォトダイオード式放射線測定器
γ線しか測定できません。
測定範囲(uSV/h):0.01~19.9
検出方法:CSI(TI)シンチレータ +フォトダイオード式
測定対象:γ線
精度:±20%
ウクライナ製GM管式(ガイガーカウンター)ECOTEST TERRA MKS-05
X線・γ線・β線を測定できます。
更にβ線を単独で線量を測定できます。
測定範囲 γ線とX線放射線等価線量率範囲(137Cs):Sv/hr: 0.1…9999;±15% ・γ線とX線放射線等価量(137Cs):mSv0.001…9999;±15% ・γ線とX線エネルギーレンジ mev0.05…3.0;±25% ・β線エネルギーレンジmev0.5…3.0;
裏側にβ線を測定するために金属のGM管があります。
このGM管の蓋側に金属の板が設置されており、β線を遮蔽しγ線と分けています。
そしてこれがみん友さんなどがお持ちの測定器と同じ構造の測定器になります。
GM管式(ガラス管)RAY-2000A放射線量
測定対象:X線・γ線しか測定できないとあります?
(私はこれに疑問を持っていました)
もの凄く測定対象に疑問があったので分解して中を見ました。
裏側はこんな感じで、見た目の構造から考えこの電池ボックスの横が測定位置になると思います。
分解して
やはりGM管のガラス管が設置してあります。
ただ、これめちゃくちゃ雑い設計で、GM管が固定されていないのです。
更にGM管の検出範囲がめちゃくちゃ狭いのが見て取れます。
基盤の上にのせてあるだけで、そして製造年月日から東日本大震災の後に、これは売れると言う考えから急ごしらえで作られた中華製品だと思えます。
そして蓋の裏側にはβ線を遮蔽する金属などの遮蔽物が設置されていません。
なので、
この構造から考えてβ線を測定する可能性がとてもあります。
実際に色々測定してみましたが、もの凄く性能が悪い測定器です。
こんな測定器で微弱なエネルギーの放射性物質の放射線測定などやる方がおかしいです。その測定器の性質自体の知識もなく測定するのは良くないと思いますね。
高線量の放射線測定ならある程度の目安には良いですが、低線量のエネルギーの放射性物質の放射線が有るとか無いとか?厳密に測定するには不向きな測定器です。
この測定器で微量の放射線を測定した数値は殆どあてになりません。
そしてみん友さんなど皆様がお使いの同じような測定器
放射線測定器 ガイガーカウンター 高精度 β線/γ線/X線測定 放射能測定器 放射能空間線量計
センサータイプとして高感度GM型(ガラス管)エネルギー補償管を採用。 X線、β線、γ線のリアルタイム線量率、平均線量率、計数率を表示し、同時に累積線量を記録することができます。
ただ、私から見て絶対にこっちの方が性能が良いと思います。
試しにγ線だけで2枚のうちどっちのラジウムシートが線量が高いのか測定してみました。
線量が高い方を測定対象とします。
表側
表側
此方の方がγ線の線量が高いので、このラジウムシートを対象として計測します。
γ線だけ測定してみましたが、やはりメーカーが言うほどの空間に放射されている放射線は高くない様です。
このラジウムシートをお使いの人にご注意させて頂きます。
実際にγ線だけの線量を測定しましたが、私が使っているラジウムゲルと同程度のγ線が出ています。
間違いなくβ線も出ていると考えるべきですので、取り扱いは十分に気をつけて行うべきです。
このラジウムシートを何も加工せずに、そのまま使うのであればそれほど気を付けなくてもよいですが。このラジウムシートを切ったり等分解して扱うのであればもっと気を付けなければいけません。
実際に放射線が出ているので、中身はラジウムの放射性物質であるということ!
メーカーはパウダーの放射性物質だといっているので、切ったり作業する場合は手袋し絶対に手に放射性物質を付着させないようにし、出来れば放射性物質を吸い込まないようにマスクをし作業をして下さい。
ラジウムシートを切ったりしたハサミは作業が終わったら流水などで洗い流し作業を終わってください。
もし、素手で作業し放射性物質が手に付着した場合は直ぐに手を洗って下さい。
そして作業する場合は何か下に紙などの物をひき、直接机などの台に放射性物質が付着しないように注意し作業をして下さい。
市販されているラジウムシートですが、
中身は本物の放射性物質だという事
を念頭において作業をして下さい。
皆様があまり知識がない状態で安易に放射性物質を分解して加工し扱うのは危険が伴うので、十分な準備と配慮をし十分に気を付けて作業をして下さい。
全て個人の皆様の責任になりますので、自己責任で行ってください。
そして作業等の内容をブログ等にアップし投稿する場合は、真似をされる皆様に向けて放射性物質なので十分な注意を払い作業をして下さいと伝えるべきだと思います。
どんな検証結果がでるのやら?