脱硫を行わずにこの問題を解決するには、現状NOXEM導入が唯一の方法だと思います。コーディングでNOxシステムを無効化する方法もあるようですが、このエンジンの基本的なモードである成層給気モードが作動せず燃費悪化や他部品の故障につながります。
N43エンジン用のプラグを製造しているのはNGKのみです。Bosch製プラグはN43エンジン対応していません!
なぜかカタログには対応と書かれていますが、微妙にプラグ長やギャップが違います。これは早急に修正されるべきなのでは...
実際、Boschプラグにしてから失火が発生する事例があります。ご注意ください。
もしNOXEM導入後ミスファイヤが多発するようであれば、プラグを確認してください。
ここの話についても長くなりますので別の記事にて...
NOXEMとは?
NOXEMとは、BMWのN43/N53エンジン向けに設計されたNOxシステム用のエミュレーターです。
もともとNOxシステムは成層給気モードを正常に機能させるために不可欠なもので、NOxセンサーや触媒が故障するとエンジン性能が低下し、燃費悪化や誤作動が起こります。
NOXEMは、このNOxシステムをだまして、正常なエンジン動作を回復させる製品です。
これは私の推測で、公式からの情報はないのですが、おそらくNOXセンサー(実際はO2センサー)が生えているコンピュータが正常な車のNOX濃度を模倣し、それをECUに送って異常なしと判定させているのだと思います。
購入の流れ(私の実例)
公式Bimmerprofs.comからNOXEMを購入しました。NOXEMを販売しているのはこの、ラトビアにあるBimmerprofsのみだと思います。流れは以下の通りです。
まず上のリンクからBimmerprofsの公式サイトに飛びます。
すると画像のような画面が表示されます。
右上のPRODUCTSを選びます。
すると、このようなプルダウンが出てきます。
ここで、NOXEMには129と130があり、それぞれ対応しているエンジンと型式が異なりますので、画像を参考にしてよく確認してください。
私はN43エンジン搭載の3シリーズ(E92 LCI)ですのでNOXEM130を購入しました。
NOXEM130をクリックします。
一番下までスクロールし、Open SHOP for NOXEM130をクリックします。
Buy NOXEM130 now をクリックします。
この後はPaypalの決済画面にうつります。ここからはPaypalの支払い方法に準拠しますので、当記事での詳しい説明は省かせていただきます。
PayPalで支払い
決済・注文完了後、約2日後にbimmerprofsからメールが届き、「日本への発送には追加料金が必要」と案内されました。再度PayPalで差額を送金。
関税について
「関税がかかる」と案内されましたが、実際に日本でかかったのは消費税のみでした。
電話番号の提出
発送手続き中に「電話番号を教えてほしい」と連絡が来ました。UPSでの発送に必要だそうです。
到着までの期間
支払いから約1週間後、無事に日本の自宅に到着。梱包はしっかりしており、内容物に問題はありませんでした。
取り付けのポイントと注意点
取り付け作業は、基本的にはNOxセンサーの交換と同じ手順です。よってここでは詳しい手順は省略させていただきます。ただし、以下の点に注意が必要だと思いましたので共有します。
クーペの場合の補強パーツ
かなり堅固なので、事前に工具をしっかり準備し、作業スペースを確保しておきましょう。ボルトがかなり固着していました。
また、NOXセンサーは遮熱版の裏側にあります。そのままでは邪魔になるため、折り曲げてしまうことで作業がスムーズになります。
エアロゾル(潤滑剤など)の使用禁止
bimmerprofsの公式サイトでも注意されていますが、センサー部に詰まりを起こす可能性があるため使用しないほうがよいそうです。
DIYで行う場合は、全て自己責任です。不安がある場合は専門業者に依頼することを強く推奨します。
コンピュータへの登録作業
NOXEM取り付け後は、以下のコンピュータ操作が必要です。
必要ツール
ISTA(BMW純正診断ソフト) → 触媒、センサーのリセット・登録用
INPA(診断ソフト) → NOXEMの状態確認、適応学習用
実行するリセット作業
1.センサーリセット
2.触媒リセット
3.適応リセット
センサーリセットに関してはNOXセンサー交換と同様になります。
触媒リセットはほとんど行われないと思うので念のため解説します。
車両処理-->サービス機能-->MSVエンジンエレクトロニクス-->窒素酸化物キャタライザー-->酸化窒素キャタライザーの交換から実施してください。
適応リセットと学習まで必ず実施してください。長い間成層給気モードで動作しなかったエンジンはかなり不正確に動作しがちです。学習の内容は少々根気がいりますが頑張りましょう。
また、この作業はISTAでも行えるようですが、INPAだと学習の進捗が見れますので、こちらをお勧めします。
学習方法の詳細に関しては公式サイトがわかりやすくて詳しいですので、翻訳済みリンクをはっておきます。
Bimmerprofs_Google翻訳
bimmerprofsが提供する具体的な手順書を必ず参考にしてください。適切な作業を行わないと、エンジンの誤作動やNOXEMの正常動作に支障が出る可能性があります。
また、適応削除直後はハンチングを繰り返してかなり不安になりましたので、公式サイトにも記載はありますが、一応こちらでもリマインドしておきます。やり方は、「イグニッションモード(ブレーキ踏まずにスイッチ2回押し、エンジンチェックランプ点灯状態)でアクセルを床までゆっくり3回ふみふみ」です。これで私は収まりました。
注意事項まとめ
・NOXEMの不具合時は、直接bimmerprofsとやり取りする必要があります。
・診断ツールの事前準備は必須。不具合時はスクリーンショット提出が求められます。
・偽造NOxセンサーが市場に出回っているため、部品購入は信頼できるルートから。
おわりに
BMW N43/N53エンジンは高性能ですが、NOxシステム周りの問題は多くのオーナーを悩ませています。
NOXEMはそれを解決する有力な選択肢ですが、導入には正しい知識と慎重な作業が欠かせません。
もし作業や導入で不安があれば、信頼できる整備工場やbimmerprofsへの直接相談をおすすめします。
私は今年の3月にNOXEMを取り付けましたが、取り付けた直後からエンジンの調子が良くなり、燃費もリッター10kmを超えるのは当たり前になりました。
この記事が、皆さんのNOXEM導入の助けになれば幸いです。