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theWeaverの愛車 [マツダ アクセラセダン]

整備手帳

作業日:2012年12月31日

マツダの異端児:アクセラの変なブレーキシステム

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目的 チューニング・カスタム
作業 DIY
難易度

初級

作業時間 30分以内
1
皆さんはアクセラのブレーキフィールについて、どう感じていますか。私は、最初に乗ったとき、教習車と比べてあまりにもカッチリしたブレーキタッチに感動し、それだけでアクセラを契約してしまったクチです。

しかししばらく乗っていると、やはり不満も出てきます。なんとかしてこのカックンブレーキを改善できないだろうか、という風に感じ始めました。これがこの整備手帳のテーマです。実際は整備なぞしていないわけですが、調べるうちに、ほっておくにはもったいない事実が見つかったので、ここにまとめておきます。

さて、現状の問題点を整理すると、ペダルの踏み方(入力)に対する、出力(ブレーキの利き方)が自然ではないということですね。この問題に対する一般的な対策として、純正のブレーキパッドの初期制動が強すぎるので、コントロール性の良いパッドに変えるという方が多いようです。

しかし、もうすこしディープな解決法は無いものでしょうか?そもそも、ブレーキ系統自体の問題として、ブレーキフィールがリニアではない、ということは考えられないでしょうか。願わくは、リニアではない原因を見つけ、安上がりに根本的な解決を図りたい、というのが、この整備手帳の趣旨です。

現時点での暫定的な解決策は、RX-8のブレーキペダルを流用すればよいのではないか、というものなのですが、その結論にたどり着く前に、『マツダ技報』を元に、最近のマツダ社のブレーキチューンを見て見たいと思います。すると、アクセラだけが、デミオやRX-8、アテンザとはまったく異なったアプローチから、ブレーキチューンが行われていることがわかります。
2
RX-8
まず、『技報』の中で、RX-8のブレーキに関する部分を拾い読みしてみます。すると、RX-8のブレーキチューンは、「アテンザ(※初代の)から始まったデザイン設計」の手法を基にしていること、また、その手法とは、「よりスポーツドライビング実現のため,ペダル比は2.8,マスタシリンダ内径はφ22.22mm」としたことが明記されています。

一般的に、マスタシリンダを大径化すると、ブレーキペダルは重くなる代わりに、ペダルのタッチはカチッとしたものになります(詳しくは、この辺http://baiku.routasu01.com/2006/06/post_70.htmlを見てください)。マツダが独創的なのは、あえてマスタシリンダを大径化せず、ペダル比を小さくしてブレーキのソリッド感を出していることころです。
3
NCロードスター
NCロードスターでも、マスタシリンダを小径化×レバー比の縮小というアプローチは引き継がれています。NCロードスターのシャーシチューンに関する『技報』記事を拾い読みして見ましょう。

すると、RX-8と同様に、「マツダDNA実現のデザイン手法」を採用し、「ブレーキペダルの低レバー比化(4.1→2.9(新型)),及びマスタシリンダの小径化(φ23.8→φ22.2mm(新型))」を行ったと、書かれています。
4
CRプレマシー
ブレーキの剛性感を出すには、マスタシリンダの大径化と、ブレーキペダルレバー比の低下があるわけですが、マツダはあえて後者を選んでいるわけです。なぜ、このアプローチをとったのか、その答えは、CRプレマシーに関する『技報』記事に書かれていました。

「ペダルストロークの短縮化のため,ブレーキペダルのペダル比を2.8と低ペダル比化」する一方、「マスタシリンダ内径を22.2mm」としています。その理由は、マスタシリンダ小径化すると、「ボデーパネルへの入力を小さくすることで,ボデーパネルの変形量を抑え」られるからです。
5
DEデミオ
剛性感やコントロール性は、マスタシリンダ大径化でも、低レバー比化でも得られます。ならば、前者は止めて後者を使おうというのが、近年のマツダのアプローチのようです。その理由は、DEデミオに関する『技報』論文にも書かれています。

「ペダル比を小さくし,マスタシリンダ径をφ23.8mmからφ20.6mmへ小さくし,同一ペダル踏力におけるブレーキブースタ入出力を低くすることで,ダッシュパネル変形などによるペダルストロークロスを低減」することができるからです。ダッシュパネルの変形を抑えるAutoExeのパーツが用意されているところを見ると、これは、かなりブレーキフィールを左右する問題であるようです。
6
アクセラ
RX-8、NCロードスター、CRプレマシー、DEデミオのブレーキチューンは共通の方向性を持っています。シリンダ小径化によって、パネルの変形を抑えつつ、低レバー比のペダルを採用することで、シリンダ小径化のネガを補うというものです。

しかし、アクセラだけが、これら車種とはまったく別のアプローチを取っています。アクセラは、NCロードスターとCRプレマシーの間に登場した、にもかかわらずです。アクセラのブレーキ開発においては、「ペダルストロークの短縮化のため,大径のマスタシリンダを採用して内径を25.4mmとした」ことで「ペダルの剛性感を高め,コントロールしやすいブレーキ特性を実現した」そうです。

さて、これまでまとめてきた車種を見て見ると、この表のようにまとめられます。残る問題は、アクセラのブレーキレバー比はいくつなんだ、というものです。アクセラのブレーキペダル比は、マスタシリンダ大径化に対応すべく、高くなっているのではないか?もしそうならば、RX-8のペダルを流用すれば、ブレーキフィールが改善できるのではないか?逆に、RX-8、ロードスターでブレーキフィールに不満があれば、アクセラのマスターシリンダを流用すれば、改善が図れるのではないか?

いろいろ妄想は尽きません。

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