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兵庫県の方から、BMW E39ヘッドライト光軸調整ロッド交換の依頼を受けました。
依頼者が調達した光軸ロッドは、初めて見る樹脂製のものでした。


交換作業で取り出した純正ロッドとくらべてみると


長い方の左右調整ロッドは、純正品より1cmほど長いだけでなく、首の部分が太くその根本の形状が違います。また、左右の羽のような形状の部分の厚さが厚くなっています。このままでは、定位置に収めることができません。加えて、ネジ穴が浅く、交換可能な位置までねじ込めません。

短い方の上下調整ロッドは、純正品の幅が20mmなのに対し、21mmと太く、これも定位置に収めることができません。また、接合部までの全長が3mmほど長いので、光軸が正規の高さまで上げられないことが予想できます。また、先端部の接合部の精度が悪く、はめ込んだキャッチ部品を引っ張ると簡単に抜けてしまいます。

このままでは、全く使い物にならないので、純正部品と見比べながら、現物合わせで加工しました。



上の写真に写っている左上の部品が、ライトボディに取り付けられている光軸調整ネジです。修正した光軸ロッドは、少々硬い材質だったので、ドリルで穴を深くした後、その下のタップでねじ切りをしておきました。5☓1.75という特殊なピッチのタップです。その昔、アルミ製光軸調整ロッドを台湾から輸入していた時に、ネジ穴のピッチが違っていて、業者から修正のために送ってもらったタップが、こんな時に役に立ちました。


通常1時間もかからない光軸ロッド交換ですが、粗悪部品修正ために５時間以上かかってしまいました。それでも、ロッド先端部分の形状も良くないため、少し力を加えると、キャッチ部品との嵌合が簡単に外れてしまいました。この部品を使っての交換依頼は、二度と受けないことにします。