アディショナルウォーターポンプの修理
| 目的 |
修理・故障・メンテナンス |
| 作業 |
DIY |
| 難易度 |
  中級 |
| 作業時間 |
30分以内 |
1
ヒーターの温度が安定しない。
突然寒くなったり、寒くないまでも効きが弱いことが多い。
前オーナーの整備見積もりの中に、コンピュータ診断でのアディショナルウォーターポンプの故障履歴があり、まだ交換されていないようだ。
アディショナルウォーターポンプは、温められた冷却水を室内のヒーターコアに送る「補助ポンプ」である。これが動作していなければ、ヒーターが効かない。効きが安定していない症状から、このポンプが時々停止してしまっているのかもしれない。
画像の赤い部品が補助ポンプである。このポンプの動作を確認してみることにする。
2
アディショナルウォーターポンプは、エンジンルームの左のこの部分にある。
3
サスペンションアッパーマウント下の側壁穴に、ゴムブッシュを介して差し込んで固定してあるだけである。配線を抜き取り、IN側とOUT側のホースを外すだけで取り外すことができる。エンジンが冷えていれば、クーラントはそれほど抜けなくて済む。
4
タイヤハウス側から固定部分を見ると、このようになっている。差し込んであるだけなのが良くわかる。
5
アディショナルウォーターポンプを取り外したところである。
以前乗っていた5シリーズは、冷却水を送る/遮断する役割のウォーターバルブと補助ポンプが組み合わされていたが、3シリーズは補助ポンプだけで、ずいぶんとシンプルな構造だ。
6
モーター部分とポンプ部分を分離したところである。
右のポンプ部分は密閉構造で、内部のフィンとモーターは直接接続されていない。左のモーターでカップ状の磁石を回転させ、磁力でポンプのフィンを回転させる構造である。
端子に安定化電源をつないでテストしてみると、やはり回転しない。回転部分を手で回してやると回り始める状態である。電源のON/OFFを繰り返すと、回るときと回らないときがあるので、モーターの異常であることが特定できた。
7
モーターが回転しないときは電流計の針が動かないことから、内部の接触不良であることは明らかである。たぶん、ブラシの磨耗であろう。
モーターの分解を試みたが簡単に分解できない構造だし、ブラシの補修部品もないので途中で断念した。
こういうときは、「叩いてみる」に限る。案の定、叩くとモーターが回転を始める。それと同時に、モーターから黒い粉が落ちてくる。多分、磨耗したカーボンブラシの粉だろう。この粉が出なくなるまで、いろいろな部分を叩いては通電することを繰り返すうちに、モーターが止まることはなくなった。結局、写真の2倍くらいの粉が出てきた。接触不良になるわけである。
8
元通り組み立てて、車にセットすれば完成である。
冷却系統にエアが入ったので、エア抜きをかねてヒーターの温度を確認すると、問題なく温風が出てくるようになった。
念のため、ポンプに長いドライバーを接触させ、柄の部分を耳にあてて回転音を確かめてみると、当然のことながら正常に動作しているようである。
これでしばらくは延命させることができるだろう。しかし、すでに7万kmに達しているので交換部品を用意しておこう。
最後の画像はポンプに接続する防水コネクターである。2本の電源線だけだが、この電圧をきちんとコンピュータが監視していることにびっくりだ。技術の進歩はすごいものである。
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