中古車をネットで確認、遠隔地から購入することに抵抗感のない私ですが、と同時にやはり実車を確認することの重要性もなんとなく分かりはじめてきたので、今回は「欲しいクルマ」の範囲を少し広げて行動範囲も少し広げて実車を確認してきました。
■マツダ デミオ(3代目)
3代目デミオの発売当時、ボディカラーは濃い紫である「
ラディアントエボニーマイカ」、インテリアはシートやドアトリムがホワイトになる「
カームホワイト」の組み合わせがステキだなあなんて妄想していたのですが、そのものズバリな中古車が大阪で売りに出ていました。
もちろんMT。これはレアですよ。カームホワイトでMTっていうのがそもそも少ないんです(たぶん。感覚的に)。
で、ご対面。
ヘッドライトが黄ばんでるとかスチールホイールから錆が出ているとか年式に応じたヤレや傷は見受けられますがまあまあキレイなクルマです。
車内もポータブルナビを設置した糊の跡なんかは残っているものの(取れないらしい)、タバコなどの匂いもありませんし、全体的な印象としては問題なし。

インパネにシフトレバーがあるのは操作がしやすそうですし、ペダルレイアウトも自然です。
コンパクトな車体感覚とあいまって、小気味よく乗り回せそうな予感がします。
支払い総額も50万円と少しと予算を難なくクリア。
欲しかったクルマ、希望のボディカラー、実車も確認できて問題なし、予算より20万円も安い。
これはデミオで決まりですね?

んー。不思議なことにちっとも欲しくならない。全然テンションがあがらない。
うすうす気付いていましたが、私、日本車が苦手なんだと思います。
や、これは正確ではないですね。自分がクルマを買う場合、日本車は選択肢に入りづらいと言いますか。
経済的に豊かではない私にとってクルマを買うというのは、やはり人生におけると言っていいほどの一大イベントでありまして特別感の著しいハレの日であります。
そこに私の天の邪鬼な気質が上乗せされまして、「まわりでたくさん走っている日本車」を買うことに対してどうしても生理的な抵抗感がある、と。
実際、ポロ(クロスポロ)を買うときにしても大義名分としては「中古車でコンパクトで安全装備(エアバッグとか)が充実していたのはポロしかなかった」とか言ってますが、もし、クロスポロにスズキのエンブレムがついていて街中でたくさん見かけるようなクルマだったら買わなかったと思いますもの。
舶来品信仰とは無縁だと思ってたんですが、こんなところで露になるなんて。
と思っていたのは私自身だけだったらしく、妻に告白すると「今さら何言ってるんだこいつ」みたいな反応でどうやら周知の事実だったようです。
■プジョー 206CC
とは言っても輸入車であればなんでも良いのかというと、そういう訳でもないらしく。
デミオを販売していたお店から少し足を伸ばしたところで206CCが販売されていたので見てきたのですが、これがいかにも長期間野ざらしにされてきたクルマといった雰囲気を思う存分アピールしておりまして内外装のくたびれ具合がハンパない。
「一度はオープンカーに乗ってみたいナ」なんて気持ちを思いっきり打ち砕かれてそそくさとお店を後にしました。
206、好きなクルマなんだけどさすがにもう古いかなあ。
206のMT、この時初めて座ってみたんですがペダルレイアウトがどうにもしっくりこない。
全体的に左に寄り過ぎなのかな?左足の置き場がありません。
ペダルを操作すると本来の運転席であった助手席側からガッチャンガッチャン音がするのも気になります。
■フィアット グランデプント
検討しているのはシリーズで唯一MTが設定されていた「1.4 16V スポーツ」なのですが、今回の行動範囲では販売しているお店がなかったので、とりあえず車内外の雰囲気を掴むために「スポーツ」ではないモデルを販売しているお店へ。

妻からの評価はイマイチですが、カッコイイと思うんだけどなあ。
車内に乗り込むと「グランデ」のネーミングどおり、ポロよりも広々とした印象を受けます。
この広々感、多くの場合でプラスの評価になるかと思いますが、私ひとりしか乗らないという今回のケースでは決してそうとは言えなくて、トゥインゴほどとまでは言わないまでももう少しタイトな雰囲気の方が好みかも。
ホント、カッコイイだけに残念なのですが、グランデプント、少し旗色が悪いかも。
■プジョー 207 GT
これまでそんなにデザインが好きじゃなかったけれど、
実車を見てみるとそんなに印象が悪く無かった207。
個性的だったフロントフェイスが若干マイルドになった、マイナーチェンジ後のモデルを見てきました。ちなみにこちらは正規ディーラーでの販売。
なかなか気合いの入ったクルマで、アフターパーツとして軽量アルミホイールやらマフラーやらクイックシフトやらで武装。
ちょっと趣味じゃないかな。すり切れすぎたハンドルからも丁寧には乗ってなかったのかなという印象を受けます。
何よりもペダルレイアウトが決定的にダメでした。206と同様、左に寄り過ぎなのでしょうか。
クラッチペダルとフットレストの間のスペースが狭すぎて、フットレストに足を置こうとすると必ずペダルに足がひっかかります。
ぜひ試乗してみてくださいと提案いただいたのですが、実際に運転してみてもこの印象は変わらず。慣れの問題かもしれませんが、足を置くためだけに慣れが必要というのもどうかと。
クイックシフトも機械音がどうにも耳障りで、試乗後に確認させてもらった308の普通のMTのシフトレバーのコクコクという感触の方が好みでした。
仮ナンバーをわざわざ取り付けてくださったのですが、試乗のおかげでグングン印象が下がっていきました。皮肉なものです。

いやー、試乗も大切ですね。