うちの車は、ディーゼル・エンジンです。
燃料には、軽油ではなく、バイオ・ディーゼル燃料(BDF)を使っています。
バイオ・ディーゼル燃料とは、その名前からすると、生物由来のディーゼル燃料と言うことになりますが、一般には、生物油その物ではなく、軽油を使うディーゼル・エンジンで使えるように生物油にエステル交換と言う処理を行って、グリセリンを取り除いた燃料を意図して使われることが多いようです。
うちで使っている燃料は、古くなって回収された食用油をエステル交換した物です。
植物油だけでなく、揚げ物にした材料の動物油も混ざっているようで、排気ガスは、定食屋の換気扇の臭い(?)です。
法的手続きとしては、車検証の備考欄に、その他検査事項として「 燃料 廃食用油燃料併用 」と追記してもらえば、使用可能になります。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ本題です。
このバイオ・ディーゼル燃料(BDF)を使ったことに関わると思われるトラブルが発生してしまいました。
今日は、オイル交換とタペット・カバーのパッキン交換をする予定だったのですが、その前に、今朝、重大なトラブルが発生してしまいました。
先週あたりから、エンジンの調子が気になっていました。
アイドリング(特にエアコン使用中)が低めの回転数になり、これまで以上の振動が発生しており、エアコン使用中のアイドリングでは、アクセルを少し煽っていました。
また、走行中にアクセルを緩めたときの回転の低下が妙に顕著で、走行中にガクガクする感じがしていました。
今朝、これらの症状が、より顕著になり、アクセルを踏んでも出力が上がらなかったり、信号待ちでエンストしてしまうこともありました。
感じとして燃料系のトラブルなのですが、噴射ポンプでないことを祈るばかりでした。
無事に帰宅し、さっそく点検したところ、外見上の異常は認められませんでした。
燃料噴射ポンプ、配管、インジェクターなどからの燃料漏れはないようでした。
次の容疑者は、燃料フィルターなので、まずは、ドレンしてみました。
水は、認められないのですが、普段は見られない浮遊物が確認されました。
どうも怪しいので、燃料フィルターのケースを切って中身を確認してみると~ ・・・
げっ、ゲゲッ~ ・・・
フィルターの中は、石鹸状の物質で、ゲロゲロになっていました。
フィルターが、目詰まりを起こしたようです。
フィルターのケースを切るのに、かなりの衝撃を加えましたが、それでもケースの底に、石鹸状の物質が堆積しています。
さて、エンジン不調の原因は判明したのですが、・・・
なぜ、こうなったのかが問題です。
状況を整理してみると、このフィルターに交換したのは、昨年10月の車検整備の際です。
その後、7ヶ月で、1万kmちょっと走っていますが、この冬は、2回奥日光に出掛けたので、その際に、寒冷地用の軽油に切り替えています。
この分を差し引くと、BDFでの走行は、8500km程度になります。
BDFを使い始めて2年半になります。
このときのフィルターは、1年11ヶ月使って、3万9000kmほど走りました。
ドレンによっては、今回のような異物は発見されず、エンジン不調も起こりませんでした。
このことからすると、今回、わずか7ヶ月、8500kmで燃料フィルターが目詰まりしてしまったことが納得できません。
何か原因があると思うのですが、現時点では、原因を特定できません。
とりあえずは、予備として購入しておいた燃料フィルターに交換したのですが、真の原因が特定できていないので、再発の不安があります。
当面は、経過観察になるのですが、上の写真のように、標準の燃料フィルターは、内部のようすを確認するためには、ケースを切る必要があり、経過観察が困難です。
そこで、標準の燃料フィルターの上流に、より簡単に確認を行えるフィルターを増設することにしました。
こちらも、かなり前に購入してあったのですが、BDFに対する耐性の確認と取付金具の作成がまだで、放置したままになっていました。
背に腹はかえられない状況になってしまったので、BDFに対する耐性は、ぶっつけ本番で確認することにして、燃料漏れが生じたときのために養生をして、燃料漏れも含めて経過観察することにしました。
取付は、必殺(常套手段?)のタイラップどめです。
右側の銀色で大きい方が、標準の燃料フィルターです。(今回は社外品)
左側の金色で小さい方が、上流に追加したフィルターです。
下側のカップの部分が外れて、フィルターで分離/捕捉された水分や異物を簡単に確認することができます。
燃料漏れが生じたときのために、ビニル・シートと新聞紙で養生しています。
さて、これで、しばらくは、経過観察をしながら真の原因を探りたいと思います。
原因は、何でしょう?
・ 燃料の品質?
・ 寒冷地用軽油の影響?
・ 両者の燃料の相互作用?
あと~、今回分解してみて、標準の燃料フィルターの構造には、問題があるように思いました。
私が、これまでに知っているフィルターでは、ドレンで取り出されるのは、フィルターで分離/捕捉された異物なのですが、このフィルターでは、ドレンは、出力側についています。
つまり、フィルターで捕捉された異物は、ドレンには出てこないのです。
異物の有無を確認するためには、フィルターのケースを切断する必要があるのです。
なぜ、このような構造になっているのでしょうか?
逆の方が、ドレンした際に異物の捕捉状況を確認しやすくて便利だと思うのですが、・・・
ドレンした燃料に水が含まれていなかった場合、捨てずに戻すためでしょうか?
使用過程車にBDFを使い始めた当初は、BDFの洗浄性によって、燃料タンクや配管内の付着物が流れ出して、燃料フィルターを詰まらせることがあると聞いていたので、予備の燃料フィルターを用意していましたが、今回のような事例も含めて、BDFを使用する際には、やはり、予備の燃料フィルターが必要みたいですね。
追加部分で燃料漏れが起こらず、再発しない(一過性の原因だ)と良いのですが、・・・