
ボンジュール。
どうも、タマゴヤです。
台風一過。
愛知県は謎の結界により、台風直撃しても「アレ?今日台風だっけ?」な感じでした。ウチの方では。
さてさて、みんカラ的なコンテンツ・・・
「試乗インプレッション」。
ちょっと前にどこぞで見掛けた記事、
『SNSで試乗車評論は是か非か 販売店が困惑するケースも続発』、非常に興味深いというか・・・
”本職”さんが言うには、「たかだか短時間の試乗、チョイ乗りごときで感想を書くな。」とのこと。
なるほどなるほど、そりゃあ~確かにその通りかも?
ロードバイクだって、ものの数分の試乗レベルじゃぁ本当のところは分からないわけで、やっぱり100kmくらい?ぐるっと走って来ないと分からないですもんね。
車の場合は、
「最低でも500km以上乗らないと、試乗インプレする権利なし。」だそうで。
なるほど~ぅ。
じゃぁ、その10倍の5000km走ってきたから、堂々とインプレ書いても問題ない、という事ですね?
そんなワケで、改めまして!
走行距離5000km突破記念、プジョー2008のドイラビングインプレッション、スターツ!
・デザインは完璧
ファーストインプレッションでは、図らずも内外装デザインの事のみしか語っていませんでした。
今現座も、プジョー2008のデザインは、カーデザインとして素人目にも素晴らしいデザインだと思えています。
奇抜過ぎない、地味過ぎない、プジョーらしく控えめながら他と少し違う雰囲気を感じさせるのは、美点ですね。
・動力性能は”何かが足りない”
直列3気筒のNA1.2Lエンジン、発進時に踏み込むと回転の上がりも速く、加速フィールは小さなタービンでも付いているのかな?と錯覚したものですが・・・
ゼロ発進はかなり苦手分野。 発進時の踏み込み、アクセルペダルの踏み込み量そのものを大きくせざるを得なくて、俊足などとは言えず鈍足極まる。
エンジン自体のパワーはおそらくそれほど足りてないワケではないのでは・・・とかばいたくなるのが、搭載されるロボタイズドMTの「ETG5」。
このトランスミッションが、ただでさえ非力なエンジンに追い打ちを掛けている!
・今にも乗せ替えられてしまいそうな、「ETG5」の不出来さ
このETG5はかなり酷い・・・
優れたDCTタイプのロボタイズドMTに乗り込んでいる人なら、「コレはないわー。」とチョイ乗りでもすぐに判断出来るはず。
シングルクラッチである事が問題なのか?・・・そうではないはず。
同じくシングルクラッチ2ペダルMTを搭載する、『フィアット500』の「デュアロジック」は結構頑張っている。
「違い」は何か? ズバリ「制御」。
プジョーのETG5は、とにかくシフトショックを発生させないように、「クラッチをソフトに繋ぐ制御」が強烈に働いている。
クラッチを切っている時間の長い、いわゆる「空走感」が如実に現れる。
フィアットは、あえてシフトショックをいなさず、結構ガッツリとクラッチを繋ぐが、コレが「ヒトの感性」に結構マッチしていると感じさせてくれる。
「さっさと発進加速したい時」に、プジョーは「・・・1速~・・・・・2速~・・・3速?」という感じ。
フィアットだと「1速!・2速!・3速!」という歯切れの良さ。
VWのDSGだとさらに「1速2速3速4速5速6速7速」と超連続感!
MTモードだとあまり気にならない・・・という定番のアレです。
・そもそも組み合わせが最悪?
軽量だけど非力過ぎるNA1.2Lとチンタラ繋ぐくせに発進はかなりギクシャクなETG5とのミスマッチが、非常にストレスを感じる要因か。
クルマを整備等にディーラーに預ける際、「代車」を借りるわけですが、この「代車」が高確率で「古い遅い国産車」ですが、コレといって動力性能に不満はなく、アクセルをグッと踏み込めばエンジンは唸るけど走ることは走りますよね。
だけど、2008は「走らない!!」と感じる事が非常に多かったです。
特徴的なデザインで似ても似つかない兄弟車である、『シトロエンC4カクタス』は2008にまんまターボだけを付けた内容だけど、ターボさえあれば文句なしなのか・・・
・遅くて、燃費イマイチ
信じ難いことに、同サイズくらいのクロスオーバー車『メルセデス・ベンツ GLA』に実燃費で負けます。
あちらは”4WD”で”ターボ”、重量も当然重たいのに・・・!
さらには、ガチなライバルである『ルノー キャプチャー』にも実燃費で負けている。
数値的には同じでも、あちらもターボ。DCTではありますが・・・
・遅すぎて危ない
スピードに関しては、高速道路のクルージングは悪くないクルマです。
一定速度以上からの加速はそれなりにスムーズで、エンジンの力も感じます。
ストップ&ゴーの多い街中では、非力なエンジンと制御のヌルいMTのせいで、危険なニオイが・・・
合流するシチュエーションで、車体の長いトレーラーの前に出た方が安全なケースがありました。
後続等の安全上の理由からトレーラーの前に出たかったので、アクセルペダルを踏み込んで加速したんですが・・・ヤバいと思えるくらいに加速しない!!
アクセルペダルの踏み込む量に対して、エンジンが吹けない、クラッチを繋がない!? いわゆるAT車の「キックダウン」をまったくやってくれないという制御っぷり・・・!
思わずベタ踏みしたものの、それでもエンジンの回転は思ったほど上がらず、ギアも落ちずにそのまんま・・・ 非常に危険!!
日常一番感じるストレスは、低速コーナーからの立ち上がり加速。
車速を短い距離で大きく落とし、旋回、立ち上がり加速のためにスッとアクセルを踏み込むも・・・ クラッチを数秒繋がない・・・。
・発進時のソフトなアクセル操作が鬼門。
普通、こういうのは「ソレって、発進時アクセル踏み過ぎなんじゃないの?」と思われるかもですが、このプジョー2008は、ソフトなアクセル操作が逆にアダになります。
最悪な制御、「1速で発進→クラッチを繋いだままスロットルを戻す→一瞬強烈なエンジンブレーキ→再度スロットルを開く」が繰り返されて、まるでMTの教習車の横に乗っているかのよう。
・低燃費を意識した、低回転時の最悪フィール
街中で巡航しようとすると、自動モードでは極力低回転で走るようにシフトアップされていきます。
・・・が、そのギア選択が「ギアが高過ぎて」エンジンの回転数的に「エンスト寸前」レベルまで落とされます。
結果として、MT車でやってみると分かりますが、「エンストギリギリ限界の低回転のアレ」が発生し続けるわけです。「グゴゴゴゴゴゴゴ」ってヤツですね。
当然、ここからアクセルを踏んでも”トルクが乗らない”ので、スムーズに加速が出来ません。
踏み込むと、”思い出したかのように”数秒後にギアを落として、「やっとこさのキックダウン」が始まります。
・本当に乗せ替えられそう?
嘘かまことか、どうやら噂では208や2008のETG5搭載車・・・順次アイシン製ATに切り替わる的な話も・・・
新型308がこの1.2Lエンジンにターボを付け、組み合わせられているのがアイシン製ATで、問題なく評判が良いので・・・
さっさと乗せ替えた方が、販売に好影響のはず。
・素晴らしくエアコンが弱い
冷房の設定温度がおかしい。
国産車なら真夏で25℃にでも設定しておけば、十分冷えるはず。
プジョーは22℃以下に設定しないと涼しくない。
炎天下に駐車していたら、AUTOFASTかLOWに設定しないと涼しくならない。
コレはディーラーで確認しましたが、「ガスの量が少ない設計」が影響しているそうで。
いつの時代のクルマだ!?って感じますね。
・ハンドリングはぼちぼち
コテンパンにけなしまくってますが、小径ステアリングは小気味いいハンドリングの演出に一役買っており、下手なスポーツカーより小さなステアリングは悪くないです。
ステアフィール自体も悪くないです。
フロントに過給機なしの3気筒エンジンなので、鼻先は軽くクルマの向きが変わるのにはストレスが少ないですね。
ただ、ハンドリングとコーナリングは別なので・・・
・猫足は折れた
「今のプジョーに猫足はないっすよw」
とは、プジョーディーラー整備士のコメント。
私はプジョー車の「猫足」がどういったものかイマイチ分からないですが、あのヒット車『プジョー206』には、ボディを含めた独特なキビキビしつつもしっとりした乗り味がソレなのかなと。
プジョー208&2008にはハッキリとソレはなく、出来の悪い国産車のような「ピョコピョコ」した段差で硬さを感じる乗り心地。
「サスが動いてない?」ってヤツですね。
エコな銘柄タイヤも影響してそうですが、ディーラーの説明では「交換しても微々たる変化」とのこと。ぎゃふん。
これまた不思議な事に、高速道路では悪くないのだけれど・・・
・足回りセッティングのレベルが低い
加速、減速、長めの旋回Gが弱点な足回り。欧州車としては失格レベル。
安っぽく、チープで限界が低いんじゃないかというあつらえになっていて、シートの柔らかさでなんとか保っているというか・・・
シートに関しては、「フランス車」に期待されるような、不思議な座りの良さは無し。普通。
・ブレーキは天下一品の出来の悪さ
欧州車といば、ブレーキの効きの良さ。少なからず言われるはず。
ただ、このプジョー2008に関しては「危険を感じるほど効かない」ブレーキになっており残念。
良くも悪くも初期制動が強いと、「ブレーキよく効くな!」とすぐに分かるものですが、これが全然初期制動もクソもない。
弱っちぃブレーキの中にバイト感(嚙み付き)だけいっちょまえにあるもの、じゃぁフルブレーキングは・・・と試してみるも、「ABSって何?」みたいな何事もなかったかのように”徐々に制動”する始末。
急制動も、制御の介入さえもない。
「サーキットは1周さえも絶対走れない」タイプのブレーキに感じました。
・普通に効かないブレーキ、安全な加速も許されない非力さ
結果として、クルマを乗り換えて初めて「アレ!?自分の運転が下手になった!?」というぐらい、危ない走りになりました。
代車で借りて来る、平成ヒトケタ年式の軽自動車の方が、マトモに走らせられるぐらい。
・まさかの空振り
プジョー2008、素敵なデザインと実用性の高いパッケージングだけは感じる事が出来ましたが・・・
自分車史上最高に「ハズレ」なクルマでした。 分かり易くハッキリと申せば「クソ」でした。
プジョー車としては大ヒットの可能性を秘めた車種と感じさせてくれたんですが、308の方が注目されたのは分かる気が。
本国でもディーゼル仕様+MTでも大して評判の良くない2008・・・
なぜ、得意なはずのセグメントでハズせるのか・・・誰の判断だよ!と(笑)
しかし、私としても「どうかしてるぜ!」なクルマを買ってきたものです。どうしちゃったんだろう?
たぶん、サーキットを走らなくなって「どうでも良くなった」というのが正直なところ。
普通のクルマでいいや、と買ってきたのが、乗り込むほどに「普通以下」である事が無視出来なくなってストレスでした。
結論、
「プジョー2008を買うのは、私と同じく節穴の目をお持ちだ。」って事!
このように、ディーラーや街中で見掛ける2008を見るたび(滅多に見ないが)、「アンタ、それで満足しているのか!?」と本気で思うわけです(笑)