昨日、ジュリア・クーぺの車検がとれたので、お世話になっている
「DESTINO」のカロツェリアにおじゃまして、主治医の蔵前さんにお会いしてきました。
詳細は、4月26日発売の『GENROQ』を楽しみにしていてくださいね!
そのとき、震災と原発の話題になり、ご一緒していた担当の編集さんが「もんじゅも去年から危ないんですよね」とひと言。そういえば、去年の夏に燃料棒を引き抜く装置が落ちてウンチャラ・・・ってニュースがあったよなぁ、、、と。再三の事故に危ないからヤメて!という訴訟があったにもかかわらず、再開が認められちゃったあの「もんじゅ」です。ナトリウムが漏れて14年間停止してたんですが、再稼動しちゃったんですよね。ところが、2010年8月に燃料棒を取り出す装置が落下して、燃料棒を引き抜けなくなってるんですよ・・・
「炉内中継装置*1を取り外すため、原子炉容器内より約2m位吊り上げた時点で、吊り荷重が急減し、異音を確認しました。」
今、どうなってるか気になりますよね? 私は、とても気になります。
JAEAのHPにある資料を読むと「炉内中継装置」というのが炉内に落ちたと報告されています。
まず、長さ12メートル、直径55センチ、重さ3.3トン(!)ものステンレス製部品が落ちた衝撃で炉が痛んでないか心配です。当然、この部品を取り出そうとしたのですが、ねじ止めされてる部品のねじが緩んでおり、落下による変形カ所もあり、燃料棒を通すサヤ形の部品にひっかかって取り出せませんでした。
その対応策として、その部品が引っかかってる部品ごと取り出すことに決めました。しかし、今度は冷却材のナトリウムが曲者です。中学の理科で習った通り、ナトリウムは活性が高く、空気中の水分とですら反応します。ナトリウム試料は灯油の中に沈めて保管すると、教科書にも書いてありました。
今回の作業にあたって、燃料棒を取り出す作業の前にナトリウムの抜き取り作業をしなくてはなりません。もちろん、ナトリウムを空気にさらすわけにいかないので、不活性なガスで周囲を覆う模様です。
高速増殖炉では、燃料にプルトニウムを含んだMOX燃料を使うのもコワいですが、ナトリウムを冷却材に使うというのもコワいのです。
スケジュールによれば、そろそろ
引き抜き作業の準備が終りそうなので、燃料棒の引抜を開始しようかという段階に入っています。いまやらなくてもいいんじゃないの!?と思います。しかも、これは再稼動に向けた作業なのです。
多額の予算をつぎ込んで、停止までに何十年もかかるといわれているものを停めるのは勇気がいると思いますが、どうしても動かすというなら、世界中の国々がリスクの割りにメリットが薄いと判断して中止している高速増殖炉を再開する明確な理由を教えて欲しいです。
ヨーロッパでも、高速増殖炉の例はたくさんあり、ヨーロッパ各国が参加する共同開発計画がありましたが、軽水炉とコストを競合できるという理由で中止になっています。
県内に原発が13基もある福井県は、福島県同様、原発があることで経済が回っている地域があるのでしょう。「原発がなければ出稼ぎは必死、声をあげて反対するのは女性、若者、年配者だけ」と言う話を聞いたことがあります。生きている間に起こるかどうかわからない原発事故より、日々の糧を得る方が重要という意見もあるでしょう。ただ、女性、若者、年配者という社会的弱者の主張に耳を貸せる社会こそ、本当の民主主義ではないでしょうか。もちろん、地元で半数以上が賛成すればOKというのが民主主義だという意見もあると思います。しかし、ひとたび原発事故がおきれば日本全体、ひいては世界の問題になることは今回の事故でみんなが思い知ったことでしょうから、原発は国全体の問題として再議論されるべきじゃないでしょうか。
Posted at 2011/04/10 18:15:10 | |
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