目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
Cクラシック、LT-L、LX-L、CSE、SR、CT・・・。
思い起こすと結構レカロを使用してきました。
といっても今使っているCTは中古で、SRは新品でしたが、後の4セットは貰い物。
親戚の叔父さんが車好で、沢山のお下がりを頂いた内の一部でした。
その方はもう10年以上も前にお亡くなりになったのですが、「レカロが一生物なんて大嘘」とよく話していました。何故一生物では無いと言ったのかは膨大過ぎるので書きませんが、自分でメンテナンスをする度に僕に手伝わせては説明してくれたものです。
「腰痛防止専用ラインナップ以外のレカロにおいて腰痛防止の根拠に繋がるのは2箇所だけ。その2箇所だって他のメーカーでもやっているところは沢山ある」
僕の親族親戚の殆どは医者で、叔父さんも有名な医者でしたので本当のことでしょう。
僕が「じゃあ何でレカロばっかり使うの」と質問すると「だってかっこいいじゃな~い」との答え。
冗談でも何でもなく、本音だったのだと思います。
何台もの外車を所有し、全てにレカロを装着していた叔父さんでしたが、バッファローレザー(C系だったが詳しいことは失念)のレカロだけは分解メンテナンスを手伝った記憶がありません。本人もパッファローの場合はウレタン交換を含めたメンテナンスサイクルが長いと言っていた記憶があります。
・・・それから10年以上の時が経ち、某オークションを何気なく見ているとバッファロー革のC81を発見。
何故メンテナンスサイクルが長いなんて言ってたんだろう・・・その答えが知りたくなり、いてもたってもいられなくなり入札、結局買ってしまいました。
2
C81とは後に再販されたCクラシックの原型にあたり、1981年に製造された古いレカロです。ただフレームやスイッチ類も含め、細かい違いが沢山見受けられます。
折角買ったんだから車に付けたい。
電気系のメンテナンスと、革をクリーニング後染めQで黒に染める為に分解開始。
革の状態は汚れと小さなひび割れのような状態になっている箇所が多数。
座面のテカリは汗や汚れによるものではなく、グレージング仕上げみたいに銀面が圧縮された事による艶でした。
80年代に人気を博したバッファローですが、この種類はその後の条約で捕れない皮となりました。その事を除いてもこのレカロは過去に分解された経験が無い様です。
根拠は・・・・C系レカロのオリジナルの製造者達って本当にいい加減だったんでしょうね。C型クリップの留めづらい所は左右で数が違ったり、留めてすらいない部分があったり。
末広がりに打ち込まれるタッカー作業もやる気の無さが伝わって来ます。
ちなみに日本で張り替えられたり、ウレタンのみを交換した場合、ここら辺の仕事が非常に丁寧です。
上記の事からも過去に分解が無かったと勝手に判断します。
それと・・・分解して改めて思います。
レカロシートの値段の殆どはブランド料。
アフターも最悪。
仮にCTでウレタンとファブリックの総張り替えをする。
ウレタンと張り替えるファブリック類をリリースしてくれれば、自分でやって実質3~4万で出来るのに、何で預かりだけで馬鹿高い値段を要求するの?
しかしウレタンは非常に綺麗な状態です。加水分解も起こっていないのです。27年前の物なのに?
勝手な推測ですが、水牛革は汗を通さないからでしょうか・・・?
それとも実際はウレタン交換の経験があるのか・・・?
肝心な座面背面の裏側のウレタンの写真撮るの忘れました・・・。
3
その後お気に入りの染めQで黒色に。
しかし、綺麗に塗れません。染まらない箇所が沢山あるのです。脱脂が足りない訳ではないようです。染めQは何度も使用してきたのにこんなの初めてです。
販売元のテロソンさんに聞いてみました。
すると染めQは皮(革)そのものには付かない。革製品の表面処理された樹脂などに染まる物だと教えていただきました。
成程、27年も前に施された表面処理が駄目になっていたということなんですね。
染めQの塗れない表面には革の銀面がちゃんとそのまま残っています。ひび割れだと思っていた箇所もよく見るとただのシワで、切れが生じている訳ではないことが分かりました。捲って見るとここも銀面が残っています。
水牛革ってタフ・・・。
ファブリックも牛革もここまでの耐久性はありません。
でも・・・革が丈夫だとしても、表面が綺麗でなければ意味の無いことです。
4
革の表面を再処理してくれる業者を探します。
ところが今は捕れない種類のバッファロー革であることを伝えると断られたり、1脚30万を要求されたり・・・。
ならば自分でやっちゃいます。
レカロジャパンに当時のバッファローの表面処理を質問。分からなければ総本部に聞いてくれるでしょう。
「いろいろ調べたのですが、何分古い製品なので分かりません」
・・・・・・・
同時にバッファロー以外の部品って今でも買えるのかという質問もしています。
「何分古い製品なので供給出来ないパーツも多数御座います」
・・・・・・・
しょうがないですね。
とりあえず個人が気軽に買える革用塗料などをいろいろ調べて購入。
まずは黒の革用染料を施工後レザーバインダーを上塗りします。
バインダーとは、染料が落ちてしまわないようにする物で、さらに上塗りされる仕上げ剤の溶剤から下地染料を保護する役目を担います。
ネットでは「パッファローは水性で仕上げられた」という噂と「当時日本ではウォーターバッファローという呼び方をされていたことによる誤解で油性」との噂があります。
また、いろんな仕上げのバリエーションがあったよという意見もあります。
私の買ったバッファローは何仕上げだったのかしら?
科学的精査をすれば答えはでるでしょう。でもそんな機関が何所にあるかも知らないし。耐久を考え染料は油性を選択しました。
エアーブラシを使おうかと思ったのですが、ノズル口径と相性が悪くて不可。
ヘッドレスト部分は中身のゴムクッションから染み出し続けた怪しい液体が除去出来ず、やむを得ず牛皮で張り替え。
張り替えた部分にも同じ作業を施します。
ついでに古いタイプのヘッドレストも購入して、それも塗ってみることにしました。
何だかんだで2週間費やしました。
5
綺麗な黒になりました。
しかしこの上に仕上げ剤を塗らなければいけません。
ここで大きなわかれ道です。
艶の無い仕上げ剤の耐久性は低く、とても車内での使用に耐えられるものではありません。
耐久性のある革用ウレタン樹脂はド派手な艶のパテント仕上になってしまいます。エナメル仕上げというやつです。
車のレザーシート用の艶の無いウレタン樹脂は個人では入手出来ません。
どうせ座面に艶が出ちゃってるんだ。
毒を食らわば皿までだ!!!
僕はこの日酔っていました。
エナメル仕上げに突入です。
この段階でもう答えなどどうでも良くなりました。
6
結果を先に申し上げると、相当変わったシートが出来上がりました。
まさにエナメル仕上げの名の通りの物になりました。
派手すぎてとても車に付ける勇気はありません。
叔父さんごめん。あなたの真意を理解することは出来なくなりました。
しかも・・・・・・・・・。
7
全く写真に写らないんです・・・・。
フラッシュを弾くわ吸うわ・・・・。
僕やっちゃった・・・・・・。
大失敗しちゃった・・・・・・。
8
その後色々試行錯誤し、落ち着いた雰囲気の仕上げにはなったものの、プレの雰囲気には合わないと判断。
現在は放置プレー中・・・・。
つづく・・・・?
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