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2012年11月17日

スーパー耐久レース2012(第6戦)オートポリスサーキットへ行って来ました!

スーパー耐久レース2012(第6戦)オートポリスサーキットへ行って来ました! 11月8日(木)から11日(日)の日程で、『スーパー耐久レース2012 第6戦(最終戦)』を戦う為に、オートポリスサーキットに行って来ました。

今シーズン5戦を戦って来て、シリーズポイントはトップの#18から7ポイント離され、3位の#58から3・5ポイント差で追われる展開で、なんとか2位で最終戦まで来ることが出来ました。ここから逆転してシリーズチャンピオンをもぎ取るには、ポールポジションポイントの2ポイントを取りつつ優勝を飾るか、#38が高順位で#18が下位に沈むかしかチャンスは無い、他力本願的な要素が高く、奇跡を待つしかない状況である事を把握しつつ、でも私としては去年携わったチームがシリーズ2位でしたので、チャンピオンを目指す為にやれる事は全てするつもりで、サーキットへの移動を徹夜で行いました。

今回の#38にとっての明るい要素は、①S耐にとって初のオートポリスサーキットである事。②ほとんどのドライバーさんが初走行であるにも関わらず、#38のB&Cドライバーはココがホームコースで走り慣れている事。③ライバル達のFF勢とは違い、このサーキットレイアウトがFRのS2000に有利。だという事が上げられます。



11月8日(木)は『搬入日&フリー走行日』でした。

このサーキットが初走行となるAドライバー藤村選手は、前日の7日(水)にBドライバー藤田選手所有のS2000を使って、コースを覚える為にプライベートテストを行っていたので、その時の状況を聞きつつ、搬入を済ませました。

その後は、私も何度かGTなどで来た事は有るが、走った事が無いコースという事で、サーキットウォークの時間を使って、1周4.674㎞のコースを藤村選手たちと歩いて周り、コースの状況などを確認しました。



この日の「フリー走行」は、S耐で初開催のオートポリスサーキットが初走行となるチームが多い為に、通常より1日多く任意のフリー走行枠を設けたものです。

2時間のこの枠を使って、まずは走り慣れた藤田選手にてセット確認を行っていき、ある程度セットが決まって来た頃、藤村選手に代わってセット確認&コースへの習熟走行に時間を割きました。

予算の為か、ライバルチーム達はこの日の走行をキャンセルしたり、タイムが出せずに苦労している中、#38はクラストップでこの日の走行を終えました。



9日(金)も『フリー走行日』でした。

この日は、1時間×3本のフリー走行枠があった為、この日の朝に合流を果たしたCドライバー筒井選手も交えて、セット確認&習熟走行を行って行きました。

#38としては9月末に、B&Cドライバーとプライベートテストも行っていましたので、早めにセットアップが完了し、あとはAドライバーのコース習熟を目的に淡々とLAPを重ねていった、3本目の走行枠で突然、藤村選手から「何か壊れました!」と無線が入りました。PITに戻されたマシンを確認するとデフの故障でしたので、この日の走行を終了し、マシンの各部チェックとデフの交換作業に入りました。大事な予選&決勝を前にこういったパーツが壊れるのは、私にとっては悪くない流れに感じながら、この日の作業をニヤケながらしたのは内緒ですw



10日(土)は『予選日』です。

天気予報の通り、週末にかけて天気が崩れてくる様子でしたので、「雨が降ってくる前に少しでも早くタイムを出すように!」と藤村選手に無線で話し、マシンをコースに入れました。

Aドラ予選結果は4位。初めてのサーキットで、この週末でこの予選がベストラップでしたので、走れば走るほど速くなる、スロースターターな彼特有のこの感じも、3年も一緒にレースをしていたら馴れたものです。このまま行けば、翌日の決勝も心配無さそうだと、勝手に安心してAドラ予選が終了しました。

Bドラ予選は2位。このサーキットをホームコースとする藤田選手は、さすがの速さを見せて、GTドライバー佐々木孝太選手に0.2秒遅れてこの結果となりました。

S耐は、A&Bの予選タイムの合算タイムで決勝グリッドが決まりますので、この結果3位から翌日の決勝がスタートする事になり、当初掲げていた目標のポールポジションポイントを加算して、自力でシリーズチャンピオンを勝ち取る事は不可能となり、#18とポジションを離しての他力本願的なレース展開が決まりました。

Cドラ予選も2位。筒井選手もこのオートポリスがホームコースですので、安定したタイムを刻んでいってくれました。



11日(日)は『決勝日』です。

土曜日夜から降り始めた雨は、夜中から突風交じりの大雨に変化し、標高800メートルに位置するサーキットは、オートポリス名物の深い霧につつまれ、チームのテントは突風によって破壊され、レースが開催されるかどうかも判らない緊張した朝を迎えました。

事実、午前中に予定されていたレースはキャンセルが発表され、S耐もこのまま中止が決定されれば、戦わずしてシリーズ2位を受け入れなければなりません。

午前中に予定されていた「S耐フリー走行」は、ディレイにディレイを重ね、あげくには中止となりました。



この微妙な緊張感が続く中、私達に今、出来る事はPIT作業練習のみ!という事で、#38を使ってドライバー交代の練習を、#39を使ってメカニックはタイヤ交換作業練習を重ねていきました。



色々な協議の結果、安全面を最優先に考える形で、3時間のレースは2時間に短縮され、最低でも2周回のSC(追い越し禁止のセーフティーカー先導で)ランからのスタートが決定されました。



#38の作戦は、Cドラ筒井選手がスタート→SCランでのスタートにロスの少ない1周目にPIT IN→規定のドライバーチェンジ(Bドラ藤田選手に交替)を含むPIT作業の一回目を消化して→2回目出るであろうSCの際に有無を言わさずPIT IN→Aドラ藤村選手に繋ぐ事に決まりました。

予定の通り、3位でスタートした筒井選手は1周回目にPIT IN。PITで藤田選手にドライバーチェンジのみを行ってPIT OUTしますが、PITで4位にポジションを下げてしまいます。しかもターゲットの#18が2位と先行されてしまう状況で、SCランが継続されています。このままSCランで84分経過まで引っ張ってレース終了もありえるので、ライバル達より早めの2回目のPIT作業の可能性を模索し始めた頃、SC解除の報告が入ります。

当然、PIT作業準備を止めてレース再開を無線で報告しますが、この日の無線の調子が最悪で、混乱した藤田選手が先行するマシンとの差を開きすぎたまま、ホームストレートを通過するのが見えました。ヤバイかな?と思った途端、無線で「#58に抜かれてしまいました」と報告が入ります。ポジション5・・・(汗)しかもシリーズ3位の#58にも抜かれると、シリーズランキングが下に逆転される可能性も浮上し始めました。

この状況から起死回生の逆転策として可能性があるのは、未だ回復しない天候に、必ずもう一度出るであろうSC導入のタイミングを見計らって、PIT INを済ませPITでポジションを上げる作戦しか無い事を確認し、「SCが出たら即!PITに入って!!」とハンドルを握る藤田選手に無線で伝えました。



少し雨がきつくなって来た13LAP目、予想していたSCがコースに入ります。ここで迷わずPIT INの無線を送ります。ちょうど最終コーナー手前、#18を真後ろで追いかける展開から、即PITに入ってくる#38。#18はPITタイミングを遅らせるようです。

ここで最後の義務PITである藤村選手に交替させ、7秒の給油を済ませてマシンをコースに戻します。PITタイミングを遅らせた#18や#58が14LAP目に続々とPITに入ってきますが、ここで#38は難なくポジションを2位に上げる事に成功します。しかもほぼ1周の差を開く事に成功し、あとは#18との間に何台のマシンが入ってくれるかでシリーズ逆転の可能性も急浮上して来ました。先行する#339を抜く事は厳しいと予想される展開に、とりあえず今のポジションを死守する事、現在の状況などをSCランでLAPを刻み続ける藤村選手に報告しました。

22LAP目、SCがPITに戻ってきてレース再開!ここで3番手を走る#86に、2周にわたって最終コーナー辺りで抜かれ、ホームストレートで抜き返すハラハラした展開を続け、25LAP目に最後となるSCが入って、このまま84分の70%ルール適用で、レースが終了されました。



PIT作戦で勝敗を分けた、非常に厳しいレースでしたが#38は2位。#18は6位に沈み、これにより大逆転シリーズチャンピオンを勝ち取る事が出来ました!

2年前、藤村選手の相談を受ける形で、「TRACY SPORTS」を紹介し、そのまま私も藤村選手の担当エンジニア&メカニックとして、昨シーズンは2位。今年はスポット参戦からシリーズ参戦に変え、継続参戦する事に決まり、なんとしてでもシリーズチャンピオンを獲って貰いたかったので、この結果は非常に嬉しいですし、藤村選手の今後の為にも非常に素晴らしいシーズンになったと思います。

2時間レースと変更された同大会ですが、霧&雨がマシになったり、増えてきたりを繰返しているので、レース成立となる70%ルールが適用となる確率も高く、2時間の70%=84分で終了の可能性、1人のドライバーで3分の2以上の走行を禁止するルール(2時間の3分の2=80分、84分の3分の2=56分)、など色々な可能性を考え、レース前&レース中を問わずにPITでは柔軟に作戦を変化させる必要に迫られ、何度も作戦会議を突発的に行いました。この、いつでも横並びで作戦会議が出来る環境が、#38がこの厳しい戦いを勝ち抜けた一番の理由だと思います。

中村監督、兼村相談役、小森さんと非常に経験豊かな先輩達に囲まれ、いつも楽しくも勝ちに拘った作戦を立て、その作戦を尊重し、いつも素晴らしいドライビングで結果を残してくれた藤田選手、筒井選手、スポットでしたが参加出来なかったドライバーの穴を見事に埋めてくれた坂本選手、長野選手。ライバルチームのPIT回数やタイムキーパーをボランティアでしてくれた人達、私の無茶振りにもなんとか応えてくれた学生達。非常に少数精鋭なこのチームに、いつも安心してレースが出来るマシンを準備してくれたTRACY SPORTSさん。いつも私達の考える作戦を「お任せ」な感じで、かつ、重要な所はさりげなく教えてくれるTRACY兵頭代表。この誰が欠けても勝ちえなかった、皆の力で勝ち取ったチャンピオンの座なのだと本当に思います。最後に、応援して頂いたファンの皆様、本当に有り難う御座いました!!私の2012シーズンのレースは全て終わりましたが、来シーズンもどこかでレースは続けたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願い致します。
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Posted at 2012/11/17 18:47:21

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この記事へのコメント

2012年11月17日 19:47
ただただ………おおきにm(_ _)m
コメントへの返答
2012年11月17日 19:55
こちらこそ、力強い援護射撃有難う御座いました!
2012年11月17日 21:17
スーパー耐久って 初めてサポートして
もう10年くらい見てるけど

レース職人の仕事・仕切りに
なんでやねん と思うことがあった。

今回 素人ヤカラ 柔軟に対応できる部分もあるのやと感じました。

経験則だけに頼らず データを鑑み 最短の方法を模索する
素人集団で有り続けたいと 思いますた(^^;
コメントへの返答
2012年11月20日 11:07
私はまだ5年目のひよっこですが、プロのレース職人さんの作戦に??ってなる事、何度かありました。

今回は、誰が決定するでもなく、4人の頭で最善の策を話し合える環境が良かったのでしょうね。

もちろん経験も大事ですが、いつもニュートラルな視点で、最良の方向を導き出す事が出来るように努めていきたいです。
2012年11月17日 22:26
何も知らないオッサンですが、

いつも丁寧に教えて頂き有難うございます(^_^;)

30年早かったら私もS耐ドライバーの一員になれてたかも(笑)

これからも色々教えて下さいね♪
コメントへの返答
2012年11月20日 11:11
いつも遠い所までご苦労さまです♪

レースの難しい所まで理解して頂き、少しでもレースの楽しさをより知って貰う為ですから、いつでも理解不能な所は聞いて下さいね!

30年早かったら、私はまだラジコンしか知らない少年でしたw

こちらこそ、これからも宜しくお願い致します。
2012年11月18日 7:27
おめでとうございます!
最後の最後まで諦めなかった結果での逆転。
凄いです!

ほんとにおめでとうございます。
コメントへの返答
2012年11月20日 11:24
有難う御座います!

諦めの悪さはK4-GPでも実証済みですからw

これからも良いレース展開が出来るよう、日々鍛錬を続けますね。
2012年11月18日 14:55
改めまして、おめでとうございます、そして一年ありがとうございます。

ともに戦った戦友のような感じで良き先輩方に恵まれたシーズンでした。

走行会ではなくレースですから、速く走るだけではなく、チームとしてどう戦うか全体の戦況を見ながら現状最良の結果に落とし込むレースを前半戦で勉強させていただきました。

後半戦、西に入り、ホーム戦を含む3戦…前半戦チームにお世話になった分を一ドライバーとしてなんとか貢献しようと必死でした。まだまだ力不足を痛感しました。

みんなが「38号車」を勝たせるために協力できる最高のチームでチャンピョンを取れたことがこのスポーツの本質だと感じました。

感動をありがとうございました。
コメントへの返答
2012年11月20日 11:33
こちらこそ、楽しいレースシーズンを有難う御座いました!

本当に、今シーズンは初めから古参の戦友のような感じで、皆が気心が知れた人ばかりで、個々の実力、能力を伸ばした戦略を立てやすかったです。

シリーズ後半戦、岡山ではブレーキホーストラブルで、RYU君にはかなり厳しいドライブをさせてしまって、鈴鹿はお休み、なんとかオートポリスでは気持ちよく走って貰いたかったのに、あの悪天候と・・・後半戦はフラストレーションが溜まったのでは?

私にとっては、あの手負いの岡山戦をしぶとくポイントGET出来たのが、今シーズン一番の感動ポイントであり、チャンピオンの行方を#38に向けたのだと思いました。

最終戦は、素晴らしい協力体制も出来上がり、最高のチームへと昇華していきましたね。

大人になって感動する事が減っていますが、こちらこそ感動を有難う御座います!
2012年11月19日 10:21
トレーシーに挨拶で伺った2年前が全ての始まりでしたね。

今年は、去年よりも厳しい戦いになるから難しいよ!と言う言葉からの2012年~。

初フル参戦で、半分は初めて走るサーキット。

現実に考えれば、厳しいすぎる中...

#38みんなが1つの目標に向かい一丸となれたから最高の結果を残す事に繋がったと思います。
みなさんに感謝。

振り替えれば色々な事がありましたが、1年間本当にありがとうございました。

最高の乾杯で締めくくりましょう!

お疲れ様でした☆
コメントへの返答
2012年11月20日 11:44
始まりは私が86、君が黄色いDC2で、セントラルサーキットのC-WESTチャレンジカップで走ってた時からでしょwそこからの腐れ縁って事で、私は『仕方なく』君の面倒を見ていたんですからw

本当に、今年は去年のシリーズ2位に並ぶのすら難しいと思っていましたが、今シーズン、一皮むけた姿を見せてくれて、なんとか形になっていったと思います。

シーズン終盤位から、チームの目標がシリーズチャンピオンとなって、チーム力がより上がったのが感じ取れました。こちらこそ、本当に楽しい1年間を有難う御座います。

最高の乾杯!すべてはこの為に1年間頑張ったので、呑むで~♪

プロフィール

大阪で小さいながらも車屋を経営しています。自動車業界の人間ではありますが、レースや走行会などを楽しむ、一人の車好きとして気楽な感じで参加して行きたいと思いますの...
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