
「ハロウィンラリー」も無事終わって、ホッと一息ついているグループA万歳です。
今回は個人的な感想メインで。
いやー、久しぶりのグラベル三昧、堪能しました~。
やっぱりグラベルは良いですね~。
心もウキウキ、クルマも(ギャップで)浮き浮きして、なんとも気持ちよいです!
これから数ヶ月走れないかと思うと、寂しい限りですが、ま、氷上もありますし。
雪上もあるかもしれないですし。
(お、カミさんの罵声が聞こえたぞ?!)
で、一応毎回走る前に自分でテーマを決めているのですが、今回のお題は「左足ブレーキ」。
(お、皆さんの罵声が聞こえたぞ?!)
お前には100年早いわ!!!と怒られてしまいそうですが、ま、いいじゃないですか。
ワルター・ロールとかのインカー観てて憧れだったんですから!
と、ここで頭デッカチな私としては左足ブレーキってなんでしょう?と考えてみるわけです。
「左足でブレーキを踏む」ということは「右足でアクセルを踏める」ということですよね。
当たり前じゃないか!というツッコミはナシでお願いします。
でも、ここで二つの考え方に分かれます。
アクセルを踏んでいるときにブレーキを踏みたくなるのか、ブレーキを踏んでいるときにアクセルを踏みたくなるのか、ですよね。
前者には、たとえば登りのタイトターンなどFR荷重が抜けやすいとき=アンダーが出るときに、前タイヤに仕事をさせようとするときや、登り勾配から下り勾配に変化する坂の頂上=クレストがコーナーになっているときに、登ってきた勢いで下りに入ると前荷重が抜けて外側に飛ばされてしまうので、クレストを越える直前に左足でチョンとブレーキ踏んで前荷重を残しておくとか、そんな使い方があります。
(後半はラリー部長さんが宴の場で話されていたのを耳をダンボにして聞いていたお話ですが、アルコールの関係で若干不正確かもしれません!)
後者にはアンチラグなどない時代のターボラグを殺すために、常に右足でアクセルを踏んでタービン回転を落とさないようにするなどに使われてきたようです。 ※1
そんな荒芸を、550馬力もある正真正銘の化け物マシンのコクピットで、それもグラベルやスノーでやってのけていた往年のGr.Bドライバーを、私は心から尊敬します~。
おまけにGr.A以前は3ペダルですからね~。
途切れないエクゾーストノートのなかでブレーキランプが点灯するのが激シブでした!
っちゅーことで、チャレンジしてみましたよ~。
お試しポイントは以下の3箇所です。
①左コーナーを抜けて上りながらもう一度左に曲がるコーナー。
(このコーナーは出口がカマボコ状になっていてラインによってはクルマの挙動がまったく違うのですごく楽しい!)
②その直後の左タイトターン。
③そのまた直後の車速の乗らない右タイトターン。
(ここも下りながら少し荷重が抜けるので、フロントが食わないとドアンダーで土手行き決定で大興奮!!)
ちなみに実際には、このコース図の右から左に向かって全体的に下っております。
つまり、イメージは①の手前のコーナーからベタ踏みで立ち上がってきて、①は左足チョンブレでクリア、そのまま②でブレーキングで姿勢を変えつつアクセルオンでタイトに回る、と。
で、アクセルチョイ抜きで左から右に振り返して、そのままブレーキ踏んで③をタイトに回るのが理想だったのですが…
結論。
俺の左足、こんなにバカだったとは!!!!!
いつもクラッチを踏んでるだけあって、動きが大雑把というかなんというか。
ピクピクピク…ドカーン!!!みたいに、なんか調節できないんですよ。
なので、①のコーナーでは左足でブレーキを踏んだ途端にタックインしすぎてクルマがイン側の土手に突っ込みそうになったり、はたまたフロントに荷重がかかるどころかロックしてしまって超ドアンダーになったり…
久しぶりに意図せず土手に乗り上げてしまいました!!
また②・③のコーナーでもブレーキに集中しすぎてアクセルコントロールがおろそかになり、スピード乗りすぎて大外まではらんでしまったり、またしてもタックイン&イン土手寸止めのお手軽コンボ技を披露したりして。
そういやここでも土手に乗りましたな~。
とにかく、今までは「ブレーキ操作の時間」と「アクセル操作の時間」はどんなに細かく入れ替わってもラップはしていなかったわけです。
でも、左足ブレーキはこの二つの作業の同期を要求してくるわけです。
おまけにアンダーパワーの318なので、タイトターンでトルクをグラベルに食われてきたらアクセル吹かしてクラッチ蹴ってケツを出す癖がついてるのですよ。
そこで左足ブレーキでリア荷重抜いてやろうとか、回路が混線してるとブレーキを思いっきり踏んづけちゃったりして。
自分がアクセルを踏むのかブレーキを踏まなきゃいけないのかすら分からなくなってしまうなんて恐怖体験、そうそうないですよ~。
で、走り終わってふと思ったことは、やっぱりドライビングは頭半分体半分なんだなあ、と。
私は、ドライビングは物理の方程式を解くようなものだと思っていて、グラベルは更に複雑な要素が多いのが面白いと思っているのですが、頭で考えて走ってるうちはやっぱり遅いというのも事実なのですよね。
「前荷重が抜けた!」とオシリセンサーが感じてから0.1秒ぐらいで適切な強さで左足がブレーキを踏めるドライバーは、頭じゃないんですよね。
そんなこと覚えてないぐらい、体が勝手に反応しているのだと思います。
記憶にあるとすれば、左足が「さっきちょっと前荷重が抜けたからブレーキ踏んどいたからあとヨロシクね」程度の事後報告というか。
これじゃまるでミギーですが、多分トップラリーストは頭と体がバラバラなんだろうな~。
目と耳とケツからのインフォメーションを、脳を通る反応系と脳を通らない反射系とに瞬時に分解して、それぞれを最適の優先順位で的確に処理していくって、ほとんど神の領域でしょう!
そりゃパニッツィもまばたきするの忘れますよ!
私の場合は「ここのコーナーは左足ブレーキ使ってやろう!」と頭で決めて走ってしまっているので、そっちばっかり意識が集中してしまって、まともに走れもしなくなっちゃうんでしょう、多分。
ま、そんなことが分かっただけでも収穫でした~!!
次回もまた懲りずにチャレンジしま~す!
しかし、グラベルは本当に楽しいやね~。
エントラントの皆様の笑顔が本当にステキ!!
※1
といいながら、このターボラグ殺しの左足ブレーキにはイマイチ納得できないところもあるのです。
エンジン回転が下がってきたときに、右足でアクセルを煽り続けることで、燃焼しきれない生ガスをタービン手前で爆発させてターボを回し続けてたってことかしら。
それって電子制御燃料噴射でも有効なんでしょうかね?
わざとそういうセッティングにしてたのでしょうか?
謎だな~。