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ゴキちゃんの"ゴキ号" [日産 スカイラインGT‐R]

整備手帳

作業日:0001年1月1日

ブローバイ処理

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

初級

作業時間 30分以内
1
今回はブローバイガスの処理について、いつもの如くダラダラと書きます (^^;

ブローバイガスは燃焼室から吹き抜けたガスの事で、主としてピストンリング部からクランク
ケースへ、或いはバルブステムシール部からタペットカバー内へ漏れ出たガスを指します。
ブローバイガスには未燃焼HC等の環境汚染物質が含まれているため法令により大気放出
が禁止されています。
このためカーメーカーではブローバイガスを吸気経路に還流させて燃焼させてしまう処理を
行っています。

図の純正配管はRB26の例で、一般的にクローズドタイプと呼ばれる方式です。
仕組みとしては、
軽負荷時(負圧時)はPCVバルブ(Positive Crankcase Ventilation Valve)を介して
ヘッドカバーからブローバイガスを吸気ポートに引き込んでいます。
掃気効率を上げる為にサクションパイプからヘッドカバー内へフレッシュエアーを導入して
います。
PCVバルブは-500mmHgなどの負圧が非常に高い場合は通路が狭くなり、また0mmHg以上
の正圧時にもバルブが閉まる構造となっています。一般的には差圧が-100~-200mmHg
にてバルブが最も開く構造となっています。
高負荷時(正圧時)は上述の様にPCVバルブが閉じられるため、ヘッドカバー内のブローバ
イガスはリヤ側ターボ上流のサクション負圧によってサクションパイプ内に引き込まれます。
2
純正配管のままでサーキット走行などを繰り返すとブローバイガスが多量に発生するため、
ターボのコンプレッサーハウジング内やインタークーラ内に溜まったり、燃焼室内が汚れ易く
なります。これを嫌ってキャッチタンクを装着するのが一般的ですね。

もし仮にPCVバルブ部分やヘッドカバーのニップルにブラインドキャップを付けて、ブローバ
イガスをエンジン内に封じ込めてしまったらどうなるでしょうか?
この場合は未燃焼HCがエンジンオイルに混入したまま抜けなくなるのでオイル劣化が激し
くなります。通称ガソリン希釈と言われ、潤滑性能の低下、スラッジの増大などの悪影響を
もたらします。

図の市販のオイルキャッチタンク装着では一般的な配管例を記載しています。
ここではPCVバルブにブラインドキャップを付けているため、吸気負圧とは無関係となり、
ヘッドカバー内圧の上昇に伴ってブローバイガスがキャッチタンクにトラップされる事に
なります。当然ですが、純正配管に比べると掃気効率は落ちます。ですので、少し早めの
オイル交換が必要かと思います。

キャッチタンクを付けてサーキットを走ると、思った以上にブローバイガス+オイルが溜まる
事に驚きます。トラップされた液体は乳白色で粘度が低く、ガソリン臭がします。
一方、エンジンオイルはこのトラップ量ほどには減っていない事が殆どです。即ち、キャッチ
された液体にはガソリン成分が非常に多く含まれている訳です。
ガソリンの気化する温度は大よそ30℃~200℃ですので、低沸点分から蒸発し、ブローバイ
ホースを通ってキャッチタンクに行く間に冷やされて、液化します。
ここには流れによって一緒に持ち出されたオイル分も含まれています。
因みに、ガソリンは複数の炭化水素系留分の混合物ですので明確な沸点は無いようです。
3
図はnismoのオイルキャッチタンクを装着した例です。
純正配管にオイルキャッチタンクを割り込ませる構成となっており、掃気効率は純正同様に
優れていると思います。
特徴的なのは、キャッチタンクに溜まったオイルを底部からエンジンブロックへリターンさせ
る構造です。

純正配管に比べると吸気サクションパイプへのオイルの持ち出しが少なくなり、吸気系の
汚れが軽減されると思います。但し、キャッチタンクにはガソリン成分も含まれていると思わ
れますので、これをオイルパンに戻す事にやや不安を感じます。
まぁ信頼のnismo?ですので、多少のテストは行っている事でしょう!

蛇足ですが、ブローバイガス中のガソリン蒸気を出来る限り液化させずに吸気経路に吸引
するためには温度を下げない事が重要で、nsimoはこの点を考慮してか、EXマニ付近に
タンクを設置し、ブローバイ配管も極めて短い構成としていますね。

因みにゴキちゃんはnismo類似方式としています。恥ずかしいので図は描きません(^^;

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この記事へのコメント

2009年7月31日 20:46
ブローバイ温度は高い方が良いとの事ですが、気液分離と言う事になると、温度を下げた方が良いような気がします、温度が高い方が良いのは「ごく一般的な走行モード」の話ではないかと思いますが、ちがうでしょうか?(汗

エンジンの経たりなどの状態も考慮するべきかと思いますが、nism○のは、サーキットの様な連続した高負荷状況下では、ブローバイの量(流速)が多くなると、間に合わなくなり、結果ターボ配管やインタークーラー内で冷却される為にほとんど効果が無く「ターボ配管内はべたべた」になると聞いた事があります。

特に加給圧を上げて2倍~それ以上の出力になったRB26の場合ブローバイの量も半端なく(汗
実際に両立する事は非常に難しく、ターボ配管内のブローバイ汚染や掃気不足によるダイリュージョン増加はある程度は諦めるしかないのだと個人的には思います。

以前の話ですが、RB26の掃気不足のクランクケース内を見たとき「真っ黒け」でちょっとビックリしました(汗

たまにしか回さない人にキャッチタンクなど必要なく、ノーマルか+α経路で十分なんだと思います。
コメントへの返答
2009年8月1日 13:48
(^o^)コメありがとう御座いますm(__)m

余談ですが、ブローバイ処理を真面目に研究しているのは日産、ホンダ、トヨタさんのようで、各社の技報やPATに研究結果が詳しく記載されています。
エンジンオイルの劣化を防ぐにはオイルに混ざったガソリン分を抜く(揮発させる)事が重要で、適度に温度を上げてガソリンの揮発を促すためには少なくとも60℃以上にしてあげるべきだそうです。
但し、100℃を遥かに超えるような高温ではオイル自体の酸化劣化が促進されてしまいます。

nimsoのキャッチタンクは気化したガソリン分は吸気に還流させて、残渣分のオイルをエンジンブロックに戻すのが目的ですからキャッチの温度はある程度暖かい方が有利かと。
但し、umezoさんが仰るように燃焼圧がノーマルを遥かに超えるハイパワーエンジンではトラップ能力が不足するんでしょうね!

やはりコマ目にオイル交換などのメンテナンスが大切なんだと思います。
ある方が言ってました。エンジンオイルに限っては使ったガソリン量で交換サイクルを決めるべきだと
 \(^_^=^_^)/
2009年8月20日 22:17
ゴキちゃんさん、こんばんは。

ブローバイについて調べていたら、こちらへ偶然たどり着いてしまいましたw 綺麗な図で分かりやすいですね。

質問させてください。もし宜しかったら教えてください。

私は、塚○のオイルキャッチャー3をつけています。こちらは、エンジンフード上第6シリンダーあたり、ブローバイパイプを切断して直接つなげるタイプです。オイルキャッチャーという名前ですが、実際にはNism○製みたいに機能としてはオイルをセパレート後オイルパンへ戻すという触れ込みです。しかし、Nisom○製を見たこと無いのでゴキちゃんさんのこの図からの想像なのですが、エンジン側部への配管はないのです。

先日取り付け後暫くたったので、はずしてみると確かに汚れています。しかしオイルは既に空なのです。そこで、どこへオイルが消えたか?なのですが、ブローバイの出口である第6シリンダーの角(名前が分かりません(汗))から、戻るということなのでしょうか?探してみたのですが、この辺りの説明が今のところ見つかりません。宜しければお教えください。

コメントへの返答
2009年8月21日 17:20
こんにちは~♪

オーテックさんのキャッチタンクを付けた場合でも経路としては上記1のノーマル配管と同じになると思います。
よって、ブローバイガスやオイル分は負圧時はPCVバルブからインテークポートへ、正圧時はリヤ側ターボ上流からインテークへ吸入されると思われます。但し、キャッチタンク内に仕切りがあって、オイルが持ち出され難く、且つヘッドカバー内にリターンされ易い構造になっているのではないでしょうか?(実際に見た事がないので想像です)

但し、私の少ない経験からでは、街中では相当元気よく走っても溜まるほどのオイルは吹かないと思います。
サーキットで全開走行をするのとはかなり差が有ると思います。

もし質問の意図と違うようでしたら、またお便り下さいね!

=追伸です=
オイルキャッチャーについて少し調べてみました。
キャッチャーから突き出ている4本のニップルは取り付け位置に高低差があって、カムカバーに繋がる2本は低い位置にあるので溜まったオイル分はここからカムカバーへ戻るんだと思います。

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