
ついにマークXのG'sに乗ることができました。
その印象をいつものように覚書を兼ねて記します。
乗ったのは2.5Lでカラーはブラック(実車の写真がないです・・・(汗)。
外観からしてやはり普通のマークXとはまるで違った印象を与えてきます。
★エンジンスタート
乗りこんで、すぐにシートの良さに気付きます。基本的な形状が包み込んでくれるようで前にどんどん走っていきたくなるような感触です。
そしてボタンを押してエンジンスタート!
久しぶりに聞く4GRの音は、ここのところ4気筒の音色ばかり聞いていた耳には衝撃的なほど滑らかか。こんなに音色が違うものか、と。
メーターはMAXまで回りきるスイープ機能こそないものの、ホワイトの盤面に文字もボワっと白く発光するのには新鮮さを感じました。
ちょっとだけ暖気をしてスタートです。
★オーディオ
ちょっとだけオーディオについて・・・。
今回のクルマには標準の6スピーカーにディーラーOPのナビが付いていました。
あくまで個人的な感想ですが、音は特筆すべきものは何もないです。
DIATONE試聴の時のプリウスほど車体側のオーディオに対するポテンシャルの低さは感じませんでしたが、全体的にイコライザーを調整しようという気にもならない極めて無難な音です。
がっかりするというか、何とかしようとかカスタムしてみたいという気にもさせない印象で、あ、これはこれでお金をかけずに済むかななんて思いました。
★「トヨタ」の4GR-FEの印象
それでは発進です。
動き出しですぐにペダルの遊びの多さにビックリしました。あれ!?って思うほどです。
以前乗ったレクサスGSとも全然違い、そちらの方がレスポンスは良かったです。
加速はとにかく滑らか。
機械全体が暖まりきっていないようで、CVTのように変速感をまるで感じさせない=トルコンをスリップさせているのがよく分かります・・・。
エンジン音はやはり動き出しても滑らかで6気筒らしい上品さとも言えますが、BMWアクティブハイブリッド3の直6と比べて雲泥の差といえるほど味気がありません。どこか軽さすら感じます。
その聴こえ方は、ややこしい例えですが、トンネルの出入りで耳がキーンとなった状態で音を聞いてる感じです(^^;
★G'sチューンのシャシー(長文です…(笑))
そして肝心のシャシーです。
こちらも動き出してすぐに感じることができました。
ボディ剛性が高い!恐らくノーマルの比ではないでしょう。
外からの全ての力に対してボディ全体で受け止めている感じです。いつもながら思わず「おお!」と言ってしまいました(笑)
ステアリングのレスポンスも超正確。ダルさのダの字もありません。しっかりついてきます。それでいてクイックすぎることも全くありません。
重要なのはここからなのですが、この好印象な要素が乗り味にどう影響するのか。
そもそもこの印象とは絶対的なものではなく、乗り手の「乗り味」に対する物差しがどうあるかでガラッと変わると思います。
自分の場合は欧州車の乗り味が好みであり、それが基準となります。
その視点からいきますと、マークX G'sの乗り味は無味乾燥、味がありません・・・。
上記の2点で間違いなく好印象な部分はあるのですが、それが乗り味とか走りそのもの印象・深みにそれほど作用していない気がします。正直レガシィの方が味があると感じました。
矢のような直進性とか、スピードを出しても安心感が続くとか、BMWの試乗記で挙げた「お皿ごと前に運ばれていく感」という感性に訴えてくるものがないのです。
ここで、自分の感じたポイントを挙げてみます。
まず足回りですが、これはけっこう硬さを感じます。しかし決して不快なものではなく、19インチホイールを履いていることを考えると凄いと思いますが、段差に対してガツンときたときに強く思ったのが、「上手にいなされていないなぁ」ということです。
色々なパーツを付けたことによって各々で印象が良くなった箇所はあるのですが、それはマークXとしての乗り味を大きく越えるものではないということです。
つまり、G'sバージョンは質の極めて高いチューニングカーではあるけれども、欧州車と渡り合うものではないと。
そう考えると、G'sモデルとしてのエアロなどの全体デザインが過激というかいかにも手を加えましたという感じがするのは方向性がそういうものだからなのかなと妙に納得できました。
良い悪いでは全くなく、国産車のステージはここにありと、それを思い知らされたような気がしました。
そもそも「トヨタが走りにこだわり始めた」ということを「欧州車に近づくこと」と勝手に思い込んでいたのは自分ですが・・・(汗)
★ミッション
暖まってきたことを確認できても、やはりそこにダイレクトな印象はありませんでした。
負荷の状況によってはやはりトルコン滑りを使っており、マニュアルモードで変速してもメーター内の数字が変化するだけで、体感上もタコメーターの針にも変化はありません。アクセルを緩めてはじめて変速する、ということもしばしばです。
マニュアルモードもGSとはまるで違い、有意性を見出すのが難しいです。ノアG'sのCVTマニュアルモードとほぼ同じ印象でした。う~ん・・・。
☆総合印象
ここで書くことのほとんどをシャシーの項目で書いてしまいました(笑)
ただ、同じようなサイズのセダンに見えて、マークXと320・Cクラス・A4はものすごく違った作りがされているんだなと心底思いました。
以前から欧州車に乗って「これだけ高い意味はあるんだ!」と思ってはいましたが、今日まで自分の感じるままにホントにたくさんのクルマに乗ってみるとその違いがよりはっきりと染み入るように理解できた気がします。
マークXの試乗でこんな総論的な印象を持つことになるとは思っていませんでしたが。
クルマって本っ当に面白いですね!
Posted at 2012/11/11 15:08:12 | |
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