私が言う古い方は前顔の最終モデルのレンジャーです
今日は最近、煤焼きしなかったけど、久々に着いたと思ったら手動再生のランプで手動再生してたらチェックランプが点灯したって
ケースの故障診断です

フォルトはDPR系が二つ
排気差圧異常と再生時温度異常です
ログを見るとヤバい

DPRの両方ともヤバい値で通常だと
入り口で600度位、出口で500度位です
入り口とは酸化触媒の温度で、排ガスに混ぜた軽油を反応させて出口前にあるセラミックフィルター煤をとるフィルターの温度を上げます
温度を上げる事でフィルターに溜まった煤は燃えてほぼ無くなります。単純に炭と似た物って認識でいいです。ただ…多少は違う物が混じってますがそれは燃え残り最終的にはフィルター交換や洗浄が必要になります。
トラックの場合にはフィルターの温度が乗用車より低くても煤は燃えるのですが大体400度を超えると燃え出します
煤が燃えると温度が上がります
ある程度の量なら、その分の温度上昇も計算に入っているのですが、
自動再生中にエンジンを止めた、
手動再生のランプが点いたの再生しなかった等で許容範囲を超える量の煤が堆積してしまうと煤が燃える度の温度上昇を制御出来なくなります。この場合には工場でランプを消して温度を監視しながら再生して上がり過ぎたら止めるとか、ある程度煤を落として再生するかしないとダメになります
が、今回は指示に従ってたのに温度上昇によるチェックランプです
診断機で色々な数値を見て診断をしますが
アフォだと差圧だけ見て一過性と判断し強制再生して出庫します
ちなみに今回は差圧は異常な値では無いです
でもログの温度的に煤が堆積し過ぎて異常加熱してるので…
ここで、空吹かし、レーシングしてブースト圧を見てみると…距離的にまだまだイケイケのターボがヘロい死にかけみたいな圧しか出せません。VNTバリアブルノズルターボはターボの排気側の羽に排ガスの当て方を変えて過給圧を制御しますが電動アクチュエーターや内部破損でもブースト圧は上がらなくなりますが大体は60万キロは平気です。ウチの会社のは長距離はめちゃくちゃ長持ちします
早く壊れるとしたらエンジンオイルが安物とかメンテ不足です
コイツは結構ハイブーストが本来の姿なのでブースト圧が上がらないなら、DPRが詰まってて排ガスが抜けないってパターンが多いですので差圧センサーの値だけじゃなくブースト圧の上がり方もDPFの詰まりは予想出来ます

差圧センサーのマフラーから圧力センサーへつながるパイプですが煤で詰まってます
これでは正常な数値が出るわけないのですがある程度は圧力検知してしまうって謎
エアーブローでは取れない位固いのでワイヤーを刺して砕く必要があります
この差圧センサーがDPRの詰まり具合を監視してるので自動再生がされなくなったのはコレが原因です。
違う年式も基本的にこのようなパイプを使ってセンサーに繋がってますが定期的なインジェクタークリーナーの投入をしない等をするとなりやすいです(コレは重要)
でも、不調が起きないと短期間で差圧センサーパイプが詰まることは有りません
なので、そこを直さないと…リピートリペアになります。
どっかのDPFのリビルト屋だとDPFを掃除したら直りますって出鱈目をネットに上げてます。違うパターンだとインジェクターですね
イカサマボッタクリです
煤が多く出る理由としてはインジェクター不良がありますが全数では有りません
排気管にインジェクター(正式名称は排気管燃料添加弁ですが面倒なので排気インジェクター)あるタイプは従来までのと違ってメインインジェクターでの燃料噴射量は減ってます
ポスト噴射しなくても排気管に燃料入れたら良いじゃんって単純な事です。
ただ…システムとしては排気インジェクターが壊れても従来の様な事は出来るのですがこの場合には煤の発生量は増大します
排気管にあるNOXセンサーが不調でも燃料増加してしまうのですが…。ちなみにNOXセンサーは排ガス中の酸素濃度も測ってラムダプローブとしての機能もありますがパワーだけじゃ無くて、還元触媒が酸素濃度が高いと排ガスを還元浄化出来ないって方がメインですが大体のセンサー老朽化で燃料を増やす傾向にあります。
ただ、今回は別原因です
排気インジェクターの周りのデポジットが犯人です。

この写真で奥の上に凸がありますがコレが犯人の副産物の方のデポジットですがコレがレンガみたいです🧱
更に奥に…良い写真が撮れませんでした…時間も無いので一回撮り
下の先にも先の写真の様なのがあります
次は以前撮影した写真を使いますが

コレが排気インジェクターの土台になるとこですが煤が堆積してインジェクターが見えません。これでは排気ガスに燃料を送れませんが2番目の下側が先に付いて、インジェクターの周りの排ガスの通りが悪くなりインジェクター付近で燃えて煤
更にある程度の流れが有るけど、下のヤツのせいで最初のレンガの位置に燃料が当たる様になりまた煤堆積
で、排ガス中に行かねばならない燃料が足りないから、メインインジェクターで頑張って…煤発生の大連鎖
でDPRが詰まる
ってな感じです
一応、早いスパンでインジェクタークリーナー
(デポジットクリーナー…メーカーにより呼び方が変わる)を入れたら…なかなかならないのですが、煤焼き…再生をサボってたらすぐなります
メーカーは定期的な排気インジェクターを外して土台を清掃を言いますが…土台にはパイプで冷却水が通ってるので…ぶっちゃけ毎年なんかできるかボケって感じなんで…ダメなやり方ですが外しやすい、DPRとタービンの間の蛇腹パイプを外してどかせて、専用に作った引っ掻き棒、デポジット殺戮君初号機で掻き出しますが排気インジェクターを殺戮しないようにやります

エアーで飛んで行った分もかなりあるのですが…まるで木炭の様な塊があるのが、排気インジェクター付近の奴等です
DPRは簡易的にエアーブローで掃除して、
後は強制再生して温度を監視してみて…後は走ってもらい様子見です
とりあえずはこれでブースト圧が116最大が170まであがりました。
酸素濃度も変化しました
コレでダメなら次はDPRの分解清掃が必要です。
ちなみに、自動再生は定期的にしますが実際には、通常走行中も煤は少し燃えてます
これで自動再生の頻度を減らしてますが排気インジェクターが不調やNOXセンサー、メインインジェクター、EGR不調やらでソレが出来なくなると頻度が増大しますが最終的には…チェックランプです
軽微な汚れは燃料添加剤で落ちます
あと、いいエンジンオイルも煤が減りますし分解清掃や交換頻度を下げれます
単純な話、定期的なメンテは大事って事です
ウチの会社は…人手不足で原因追記やらが出来てませんでした。私が入って…やっと少し余裕ができたって感じです。
ちなみにインジェクタークリーナーも濃度や頻度がかなり大事です
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2024/08/07 21:19:35