さて、37年鰤に三沢へ行くことにしたのは何故か?
これがもう、念願かなってというか、飛行機好きなら誰しも憧れであり世界最高峰アクロチームの一つといわれる USAF(米空軍) Thunderbirds (サンダーバーズ.....ライトスタッフからパイロット名つながりな1号スコット、2号バージル、3号アラン、4号ゴードン、5号ジョン.....のトレーシー5兄弟な国際救助隊とは別!)が、極東ツアーの一環として5年鰤に飛来したからである。
しかも前回2004年の来日時は悪天候で全ての展示飛行がキャンセルされているからフルセットのデモが披露されるのは、なんと1994年のここ三沢ベース以来の、実に15年鰤にして日本の空では2回目という、航空ファンにとっては、まさに、まさにもう雄町してましたっ!というビッグイヴェントが少し前にアナウンスされていたのだから、これは何がなんでも絶対に見ておこうと。 :-)
#ちなみに、もう一方の雄ともいうべき USN(米海軍) Blue Angels (ブルーエンジェルス)は、過去たった一度しか来日していないのだが、なんとその1971年は帰国経由地の三沢で非公式ながらデモフライトを行っていて.....当時住んでいた私の鼓膜にはF-4JファントムIIの凄まじい爆音withアフタバーナが沁み込んでいるのである! 嗚呼、これで世代は違っていても『バーズ』&『ブルーズ』の双璧を脳の皺に刻むことになるのだから、山形から390kmの距離など全くもってノープロブレム!
今回のツアーでは、既に10/15は千歳で飛び、10/17の浜松も大盛況、そしていよいよ10/18(Sunday) が今回の日本公演における最終日となる三沢基地でのデモフライトなのだ。 さらに嬉しいことに、なんと松島から我らが JASDF Blue Impulse (ブルーインパルス)も参加しての競演とならば、なおさら見逃すわけにはいかず、ぜひとも網膜にその雄姿を焼き付けなくては.....である♪ ;-D
さて、前夜は思いがけず37年鰤に再会できた旧友たちと4次会まで呑んで&喰って某Pに停泊の母艦に戻った時刻は覚えていない。 シュラフに入ってぐっすり快眠.....が、明けてデモフライト当日の朝は、なんともう、まだ暗い早朝5:30amから周りは騒がしくなり、早くも車の往来が活性化してきているのには驚いた!?
う〜む、航空祭当日の混雑は凄まじいとは想像していたが.....うかうかしていられないと、ゴソゴソ起き出して身支度をし、コンビニで顔を洗い.....戻った車中で昨日仕入れておいた旨い朝食by『川守田パン』さん+バナナにてエナジーチャージ完了、6:00am過ぎにはCrMoロードな愛機(自転車)を駆っての朝ライドに出撃した。 何箇所かある市内の臨時駐車場は早くも埋まり始めていたし、ベース(米軍基地)の正面ゲートへ向かうメインストリートは開門までまだ数時間もあるというのに、路上駐車で待つ県外ナンバー車がびっしりと全く隙間なく並んでいる。 すでに、開門待ちの歩行者の列さえ、かなりの長さだ!?
いよいよここからが重要な偵察飛行と、前日に八戸道・折爪SAにて入手しておいたアクセス案内図とイヴェント予定タイムテーブルを再度確認し、ランウェイに一番近いゲートである「ファルコンゲート」の場所をチェックしておこうと、東北東に向け風を切って愛機ロードのクランクを回す。 ゲートに着くと、これまた早くも、うひゃぁ〜の混雑具合で驚くばかり。 :-0
続いて東進し三沢空港入口を過ぎ、さらに進路を北へ、朝練ウォームアップも兼ねて「青森県立三沢航空科学館」へと向かう。会館時刻の9:00にはまだ2時間もあるので、初の太平洋無着陸横断飛行を成し遂げた偉業のメモリアルをまずはチェック。
そして懐かしい第4航空団 Blue Impulse塗装のT-2はじめ屋外展示機群を駆け足でチェック。
をっと、ここでも、これまたすでに航空科学館も建物の前は此処から出る基地内滑走路方面へのシャトルバスを待つ長蛇の列.....とにかく、何処も彼処も凄い人の列と車の列である。 それほど時間もないので足早に写真を撮り、ここも離脱する。
再び北上にて一般車の入門ゲートに指定されている「ノースゲート」へ向かってみた。ところが、航空科学館から少し北へ走ったところで既に開門待ち県外ナンバの車列が見えたが、これがまた延々と数kmもの超大渋滞!?である。 それらの車のドアが急に開かれてはたまらないので、車列の右側を少し離れて愛機ロードを駆りつつ運動公園方面へ向かう。 T字路で右折して車列から離れ、少々のup&downがあり、気になっていた「三沢オートキャンプ場」の入口に到達。さすがに米国流キャンプ場の水準というか、手入れの行き届いた芝生が最高、まさに緑の絨毯だ。しかし意外なことにThunderbirds詣でに幕営しているパーティがほとんど見当たらない。普通に車でとなると、離れた航空祭会場へのアクセス方法と凄まじい混雑.....、たしかに考えてしまうか。
此処まで来るときの風向きと距離を考えると、そろそろか.....と取って返すことに。ちょっと雨が心配な空模様ではあるが、朝のトレーニングとして、けっこうなペースで風を切って疾駆するのは実に爽快、やはりロード自転車は最高だ♪ ;-D
ゲートの開門時刻が近づいてるので、弱い向かい風の中を愛機ロードで再びファルコンゲートへ向かうと.....さらに長蛇の列に膨れ上がっている! 基地内には自転車やスケートボードの類は持ち込み禁止なので、ゲート脇のフェンスに自転車をワイヤ錠でロックしていると、MTBでやってきた青年から声をかけられた。最近ロードにも乗り始めたらしく、こちらのレーサパンツ&ニーウォーマ+半袖ジャージにアームウォーマ+ウインドベストという初秋装備のウエアリングが本格派に見えたのか、「だんだん秋も深まって初冬にかけては、レーパンだけぢゃ寒いですよね? ロード乗りの皆さんって、これからどんな格好で走るんですか?」と興味津々で訊いてきた。 ここで「厚地のレッグウォーマやタイツとのレイアリングとか、Windblock素材の冬用尻パッド付き長パンツ活用とか、工夫して雪が降るまで楽しめますよ〜!」などと、しばし自転車談義.....やはりロードはちょっとしたブームなのかと感心してると、いよいよゲートがオープン! 勇んで並び、門に立ってる若い男女の米軍兵士と笑顔で朝の挨拶を交わしながらファルコンゲートから入場し、主展示場の滑走路前エプロンへ足早に向かった。
東側から徐々にメイン会場に近づいて行くと、をぉ、垂直尾翼の列が見えてくる。久し鰤に見る軍用機の群.....ミリタリマニアでなくとも、その性能追求の結果がもたらす機能美に興奮してしまうのは航空ファンの証か。 人の波を縫って滑走路前の最前列に向かうと、遂に白地に青基調の Blue Impulseの機体が列び......そして、その向こう、遂に白地にトリコロール・ストライプにスターズをあしらい腹部にはアメリカ先住民の不死鳥モチーフが描かれた Thunderbirdsの機体が.....実に凛々しく整列しているのが目に入ってきた!
デモフライト開始まではまだまだ時間があるので、各種グッズ販売ブースをチェック.....しかしグッと我慢で、結局は何も購入せず!? 懐かしい&旨そうな匂いの漂うフードコーナも一通りチェックはするものの、なんだか醒めている自分に気づいてしまう.....なぜだろ!? まぁ、いっかと、会場西側の大型機群へ向かい、初めて見るC-17 グローブマスターIII .....をぉ、主翼端の大きなウイングレットが今風&印象的なフォルムだ。
ここから、ゆっくりと歩きながら米軍展示機群をチェックし、Thunderbirds達の正面付近へと進む。
やはり、早くも最前列では、バズーカ砲のような巨大な超望遠レンズを装着したデジタル一眼レフ高級機を構え、エアバンド受信機のイヤホンを耳に捻じ込んだ連中の場所取り合戦が始まっている!
いやぁ〜、それにしてもブレンデッドボディなLWFのF-16C ファイティング・ファルコン、なんともはや機能美の極みに加えてThunderbirdsのコスチュームが実に格好いいっ。この時点では複座の機体が機列中央にあったが、やがてこれまた揃いの塗装を施されたトーイングトラクタに牽かれ移動.....などを眺めていても一向に飽きない♪
さて午前中では一番の注目デモ、中等練習機 T-4 ドルフィンにて大空を翔る我等が Blue Impulse のフライト予定時刻10:10だ。残念ながらの曇り空だが雨の心配はなさそう.....イントロのアナウンスがあり、パイロット搭乗前の一連のセレモニからデモンストレーションの開始だ。 やがて待望のエンジンスタート! 石播製F3-IHI-30ターボファンエンジンの控えめなサウンド♪ さぁ、いよいよ一列になってタキシング、スモークチェックの後take-off!!!
ファンにはお馴染み、4機編隊&ツインソロでの優美なデモフライト.....、昔のT-2時代に比べると過去のアクシデントがあったせいで垂直系の演目が少ないのだが、しかし侘び寂びの渋い演技というのも実に佳いではないか♪
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ただ惜しむらくは、途中でソロ6番機がマイナトラブルらしく、大事をとって途中離脱で降りてきたりと間延びしてしまったし、本来6機でのデルタ編隊が片翼空席の5機編隊というのも残念。But、錬度の高さが伝わって来る流石のデモンストレーションではあった。 ;-)
インタールードの間は、Jr.の地上での微笑ましいデモ.....。
さらになんと、C-17 グローブマスターIIIがSTOL性能を見せつけるtake-off、そして巨像が大胆な高機動飛行.....で、未舗装滑走路900mにすら可能なlanding&急制動+超強力スラストリバーサによる後退!?のデモも圧巻で、これには観衆から大きなどよめきが起きるほど!
さてさて遂にThunderbirds、今回最大の目玉デモ予定時刻12:40だ。メタル系ロックサウンド&ナレーションが専用のPAから流れ始め、ここから全てが別次元のshowの始まり......。
現役戦闘機F-16C ファイティング・ファルコンを駆る最強アクロ飛行隊Thunderbirds、パイロット搭乗前のセレモニからtake-offへのタキシングに向かうまでで既に期待&興奮をピークに導く心憎い演出.....エンジンスタートからタービン回転数を徐々に上げてGE製F110のサウンドをこれでもかと堪能させてくれる。 ブレーキリリース、いよいよリーダを先頭に1機ずつ順にタキシングにてランウェイへ向かう.....。
爆音を轟かせながら離陸、すぐさま圧倒的な上昇力と機動性を見せつけるように次々と演目を披露してくれるのだが、とにかくテンポ良く4機編隊&2機ソロの演技が波状攻撃的にデモされるので全く飽きないのが凄い! 編隊もダイアモンドからエシュロン、また時に集合して6機でのデルタと変幻自在、もう写真なんか撮ってる場合ぢゃないほど興奮しっ放しだ♪
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それにしても、この時を待っていたかのように青空ものぞく中、完璧なまでにショーアップされたBGM、ナレーション、グランドクルー達の動き.....そして圧倒的なパワーと驚嘆のマニューバビリティ!!!!!
あまりにも凄いとしか言いようがない、完璧なまでの飛翔.....まさに背中ゾクゾク、溜息ものだった♪ ;-D
#なお帰路には、にわか雨は降るわ、極超大渋滞だわで、もう閉口.....なんと26万人の観客と発表されていた。 とにかく10/17から他県ナンバ車(をっと私もだが.....)がウヂャウヂャ〜三沢市内は。
いやはや、とにもかくにもメチャ圧巻、最高であった.....。 ;-)