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soundproの愛車 [アルピーヌ A110]

整備手帳

作業日:2019年9月25日

FOCAL新フラッグシップ☆Utopia Mでアルピーヌをサウンドアップ♪

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目的 チューニング・カスタム
作業 ショップ作業
難易度

上級

作業時間 12時間以上
1
アルピーヌA110の室内です。

もともと独立した企業だったアルピーヌは、1973年にルノー傘下に入り、アルピーヌ・ルノーとして歩み始めましたが、1995年に同ブランドの車種が消滅。以来、ルノー車の生産拠点となっていましたが、2017年になって、アルピーヌ創業当時のブランドだった「A110」を復活させることになりました。

1970年のモンテカルロラリーで優勝を飾ったA110の流麗なスタイリングをモチーフに復活したこのクルマは、オールドファンはもちろんのこと、新しい世代にも受け入れられているようです。

お察しの通り、そんなに登録台数が多くはなく、お値段もお高めのA110ですが、当インストールギャラリーに2台目のご登場となりました(^o^)♪
本年(2019年)3月に初登場のこちらのA110のエントリをご覧いただいてお問い合わせいただきまして、あれこれプランさせていただき、めでたくご用命いただきました。

システムは車両のマルチメディアシステムをソースとして、DSPアンプ、2wayスピーカーに薄型サブウーファー2つというシンプルな構成ですが、ハイエンド商品で固めましたので、パフォーマンスもお値段もゴージャスな案件となっております。




○まずフロント2wayのスピーカーユニットは、フランスの老舗フォーカルのUtopia Mからセレクトしました。
Utopia Mは、同ブランドを牽引してきた孤高のフラッグシップモデル「Utopia Be」と並んで、フォーカルの新時代を切り拓くべく登場した「準フラッグシップ」に位置づけられる新モデルです。

同社が特許を持つM型の断面を持つ振動板が外観上の特徴です。
「性能は外観に現れる」との例えの通り、大口径のコイルを構造材として活用した、極めて高いねじれ耐性をもつ振動板と、強大なマグネットによる直進性と駆動力の高さから、「究極のフラット特性」を評価ポイントに挙げる方は少なくなく、フレンチブランド=ヴォーカル上等といった伝統的な評価枠を超えて、ハイパーオールラウンダーとしての地位を固めつつある製品です。
(そうじゃなきゃ、この高額商品をデモボードに入れられませんです(`・ω・´)マジ)

Utopia Mはオール単品の「アラカルト」を主軸に、ネットワーク付き2wayモデルひとつを加えた商品構成になっています。
アラカルトのラインアップは以下で、今回お選びいただいたユニットはTBMと6MWです。
・34mmトゥイーター(TBM)(16.5万円/ペア)
・87.5mmミッドレンジ(3.5WM)(5万円/個)
・165mmウーファー(6WM)(15万円/ペア)
・200mmウーファー(8WM)(10万円/個)
・250mmサブウーファー(SUB10WM)(12万円/個)

○この世界の名歌手を駆動するDSPアンプはイタリアの老舗audisonのPrima AP F8.9bitです。
商品タイトルが既存の製品と大差なくて、いまいちアピール力にかけてますが、既存のAP 8.9bitにForza(チカラ)の「F」がついた新製品です。

サブウーファー用プリアウトを含む9ch分のプロセシングができて、内蔵アンプを8基持っている点は兄貴分のAP 8.9bitと同じですが、アンプ出力が一つ45W→85Wに大幅パワーUPし、ハイレゾ光入力対応も果たして14万のプライスで登場しました。

○老舗ブランドDSPの指揮で、UtopiaMの名演を支えるサブウーファーは本邦代表、カロッツェリアのTS-WH1000A(50,000円)です。
一般的な振動板を持つスピーカーは、振動板の背面に直付けされたボイスコイルのタテの動きによって直接動作させますが、この製品の場合、振動板の後ろにパンタグラフがあり、それを挟むように水平に向かい合わせに配置された一組のボイスコイルのヨコの動きを、パンタグラフによってタテ方向に変換して駆動させる仕組みになっています。

このメカニズムのおかげで機構部がコンパクトで、製品厚みが4.5センチと超超薄型に仕上がっています。
腕相撲のように支点を介して振動板を揺らすので、ストロークは浅めです。力任せにブンブンするのではなく、ハイトルクで正確に揺らすことができるので、音的には未体験の特性をもっています。職人仕事で思わぬ距離まで低周波をまんべんなく届けるタイプなので、全くといっていいほど存在感はありませんが、思わずあたりを見回してしまうような異様な広がりを演出してくれます。
よって、ヒップポップのようなズンドコ超タテノリ系以外なら幅広くマッチしますが、特に空間表現が命のクラシックやしっとりしたヴォーカル系には無二の相性を示す製品です。




お客様の満足度というのは、期待とサプライズとのギャップで決まってくるのかなぁ。なんて思います。
スピーカー込みで10万円台前半と、比較的少額で済むサウンドアッププログラムによるスピーカー交換だと、よほどのことがない限り、おっ♪となる勝率はかなり高いのですが、高額案件になってくると、「こんなに出してこんなもんかいな?」のリスクが上がってくるので、状況は厳しくなります。

その点、今回は車両価格の10%を超えるレベルのシステムでしたので、少々手に汗にぎりましたが、逆にこちらの想定を超えるくらい、言葉、表情、ジェスチャーと全身で感動を口にしていただき、本当ーーーーにホッと一息。とても芳しい展開でした♪

それでは施工の様子をどうぞご覧ください。
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接続概要図です。
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それではドアの外観からチェック。

待望のアルピーヌブランド、待望のA110復活を祝して?トリコロールが誇らしく輝いております。

ボディと全くの同色を室内に取り込むと、色目に関係なく派手な印象になるものですね。
単に同系色というのではなく、ほぼ同じ質感で塗ってあると特に。マツダのロードスターなんかもそうですね。
派手な白。かっこよしです。

前回のA110でも絶賛しまくったのですが、このクルマはスピーカーグリルがめちゃカッコよいですね。
前車では、ここをLEDでライトアップしたのですが、外観は純正のまま、たっぷりと光があふれ、カスタム製作を超える完成度に震えました!

今回はここに、Utopia Mのマーブル調の振動板がシックに収まっております。

なお、フロント2wayのうち、ツイーターはダッシュボードの奥にレイアウトされています。
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インナーパネルが終わったところです。

バッフルにUtopia Mの6インチウーファー6WMが座りました♪
ホワイトバーチで制作したバッフルは、オリジナルのスピーカーのフランジ部分から型取りしているので、厚みも大きさも全く同じです。

バッフルの内側については、フォーカルご自慢の振動板に余計な負荷が生じないよう、手前から奥に向かって内径が広がるテーパー形状としました。
さらに、前述の通り、表面を整えるためにアルミガラスクロステープを貼っています。
ご説明の順序が逆になりましたが、全体の黒色は、基本的な防水のために使っている、プライマーサフェーサー塗装によるものです。

今回の6MWのように、特にポテンシャルの高いウーファーの場合、一段目のブラケット部分も含めて、一体型バッフルの方がベターなのですが、ネジで戻せない純正部品の取り外し・加工はNGでしたので、条件の範囲で最善を尽くしました。

防振の方は、デッドニンググレードですのでご覧の通りの全面貼りですね。
素材はサイレントコートです。
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ツイーター取り付けの状況です。

ドアウーファー取り付けの説明でも触れましたが、もとに戻せない加工はNGですので、標準のツイーター設置位置で造作しました。

左下の囲みが標準の状態です。(画質が荒くてすいません)
ダッシュボードに空いた穴に、角度をつけたマウントを使って取り付けてある格好ですね。

標準ツイーターの位置、角度を踏襲して取り付ける発想もありましたが、Utopia MのTBMはフランジ部分が広いため、フロントガラスとのクリアランスが十分に確保できませんでした。
ダッシュボードの穴に上方から差し込まないといけないので、工法的にも無理があるし、デザイン的にも窮屈な印象になりますので、これはパス。
そして写真のように出来上がりました。

さつまいもの2面をカットしたような造形のマウントです。
骨材とパテで成形し、シボの入った合成皮革を貼って仕上げています。
固定については、標準の穴でしっかり留まるように、奥側に爪を付けてあります。加えて、手前の接触面は両面テープで留めてあります。
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冒頭でふれましたように、振動板駆動部分の独自機構(HVT方式)のおかげで、製品の厚みが45ミリ!!と激薄なので、まるで貼り付けたようにおとなしく収まっております。

接続について説明しときます。、
DSPのサブウーファー出力は大概RCA1個のモノラル出力です。
それに対して、サブウーファーユニットの方は、モノラルで使用する場合でもL/Rの2つ入力する必要があるので、二股に分岐させるのが一般的なつなぎ方です。
そして今回の例ですと、サブウーファーは2基ですので、DSPから出る段階で2つ(2基分)にわけ、さらにそれぞれのLRに分けて、末端が4つになるような2段階の分岐になります。

音の方は、冒頭でお伝えしましたとおり、従来のパワードサブウーファーとは似て非なる世界ですね。
ヒップポップのような低域を強調させた表現は正直、不得手ですが、サブウーファー本来の役割である音場の広がり、倍音効果の演出といった点では、これ以上のコスパが出せる製品は無いと思っております。

用語の解釈は時代とともに変遷しますので、現代のサブウーファーは、ボディソニック系といいますか、ズンズンした低域の迫力を楽しむような解釈が主流のようです。これはこれで時代の正解です。楽しいです♪

ただ、もともとは中低域担当ウーファーが再生しきれない超低域を出して、全体とまとめる役割でした。よって、それ自身が主張するようなことは決して無く、ハイファイ的には「鳴ってるのがわかったらダメッ!」なんて評し方もあるくらいです。

通常、超低域部分を出そうとすると、大きな振動板を微細に動かす方法しかありませんでした。デカイものを微細に動かす(出す・止める)には消費電力のおおきなアンプが必要ですので、システムとしてはだいぶ大掛かりになります。

その点、このTS-WH1000Aは、HVT方式という新機構によって、異様にコンパクトな筐体で、いとも簡単に超低域部分を出せるので、実にスマートにサブウーファー本来の仕事をしてくれます。

再生周波数は20hz~200Hzと低めなので、使い方としては、ウーファーとのクロスポイントをぐっと低めに設定して、担当帯域を下げた使い方が合っていると思います。
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いきなり逆立ちですいません。最後はDSPアンプです。

audisonのDSPアンプ、Prima AP F8.9bitは、助手席キックボードの奥に設置しました。
手前に見えるのが、フットレストパネルを支持するステーです。

写真だとちょっと不安定に見えるかも知れませんが、奥側はちゃんと固定してあります。
また、フットレストパネルは堅牢なアルミ製の大型なので、つま先でつついてしまう心配もありません。
(パネルは1カット目の写真に写っています)

接続については、8つある85W出力の内蔵アンプをフルに使っています。
このDSPはプリアウト1chを含む9chまでのプロセシングができるので、単純にいえば、8つスピーカーと、一つのサブウーファー(今回のように分岐可)が個別制御できるわけです。

今回、サブウーファー以外に必要なアンプのチャンネル数は、両ツイーターと両ウーファーの合計4chです。
よって、一対一で繋げると4chあまりますので、2ch分を一つにまとめる「ブリッジ接続」をおこなって、全アンプを使い切っています。
出力的には260W x 4ch (4Ωブリッジ) となります。

当機にインプットする信号は、車両のマルチメディアシステムの出力のみですので、日常的にDSPを操作することはありません。
操作は通常通りで、音だけが異様にグレードアップしてる感じですね(笑)

なお、F8.9bitになってから、光コネクタによる 192 kHz / 24 bitまでのハイレゾ信号入力にも対応しましたので、入力したいソースに応じて変換デバイスを用意することで、デジタルソースを楽しんでいただけます。
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今回はアルピーヌA110のサウンドアップ事例を御覧いただきました。

特に今回は、フロント2wayスピーカー中心に高額商品を盛り込んでいますので、総予算は100万円を超えています。
折に触れてお伝えしておりますように、音質向上のためのファクターの優先順位は、①まずドア防振、しっかりしたスピーカー取り付けといった環境整備が重要で、②スピーカーユニットの良し悪しはその次、③さらにデッキ・アンプ類の機器はさらにその後という順なので、モノが良ければ or 高いものをつければいい音が出るというわけではありません。

今回は、ドア周りの環境整備もしっかりやらせていただきましたので、Utopia Mのポテンシャルを引き出すことが出来たと思います。

冒頭でも触れましたとおり、ジャンルを問わず、かなりハイレベルの再生をこなせる名機だと思います。2wayで315,000円と値が張りますが、コストパフォーマンスの点では、十分に妥当、あるいは少々割安かも知れないと思える製品です。
ハイファイを極めたいお客様には、後悔のない選択になるものと思います。
デモボードでもご視聴いただけますので、どうぞ聴きにいらしてください♪♪



カロッツェリアのパワードサブウーファーTS-WH1000Aについても再度触れておきたいと思います。
金額は50,000円と常識的ですが、通常の製品が出来ないことが出来るユニットです。超低域が出せると、こんなに広がりがでるのか。と驚いていただけると思います。

上述の通り、一般的なパワードサブウーファーのようにブンブン系は不得手ですので、低域側もそこそこ出るウーファーと組み合わせ、クロスポイントを低めに設定して、静寂感や奥行き、広がり感をお楽しみいただきたいと思います。

また、既にサブウーファーがある場合でも、スーパーサブウーファーとして加えていただいて、音の裾野を広げ、全体の質感を高めるような使い方もアリです。こちらもどうぞご検討ください。

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