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soundproの愛車 [BMWアルピナ B10]

整備手帳

作業日:2023年1月28日

アルピナB10をスピーカー交換+新型DSPアンプでリフレッシュ♪

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目的 チューニング・カスタム
作業 ショップ作業
難易度

中級

作業時間 12時間以上
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BMW・アルピナB10 3.2の事例紹介です。

アルピナというブランド(会社名)は、輸入車好きならもちろんのこと、ちょっと車は好き。程度の方でも耳にしたことがあると思います。
同社は、ポルシェ・フォルクスワーゲンと並ぶドイツ車の雄、BMWを専門に扱うチューナーで、設立は1965年(昭和40年)です。

同社が手掛けた車は、B3、D3といったローマ字一文字と数字でモデル名が付番され、2000年代初頭までは、その後に「0.0」と小数点以下1桁を含む排気量を示す数字が付ける様式をとっていました。昨今では、排気量を示す数字はなく、BITURBOといった装備名を付すパターンに変わっています。
ローマ字の意図するところは、Bがスポーツモデルで、DはBに比べてマイルドなスポーティーカーくらいの位置づけのようです。その後の数字は2から12までに分布してるようですが、付番のルールはイマイチわかりません。

前置きはこの辺で終えたいと思いますが、アルピナは、(1)もともとタイプライターを製造する、バイエルン州の事務機器メーカーだった点と、いつから始めたか定かではありませんが、(2)ワインの製造販売も手掛けている点は、トリビア(死語)として押さえておきたいと思います。


今回ご紹介するのは、B10 3.2の事例です。
B10は、BMWの5シリーズのうち、1996年から2003年に渡って製造されたE39型をベースとして開発された車両で、2800ccの528iベースが「B10 3.2」あるいは「B10 3.3」、4400ccの540iベースが「B10 V8」と命名されています。
今回のは528iベースのB10 3.2。5シリーズのボディなのに5速マニュアル!めちゃ盛り上がります♪

オーナー様は、中古でご購入後、しばらくお乗りになられていたようですが、フロントスピーカーの片方が鳴らなくなったので、早々になんとかしたいとお思いになられたものの、出来ることなら、以前の愛車から外しておいた馴染みのあるスピーカーを使いたいと思い、インストールしてくれそうな店を探していらっしゃったそうです。

当店にご連絡いただき、早速システム構成の確認と、音が出ない原因探しをさせていただきました。

それでは施工の様子をどうぞご覧になってください。
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【もともとのシステム構成】
・純正フロント3wayのうち、ツイーターとウーファーがJBL製ユニット(GTO)に交換されていた。(中域のスコーカーは結線されておらず)
・その他のセンタースピーカーとリヤスピーカーは変更なくそのまま。
【トラブルシュート】
・純正デッキは問題ない様子。
・スピーカー結線、接触も問題なさげ。
・純正セパレートアンプの出力が片方出てませんでした!

以上を踏まえて、プラン考察です。
純正アンプの修理も可能ですが、最善でも純正の性能を回復できるだけにしては、満足度の算定ができないくらいの予算がかかるのはわかりきっているのでパスです。

BMWらしい、バウハウスな質感をたたえた純正デッキの立場は尊重しつつ、コスパ重視でいこうということで、以下のようにプランしました。
・純正デッキのスピーカー出力信号(フロント)を10chDSPに入力。
・フロントについていたJBLの2wayをお持ち込みのeiju(エイジュ)製13センチユニットに交換。
・フロントについていたJBLツイーターもeiju(エイジュ)製ユニットに交換。
・フロントから外したJBLのウーファー2台と、別途お持ち込みのeiju製16センチユニットの計4台を使ってサブウーファー(ボックス)を作る。
・10chDSPによって、フロント2way(4ch割当)とサブウーファー(4ch割当)をマルチ運用!

という事になりました。
当コーナーの通常の紙面構成では、各コンポーネント紹介をさせていただくところですが、今回の使用コンポーネントのうち、スピーカー群はすべて型落ち製品ですので、DSPアンプだけご紹介したいと思います。

◯DSPアンプ
μDIMENSION(ミューディメンション)のDSP610AB(税込132,000円)を使いました。

μDIMENSIONは、ロックフォードフォスゲイトやグラウンド・ゼロといった海外有名ブランドの代理店として知られるイース・コーポレーションが展開する独自ブランドです。
現状ではパワードサブウーファー(2種)と、DSPアンプ(2種)が2トップで、今回のDSPアンプは今年(2022年)の8月に出たばかりの新製品です。
DSPアンプのスペックを語る時、(1)プロセシングできるチャンネル数、(2)内蔵アンプのチャンネル数がきて、(3)プロセッサのブランドと処理速度、(4)D/A A/Dコンバータのブランド、(5)入力系統のバリエーション(6)プリアウトのバリエーションといったところが注目されます。

今回のDSP610ABを見てみると、10chまでプロセシングできて、10chのアンプを内蔵しています。
これだとフロント3wayとリヤ、センタースピーカーも鳴らして、プリアウトでパワードサブウーファーまで鳴らせるので、殆どのユーザーのニーズを満たせそうです。
さらに目を引くのはアンプで、小型DSPやアンプで一般的なD級動作ではなく、音質的なアドバンテージが高いとされているAB級動作のアンプを備えています。定格出力は(1-8chまでの8ch):35W×8(4Ω)50W×8(2Ω)/(9-10chまでの2ch): 80W×2(4Ω)120W×2(2Ω)240W×1(4Ωブリッジ)です。

入力についても、ハイレベル6ch/ローレベル2ch入力に加えて、光ケーブルと、同軸ケーブルで入れられる他、ブルートゥース受信にも標準で対応しています(別パーツ購入必要なし!)

今回はフロント2wayの各チャンネルに4ch、特性サブウーファーの4ユニットに対してもこれまた4chと、合計8ch分のアンプを割当てました。

上記を持って、車っぽさを色濃くのこしたE39型アルピナのサウンドアップが叶いました。
DSP調整による、フロント2wayマルチの音のレベルの高さはもちろんのこと、小気味好いスピード感&フロアを包み込む深い伸びの両面を満たす、シールド&バスレフのハイブリッド・サブウーファーの効果も相まって、単なる持ち込みユニット再利用によるコスト低減を大きく超える満足感をご提供できたと思っています。
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それではフロントドアの外観チェックからです。

専用ファブリックの織柄がいい感じ♪
さらにAIRBAGの文字は刺繍です。ミシンを使ってるにしても、人間が関わってるぬくもりが感じられる気がします。

スピーカレイアウトは、ミラー裏にツイーター、ドア上部の送風口の手前にスコーカー、ひざの辺りにウーファーという構成になっています。
純正アンプからの出力は、(1)ツイーターとスコーカーが1系統(1ch)でつながっていて、(2)ドアウーファーに別途1系統が割り当てられています。

冒頭で触れましたように、純正ケーブルを活用して、社外(JBL)の2wayに交換されていたわけですが、(1)のライン上にツイーターとスコーカーの両方がつながったままだと具合が悪いので、スコーカーをキャンセルして、ツイーターのみ鳴らしていたものと思われます。

今回は、フロント2way(4ch)ならびにサブウーファーの4chの全てにおいて、新規にケーブルを引き直して、音質アップ(伝送ロス低減)を目指します!
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ドアトリムを外した状態です。

目的を最小限の手間で終わらせるべく、ベリベリっとやった感じですね(笑)
もうちょっときれいにやらんかなぁ〜。とつぶやいてしまったのは内緒です。

純正だと、たしか13cmのスピーカーがドア内装に設置されているのですが、この車が市場の真ん中にいた頃は、アルパインからバッフルが発売されていました。

ググってみたら、発見しました。これですね。
BMW 5シリーズ(E39)用アルパインインナーバッフル KTX-B171B

往時は、このバッフルを使用せずに、プロショップオリジナルで制作していたのが懐かしいです。
国産17cmまでのサイズのスピーカーまででしたら、問題なく取り付けが出来ます。
もちろん今でも当時の型を保管している(!)ので、同じようなものを作ることができます。

左に見える黒いのはエアバックのインフレーターです。最近の軍の装備品のような物々しいのに比べると穏やか&コンパクトですが、当然、取り扱い注意ですね。
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アウターパネルの作業が終わったところです。

配線引き込みとアウターパネルの防振のために、スポンジシートをはぐった状態です。
スポンジシートは大概、全部剥がしてしまいますが、このクルマの場合、単なる平面のシートではなくて凹凸のある立体成型になっているので、あとでインナーパネル側の防振材を貼る際のガイドラインとして活用すべく、また元に戻す想定で「はぐった」状態でぶらぶらさせています。

スピーカーの土台となるバッフルは、3点止めです。ボルト穴は赤矢印で示した3点なので、左下は相対的にブレに弱い構造になっています。
今回はもともとついていたアルパインバッフルを活用しますけども、カスタム製作する場合は、カタチと素材の厚みを調整して、全体的な強度を向上させます。
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インナーパネル側の防振に移る直前の様子です。

バッフルを戻して、ベロンと垂らしていた下半分のスポンジシートを戻します。
バッフルから
この場所はポケットになっており、形状を防振材で作るのは窓ガラスとの干渉があるとガラスにブチルが付着してしまったりするので、スポンジを最大限利用します。

ただ、スポンジはあくまでも「骨」であって、防振材が完全にスポンジの外周の内側に留まってしまっては、超カンタンに剥がれてきてしまうので、スポンジの外側でできる限りトリミングして小さくし、かつ、シートとインナーパネル(スピーカーホールの周囲)が密着するように、新たにブチルゴムをモリモリして、ビターっとくっつけました。(バッフルの周囲も同様に)
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インナーパネル側の防振が終わったところです。

上述のスポンジシートのエリアを完全に上回り、かつ、インナーパネルのいっぱいいっぱいまで貼り尽くしています。

前カットで触れたように、スポンジ部分はポケットの背面にあたるため、スポンジシートで表現されていた凹凸を丁寧にトレースする必要があります。
ベターッと一枚で全面を覆ってから、要所を凹ませるなんて横着なやり方で済むのなら楽ですが、こういう材料はそこまで伸びませんので、かなり細かく切り分けながら面づくりしています。(できれば拡大して見てやってください。インストーラーの江口くんの苦労が報われます♪)

芸術的な防振作業が終わったら、エアバッグのインフレーターを戻してスピーカーを取り付けます。
なお、アルパインバッフルは16-17センチ用なので、eijuの13センチをつけるために、「小径変換バッフル」を作って調整しています。
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今回はアルピナB10 3.2のオーディオグレードアップの事例のフロントドア編をご覧いただきました。
次回は、ドアに設置されているツイーターと荷室に設置したサブウーファーとDSPについてご案内いたします。

ご連絡いただいたキッカケは、片側から音が出ない不具合で、その改善にあたって、手持ちのユニットを活用できれば。。というくらいのテンションでしたが、当店が提示させていただいたプランに気持ちよく乗っていただいたおかげで、素晴らしい音像を表現できるオーディオシステムを成立させることができました。

DSPは(ちょっと熱は持つけれど)音質的なアドバンテージがおおきなAB級動作のアンプを内蔵してる点がウリのμ-DIMENSION DSP610ABを使いました。
新しく出てきた製品が常にベスト。。とは言いませんが、これはなかなか顔のある製品だと思います。
アンプの性能もそうですが、フロント3way+リヤ、サブウーファーまで余裕で飲み込むチャンネル数の多さ、最大96kHz/24bitまで対応する必要十分なサンプリングレート、別売り対応も少なくないブルートゥース接続インターフェースも込みで税込132,000円というリーズナブルプライスですから、幅広いお客様に支持されるわけです。
最近はだいぶ評判が浸透してきたようで、スピーカーは決まってないけどDSPは指名買い!というパターンもチラホラ出てきました。

あと、今回のなにげの目玉はサブウーファーボックスでした!
特性の違う2系統のエンクロージャーを組み合わせて、音場の規律をきちっと整備することで、フロントの2wayユニットの孤軍奮闘だけでは到達できないパフォーマンスを引き出すことができます。ちょっと場所が必要になりますが、向こう側の景色を眺めてみたい方は、ぜひご検討ください!

ネオクラシックなクルマのスピーカーリフレッシュから、DSPを含むフルオーディオまで、ご希望とご予算に応じて柔軟にプランさせていただきます。
どうぞお気軽にご相談ください♪♪
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