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soundproの愛車 [ランドローバー ディフェンダー]

整備手帳

作業日:2023年9月23日

ディフェンダー110をDSPアンプ&2wayスピーカーでシンプル・サウンドアップ

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目的 チューニング・カスタム
作業 ショップ作業
難易度

中級

作業時間 12時間以上
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ランドローバー・ディフェンダーの事例ご紹介です。

ランドローバーはイギリスの高級4WDを専門とする自動車メーカーで、現在はインドのタタ・グループの資本下にあります。
当初のランドローバーという名称は、会社の社名として成立したわけではなく、過去イギリスに存在したローバーモーター社(1904年-1967年)のオフロード向け車両である「ランドローバー・シリーズI」というモデル名を起源としています。

そのシリーズIはシリーズIIIまで進化を遂げましたが、親会社(ブリティッシュ・レイランド社)の再編に伴って、資本が次々と入れ替わり、ローバーグループ>ブリティッシュ・エアロスペース>BMW>フォード>タタグループといった変遷を辿って今に至ります。

前述の通り、ランドローバーは高級4WDを専門としており、現在(2023年)のラインアップは以下のようになっています。
レンジローバー(1970〜・現在4代目)フラッグシップ
レンジローバースポーツ(2005〜・現在2代目)スポーツツアラー
レンジローバー・ヴェラール(2017〜・現在初代)
レンジローバー・イヴォーク(2011〜・現在2代目)コンパクト
ディスカバリー(1989〜・現在5代目)中核モデル
ディスカバリースポーツ(2015〜現在初代)コンパクト
ディフェンダー90/110/130(1990〜2016・2018・2021年・2019年〜現在)ランドローバー・シリーズ III の後継

今回登場するディフェンダーは、上の表の最下行にあるように、初代ランドローバー・シリーズIの直系にあたるモデルです。
シリーズIがII→IIIとモデルチェンジした後、ランドローバーに改名して90→110→127(のちに130に変更)とラインアップを増やし、その後「ディフェンダー」に一本化され、2015年に生産終了を迎えた後、2019年にフルモデルチェンジ車として復活しています。

英国車あるあるで履歴がフラフラしていて、門外漢にはちんぷんかんぷんですが、結局のところ、現在はディフェンダー90/110/130の3グレードが発売されています。

2015年までのディフェンダーは、クラシカル・オフローダーそのもののの、無骨を極めた内外装が特徴でしたが、再デビュー後の現行車は、丸目のLEDリングを配した今っぽいヘッドライトに、生活感が全く感じられないダッシュボードと、あたかも最新の電動車のようなキラキラ☆した輝きを誇っております。


今回ご登場いただくのは、ディフェンダー3兄弟のうち、ミドルサイズとなる110です。

フロント2way+リヤの6スピーカーという標準オーディオの音に飽きてしまわれたのか、音質改善を図りたいということでメールでご相談いただきました。
その後、お店にご来店いただき、デモボードで軽く視聴していただいて、BLUE MOON AUDIOのAX165の音がいいな♪と感じていただいたところから具体的なシステム検討がスタートしました。

ただ、AX165はツイーターが大きく、Aピラーへの取り付けに際して埋め込み加工が必要になるため、トレードインが比較的容易にできるSX165でもいいかなと妥協しそうな一瞬もありましたが、いやいや、やっぱりAXの音が欲しい。ということでAX165に確定しました。

此処から先は、このスピーカーをどうやって良く鳴らしてやろうかとノリノリモードに入り、(1)当初は想定していなかったDSPアンプの投入により、フロント2wayのマルチ接続となり、(2)楽にいい音でスマホ内の楽曲ファイルが聴けたらいいなということで、ハイエンドブルートゥースレシーバーの追加と、次々に見積もり欄が埋まり、めでたく成約となりました(^o^)

気に入ったスピーカーを見つけていただくところからスタートして、よりよい信号・セッティングで聴くためのDSPの選定、使い勝手向上のためのBTレシーバーの追加と、主役のスピーカーを盛り上げていこうというオーナー様の意気込みがそのまま形になったようなシステムとなりました。
予算は税込50万円ほどとなります。

それでは施工の様子をどうぞ御覧ください♪♪
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以下、コンポーネント紹介です。

◯DSPアンプ
DSPアンプはヘリックスのM-FOUR DSP(税込88,000円)です。
これは、DSP製品で定評のあるヘリックスの製品で、DSPの性能に軸足をおいた以下の製品群に対して・・
HELIX P-SIX DSP ULTIMATE(税込253,000円)
HELIX V-EIGHT DSP MKII(税込209,000円)
HELIX V-TWELVE DSP MKII(税込275,000円)
アンプの性能に力点をおいた製品です。

ラインアップは、今回のM-FOUR DSP(4チャンネル版・税込88,000円)の他に、HELIX M-SIX DSP(6チャンネル版・税込110,000円)の2つがあります。
上述のDSP軸足製品が正方形に近い四角い形をしているのに対して、アンプ軸足の2つはアンプ本来の形である長方形をしています。

今回の車に搭載されるスピーカーはフロント2way+リヤの合計6つですので、6chのM-SIX DSPを選べば全てDSPの支配下に置くことができるわけですが、主役であるAX165の音を最善の条件で聴くことがスタート地点ですから、フロント2wayでシンプルに音作りをすべく、4ch版のM-FOUR DSPの方をご選択いただきました。

接続については、接続図にもありますように、4芯ケーブルの2線を使って、純正セパレートアンプのフロントスピーカー出力ケーブルの途中からDSPアンプに取り込み、残りの2線でドアスピーカー(ウーファー)へ出力しています。
ツイーターの方は、新規に2芯ケーブルを引いて接続しています。

◯ブルートゥースレシーバー
スマートフォンをDSPアンプへワイヤレス接続するためにaudisonのB-CON2(税込33,000円)を使いました。

今回のDSPの必要チャンネル数は4chで、ハイエンドDSP機が買いたくてたまらない!というわけじゃなかったので、もとからブルートゥース接続機能が標準で付属しているミューディメンションのDSP-680AMPV2(税込99,000円)のようなハイコスパ製品を選ぶ手もあったんですが、スマートフォンを再生すると(デジタル入力を感知すると)自動でデジタル入力に切り替わり、再生を止めると、これまた自動でメイン入力(純正オーディオ)に復帰するという、「いちいち入力切替不要」な使い方がご希望でしたので、自動切り替え機構が付いているHELIXのDSPを選ぶことになりました。(BRAX製品もありますがお高め・・)

ただ、HELIX機の場合、ブルートゥースレシーバーを別途用意する必要があるため、このB-CON2をお求めいただいたと言うわけです。
単なるBT受信機というだけなら、廉価で(動作のイマイチな)製品がたくさんありますが、ブルートゥース5.0規格に準拠し、LDAC接続時で96kHz/24bitでの非圧縮ストリーミング転送ができ、有線接続時には光パススルー接続ができるなど、接続品質と機能性が高いこの製品はおすすめです。
当サイト内商品説明ページ
https://www.soundpro.jp/products/detail.php?id=140

◯スピーカー
当店人気のBLUE MOON AUDIO AX165(税込93,500円)です。

フラッグシップのRX165(税込198,000円)、ベースモデルのSX165(税込48,400円)の中間に位置し、「よくできた楽器のようにクセのない原音再生を目指す」ブルームーンオーディオのポリシーをしっかりと体現しているモデルです。

ミドルのAXとフラッグシップのRXは、いずれもツイーターがアルミのハウジングに格納されていて大きいので、純正のツイーターグリル内に収まりません。今回の事例のようにAピラー内に埋め込むか、外観の変更を許容される方ならオンダッシュで固定するなどして対応することになります。


以上を持って、DEFENDER110のフロント2wayマルチシステムが出来上がりました。
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それではドアの外観からスタートします。

ずいぶんと個性的なドアトリムですね。
たくさんのボルトで留められたパネルがドアトリムに相当し、その周りの塗装部分はインナーパネル側の構成部品です。
フロント2wayのスピーカーはいずれもドアにレイアウトされており、ツイーターがドアミラー裏で、ウーファーはドア中段のメッシュグリル内です。

当コーナーにディフェンダー90の事例がありますが、ボディサイズは小さいものの、2ドアなので110のドアより大きいようです。
見たところ、ドアトリムは共通のものをつかっているようで、90のほうが周囲の余白がずいぶん大きくなっています。
https://www.soundpro.jp/install/ditail.php?id=791
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ドアトリムを外したところです。

トリムを外すと、大きなトレイ状のインナーパネルが現れます。
ご覧のように、このトレイ上に、ウインドウレールとモーター以外のドア構成部品がアッセンブリーされています。
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アウターパネル側の作業が終わったところです。

トレイ状のインナーパネルを外すと、額縁のようなドア筐体が現れます。
こちら側に取り付けられている部品はウインドウレールとモーター等だけです。

清掃と脱脂を済ませたら、短冊状にカットした防振材を配置します。
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インナーパネルの裏側の作業が終わったところです。

通常、インナーパネルの防振は表側から施工しますが、この車の場合、ドアトリムとインナーパネルとの嵌合(かんごう・はめあい)がタイトなのと、両パネル間のクリアランスが狭いので、十分な量の防振材を貼れません。したがって、パネルの裏側から施工しています。

シルバーのアルミテープが貼り付けてあるところが、スピーカーを取り付けるためのバッフルです。
MDFで制作し、パネルに固定しています。アルミガラスクロステープは空気の通りを良くするための平滑さの確保と、防水を兼ねて貼っています。

バッフル内面のこちら側がテーパー状に加工されているのがわかるでしょうか?
これによって、スピーカーの背面から押し出されてくる or 引き込まれていく空気の抵抗が減って、振動板が抵抗なく動作できるようになります。
いわゆる「詰まり感」がなくなる印象で、ディテール表現などの効果は中低音でも感じられますが、特に大音量時は明確で、詰まらない=歪まない=大音量でもうるさく感じない。という関係が実感していただけると思います。
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インナーパネル側の作業が終わったところです。

裏側に防振を施したインナーパネルを付け戻したら、スピーカーを固定します。
スピーカーの周囲は、振動の発生源の足元ということなので、ぐるっと防振材で押さえておきます。

スピーカーの振動板が前後運動する際に生じる振動というのは、意外と音を濁している(振動板の動きを相殺している)もので、このブレの抑制が、音質の大幅な向上に寄与します。

こういった課題には、当店オリジナルのバッフル・スタビライザー・ウエイトが大変有効です。

一つ320グラム程度のウエイトを、スピーカーバッフルの固定ボルトに共締めし、スピーカー周辺の質量を増加させることで、振動板の動作により生じていた反動を吸収し、振動板の安定した動作を可能にします。
デッドニングの新常識としておすすめしております。ご興味のある方はこちらの解説も御覧ください。
バッフル・スタビライザー・ウエイト商品ページ
https://www.soundpro.jp/ec/products/detail/168
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ツイーターの取付状況です。

スピーカー選定の検討の当初は、純正ツイーターとトレードインできるSX165でいいかも案が出たものの、(埋め込み費用がかかっても)やっぱりAXの音がいい!と決断していただいたわけですので、心を込めて!?加工させていただきました(^o^)

ツイーターのハウジングは、福島の立派なスモモ(よりちょっと小さい)くらいの大きさがあるので、もっこり感がでないように、Aピラーにできるだけ埋め込むように位置決めします。埋め込み分と飛び出し分が五分五分くらいでしょうか。飛び出す部分は、パテでなだらかな丘を形成して、周りとなじませます。最後に合成皮革で化粧して出来上がりです。

ブルームーンオーディオの青いツイーターは見た目が特にいいですね。鎮静効果?っていうんでしょうか。マットな青色が心に優しいです。
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左後ろの内装を外すと純正アンプが設置されていました。
恐らく納車の際に設置したであろうTVチューナーも確認できました。

純正オーディオからDSPへの信号取り込みは、接続図にある通り、フロント信号から行っています。
ただ、アンプ(の出口)から直接取っているのではなく、スピーカーケーブルの途中から分岐させるように取り込んでいます。
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トランクのフロアボードの下の様子です。(手前側がトランクゲート開口部です)

中央に大きな2つの機器が埋まっています。
右はバッテリーです。手前側に見えている赤いケーブルがバッ直ケーブルで、DSPアンプの電源端子に直結されています。
左側ははっきりわかりませんm(_ _)m;;

隠し絵みたいになっちゃって恐縮ですが、DSPアンプは、手前のゲート側の壁にタテに取り付けてあります。
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トランクのゲートを内側からみたところです。

DSPアンプはこちらにいます。
構造としては、DSPアンプをアンプボードに固定して、車両に取り付けたL字型の金具にネジ止めしています。

DSPアンプの上に乗っているのは、ブルートゥースレシーバーのB-CON2です。
スマートフォンから受信した信号は、本機から光ケーブルを通じてDSPに入力されています。冒頭でも触れましたが、DSP側では、デジタル信号の入力を感知すると、メイン入力→デジタル入力に自動的に切り替わるように設定しています。
自動切り替え機能を使わない場合、あるいは切り替え機能のない製品の場合は、DSPコントローラーを使って手動で切り替えることになります。
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ディフェンダー110のサウンドアップ事例をご覧いただきました。

ご来店前の段階で、やりたいことがある程度決まっているお客様が大勢なのに対して、今回のお客様はデモ視聴で気に入ったスピーカーが見つかったところがスタートで、よりよく鳴らすためにDSP、使い勝手を良くするためにブルートゥースレシーバーと、システム・工法が順方向に広がってゆくパターンでした。
オーディオの探求としては、よりピュアで王道と言えるスタイルなのかもしれませんね。

今回のシステムはDSP+フロント2wayとシンプルでなものでした。
少し前までは、主流中の主流といえる内容ですが、純正・社外問わず、車載されているスピーカーはできるだけDSPの制御下に含めようというトレンドも発生している現在にあっては、そのシンプルさが際立って見えます。


オーディオ本来、、というと用語が正確ではありませんが、これまでのオーディオの常識では、1way・2way・3Wayのいずれにしてもフロント側に配置したスピーカーで音を作り、指向性の低いサブウーファーユニットは環境下のどこかに置くというスタイルが正解でした。
これは現在でも主流で、音のディテールまでしっかり聴きたいと考える場合、よく音が聞こえますし、DSP等による音響の調整もやりやすいです。(外耳の集音機能は前向きですから当然なのですが)
これすなわち、今回のシステムそのものですね。

これに対して、最近はセンタースピーカーのみならず、複数のリヤスピーカーも含めて、多チャンネルDSPで制御しようというトレンドも拡大してきました。
フロント系を是とする論拠を前提とすると、リヤまでならすのはなんだか正しくないように思えてしまいますが、これは目的によってどちらも正解というのが現在の答えです。

一昔前なら、後部座席に乗るケースが多いことを前提として、リヤスピーカーのグレードアップが肯定され、どちらかというと亜流な見方をされていたのは事実です。
これがまともに肯定されるようになったきっかけが、イヤフォン文化の勃興です。
オジサン世代なら、フロントから聞こえる「スピーカーの音」がホンモノで、イヤフォンの没入感のある聞こえ方は、イヤフォン特有のものという分類をしがちですが、デジタルネイティブ系というか、若いうちからイヤフォンの音に慣れた世代の方にとっては、「耳の穴で聴く」イヤフォンの聞こえ方を基準に据える方が多いようです。

こういった耳をお持ちの方に満足していただくには、リヤも鳴らすことが大前提になるんですね。
実際、リヤもほどほどの音量で鳴らして、アンビエントを強調した感じにしないと、イヤフォン的な音(左右から聞こえる音)の感じは出ないのです。また面白いことに、こういったお客様に、店主が自信をもって調整したフロントメインの車を聴いていただいても、評価していただけなかった経験はたくさんあります(笑)


ということで、前においたスピーカーの音が基準の方や、音のディテールを細かく受け取る聞き方をしたい方にはフロントメイン。リヤに人が乗る機会の多い社交的な方や、イヤフォンの音が基準の方、すべてを支配しないと気に入らない方(笑)には、フロント/リヤのマルチがオススメということになります。

お客様が持つスタンダードによって、正解は複数あるということなんですね。
お客様のお好み、予算に応じて、柔軟にプラン提案させていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください♪
メールフォームはこちらです♪♪
https://www.soundpro.jp/contact/index.php
直接のお電話もお気軽に♪
03-5913-8450です!

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