イングルウッドでの邦人ツーリスト射殺事件

日本でも報道されているのでご存知の方も多いと思いますが、ロサンゼルス郊外のイングルウッドで9日未明、日本人旅行者が何者かに射殺されるという事件がありました。

この現場となったイングルウッド周辺はスキッドロウ/サウスセントラル/コンプトンと並ぶLAを代表するスラム街、全米でも屈指の危険地帯です。
さすがに一歩でも足を踏み入れたら生きて出られないとはまでは言いませんが、しかしこここら辺一体は私達のような一般人は昼間でも用がない限りあまり近寄りたくない正真正銘のゲットーエリア。
このエリアの住宅街などは夜間に車で通り抜けただけでもアメリカ人から「俺らアメリカ人にとっても近づきたくないエリアだから特に夜行くのは避けろ」と警告されるような場所、よく「強盗に遭うから赤信号でも停まってはいけない」などと噂されるような貧困ゲットーエリア。（現実には大抵ちゃんと信号待ちしますケド）

先日渡米された日本の知人の話しでは、日本人で特に改造アメ車好きの中にはこういったギャングスターに憧れ、ファッションやしぐさを真似したりこれらの地域に行ってその手の連中と友達になりたいと思ってる方が少なからず居るそうですが、当のギャング連中からしてみれば満足に意思疎通すらできないどっかのアジア人の友達は募集していません。
　彼らが仲間に加えたいと思うのはプッシャー（末端の麻薬密売人）やいざと言う時に役に立つ鉄砲玉、お近づきになりたいのは金払いの良い金持ち客だけです。
ちなみにアメリカのギャングは共通の人種や国籍で構成される事が多く、さらに仲間に加わる為には押し入り強盗や一人殺って証拠画像を撮ってくるのが条件なんて事がよくあるそうです。
そいつがメンバー入りする為に殺される生贄は、敵対する抗争グループのメンバーだったり通りすがりの無関係な一般人だったりと色々なようです。

そしてこの日本人旅行者はそういう本場のギャング連中やLA辺りのチョイ悪若者ライフスタイルに憧れていたようで、後日のニュースによれば何度も観光ビザで渡米＆長期滞在し、地元の若者達にノリ良く話しかけて顔見知りになったら積極的にマリファナパーティ等へ顔を出していたとの事で、この日もマリファナパーティ解散後に単独で直接プッシャーからドラッグ類を購入しようとしていたそうで、しかしその際にどうやらすっかり仲間ぶって馴れ馴れしく接した上にしつこく値切ったらしく、機嫌を損ねたプッシャーが突然顔面をズドン！・・・即死だったそうです。

興味や憧れだけで柵を越えてライオンや熊の檻の中に入る人が居ないのと同様、我々よそ者は興味本位で近づかない方が身の為です。　二度とこんな事件が起きないよう皆さんも気をつけて下さい。
　もしそれでも、どうしてもこれらのエリアを見てみたい、本当のギャングスタの生態が知りたいという方は、本物の元ギャングメンバーが運営するLAギャングツアーにでも参加してはいかがでしょうか。

LA Gang Tours
http://lagangtours.com/


なお、以下のリンク先にある動画には今回の事件の被害者ご遺体も映っていますのでご注意下さい。

"Inglewood Homicide" by OnScene TV
http://onscenevideo.tv/inglewood-homicide/