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ここ何度かブログネタにしている中華レーザー加工機ですが、まだまだ引っ張ってネタにします。
という事で大陸から届いた中華レーザー加工機を何度か動かして色々な物を加工してみると、やはりネットの噂の通りレーザー加工する材質によっては結構な臭いと煙が盛大に出るもんで、どうりで先人達が集塵機や排煙装置は必要と言う訳ですね。

という訳で再びアリエクやアマゾンで個人向けの簡易的な卓上排煙装置を探してみるとレーザー加工機本体は結構売っているにも関わらず同じような個人向け卓上排煙装置は不思議と売ってないんですわ。
さすがに業務用の大型集塵/排煙装置は専門業者さんで扱っているものの、個人向けの安価な小型卓上なんてものは存在しない様子。

専用品が見つからないのであれば他で似た用途の物を流用するかDIYで自作するかしかありません。
ならばとレーザーうんぬんは抜きにして、電動ファンで作業エリアの空気を吸ってフィルターを通して外部へ排出するもので探すと使えそうな候補がいくつか見つかりました。
例えば卓上ミニCNC用の集塵機、ハンダ付け用の集煙機、プラモデル用の卓上塗装ブースなど。
その中でも安価でサイズもピッタリ、かつ自分の用途に流用できそうだったのがプラモデル用の卓上塗装ブース。
作業エリアで発生した臭気（煙含む）はフィルターを通って背後の電動ファンへと吸い込まれ、後ろ側に伸びたダクトで外部へと排気される仕組みです。

この塗装ブース、複数のセラーがそれぞれのブランド名を付けて販売していますが、ドコをどう見ても全く同じ作りなのでドレを選んでも全く同一製品が送られてくると踏み最安値のアマゾンプライム品を注文・・・結果、さすがアマゾンプライム、アリエクとは大違いの翌日到着。
早速開封＆組み立ててレーザー加工機を置いてみると、事前に比較検討した通り左右奥行き高さと全てがまるで専用品のようにバッチリ収まりました。
しかし塗装ブースなので当たり前なのですが、塗装する物体を作業エリアに置いて手前側からエアブラシやスプレーペイントを吹く、すると噴射された臭気や塗料の微粒子は背後にあるフィルター付き吸気口へ吸い込まれるという構造からして作業エリアの手前側？前面？は大きく開放されています。
エアブラシやスプレー塗料を吹くなら最適ですが、作業エリアの真ん中で煙や有害物質がモクモクと出る事を思えば前面（手前側）も遮蔽は必須・・・という事で余っていた透明アクリル板を使って塗装ブースの手前側にフィットする透明フードを作ってみました。

使った透明アクリル板は以前に使った余りの端材なのであまり十分な面積が無く、限られた端材で事足りるように形状を作るのがちょと面倒でしたが、ガラクタ箱の隅に転がっていたヒンジや換気ルーバーなども適当に流用して何とか出費ゼロでフード部分も完成。
良く見れば曲げ加工部分など少々素人臭い仕上がりであまり他人に見てもらうようなクオリティではありませんが機能的には十分なものが出来て良かったよかった。
この密閉フード付き塗装ブース改め排煙装置が追加された事で煙も異臭も全て外へ排気できるようになり、換気の為に暑い思いをしなくてもよくなりました。

という事で貧乏は貧乏なりに流用＆工夫でそれなりの集煙ケースが完成、現在はアクリル板や木材の刻印や切断はもちろん有害な煙が盛大に出るゴム類の切り出しもほぼ確実に排気してくれるので満足です。

6月14日のブログでネタに使ったレーザー加工機ですが、アクリル板で試作品や一品ものを作るとなると今までは電熱線で熱して曲げたりカッター/リューター/ヤスリ等で切ったり削ったりするしか無く、それらは全て一発勝負なので仕上がりは当然手作り感イッパイの出来。
ましてや手の込んだ工作物になればなるほど手作り感が露呈して複製するのは至難の業だったのですが、そういった手作業を全て格安中華製レーザー加工機がやってくれるようになり、今までの労力&時間と仕上がりの野暮ったさがウソのようにまるで市販品のようなクオリティで寸分違わないものが何個でも量産できるようになりました。
特にスイッチ類/ネジの穴や排熱スリットを設ける場合や組み立て部品の嵌合部分など、いくつか作ると発生する微妙な位置ズレや一品一品現物合わせでの微調整に手間と時間が掛かっていた作業もレーザー加工機なら面白いくらい簡単かつ量産品レベルの綺麗さで作れるようになり、この価格なら導入してよかったとつくづく思う昨今であります。

そんな重宝しているレーザー加工機ですが、導入から現在まで具体的にどんな事に活躍したのかと言えば、前述の試作&少量生産のエンクロージャーはもちろん、自社商品にリベット留めする銘板（製造者情報や機械の仕様などが刻印してある金属プレート）を作ったり、ニトリルゴム板からガスケットを切り出したりと業務で活躍したり、プライベートでは手芸屋で数百円で売っている革の端切れからキーチェーンストラップを作ったりアルマイトのネームプレートにレーザー刻印してみたり。
　　　

しばらく使っているとレーザーの焦点距離調整が面倒とか、やっぱり半導体レーザーだと切れない物が多いとか、つい欲が出るのはしょうがないとして、それを差し引いてもどうしても何とかしないといけない点が3つほど出てきました・・・という事でまず最初の一つ目は悪い点から。
それは加工可能な作業エリアが170mm x 200mmと非常に狭い事・・・導入前の活用案ではせいぜいネームタグや手の平サイズの小物しか作らないつもりだったのでこのサイズで十分と思っていたのですが、一旦色々な物が自由に作れるとなるとさらに欲が出て、せめて加工エリアが300mm x 300mmくらいあればなぁと・・・ま、それはそれで設置場所も比例して大きくなるトレードオフの関係なので現状の作業場ではほぼ無理なんですけどね。


そして二つ目はもっと悪い点。
レーザー加工機は高出力のレーザー光をレンズで対象物に焦点を合わせて焼く事で刻印したり切断したりするワケですが金属以外の対象物、例えば紙や木やプラスチックや革やプラ樹脂といった対象物はご存じの通り焼けば大抵は結構な煙や匂いが出ます。
特にゴムやウレタンなどは有害な煙と匂いが盛大に出る訳で、作業台の上に丸出しで置いたレーザー加工機そのままでこういった材料をカットしたりするといつまで経っても作業場全体が煙いわ臭いわ煙検知器が鳴るかも！なんて感じで大変な事になります。
ネットで調べるとどうもレーザー加工にはレーザー加工機本体以外にも集煙/排気装置やエアーアシストといった補器類を揃えないとこういう大変な目に遭うのが鉄板のあるあるネタらしいです。
という事でこれらの対策も行ったのですが、それは別のお話しなのでまた今度のブログネタにします。

最後はどうしようもなく悪い点。
それはレーザー加工機に付属してきた製造元の正規制御ソフトがまったく役に立たない事。
正常に動いたのは最初の2～3回だけで、それ以降は制御ソフトを立ち上げて作業しようとすると必ずソフトがクラッシュ＆落ちてまともに使えないんです。
製造元ウェブサイトから最新版をDLして評判の悪い付属USBケーブルも新品に交換し、PCとの相性も考慮して計4台のウィンドウズPCにインスコして試してみましたが、何をしてもすぐクラッシュで落ちるので最終的に制御プログラムがどうしようもなく粗悪という結論に至りました。
いくら高機能なレーザー加工機であってもそれを動かす制御ソフトがダメならすべてが致命的なダメになってしまうので何か良い解決策はないかと再びネットでリサーチ。
すると分かった事は結局のところレーザー加工機の制御プログラムも実はCNCとほぼ共通の制御プログラムなんだそうで、入力したデータをGコードという加工順番やステッピングモーターの座標位置（レーザー加工機はXY軸、３軸CNCはXY軸とZ軸）へ変換するNC工作機械用プログラムというもので、オープンソースや汎用のサードパーティ製性制御ソフトも結構メジャーらしく、その中でもレーザー加工に特化したライトバーンという制御ソフトの試用版を試してみたらかなり使い易くて動作も安定、いままでの苦労がウソのように自由自在に使えるようになりました。
という事で今後はレーザー加工機＋ライトバーンの組み合わせでやっていく事にしました。
いやぁホントこの「ＬｉｇｈｔBｕｒｎ」、有料ソフトですがお薦めです。
さて、また今度は何作ろうかなぁ♪