イプシロン君の後任の代打(ややこしいね)として短期派遣されている、
BMW318i(4代目3シリーズE46)です。

右側操縦席、4気筒、4速自動変速機、4ドア版。
(どーでも良いことですが、シャア専用カラーだし、ここはひとつフロントフェンダかテール辺りにジオン軍のマーク

を貼りたくなってしまいました。だってジオン公国ってゲルマン風なんだもの。)
318という名前ですが、実は1900ccの排気量なんですって。やっぱり、ややこしい。
BMW門外漢の僕としては、319って名乗ってくれた方が、ナンボか解りやすい。
1991だか1992年頃に知り合いの318i(3代目E36)を運転させてもらったことがあるのですが、ボディのしっかり感が増して立派になったとか、そういう成長はあるようですが、全体的な印象は同じですね。17~18年ほど経っているけど、「あ、この人知ってる!」みたいな感じでした。すごいですね。地道に同じ方向性でまじめに進化させています。恐るべしドイツ人。
6.4万Kmを経過した個体ですが、ボディがミシリとも言わないです。すごくガッチリ。標準の15インチホイールにミシュランの195/65R15のエコタイアを履いていました。距離がいっている割には、乗り心地もそんなに悪くないです。というより、ダンパーの終わったイプシロンから乗り換えたので、すごく良く感じます。すこーしだけ、バネ下が重めで、バタつくと言うほどではありませんが、デコボコのところでは、ややタイヤがボボン!と踊っているのわかり、バネ下の重みをちょっとだけ感じます。
エンジンの振動があまり伝わってこないので、最初は6気筒?と思ってしまいました。
エンジンルームをのぞくと、間違いなく4気筒です。エンジンマウントになにか一工夫しているのでしょうか?クーペフィアットやランチア・イプシロンに慣れている身からすると、遠くの方でエンジンが、「ウー」と静かに唸っているだけの様な気がします。
でもエンジンマウントが単に柔らかいのではないと思います。アクセルを操作しても、エンジンルーム内でエンジンがブルルンと振動しているような感触は全然しませんし、アクセルの動きがATの割に比較的ダイレクトに前後Gとして感じられるからです。変速ショックが大きめですから、トルクコンバータのオイルも固めなのかも知れません。
これらのことを考えると、エンジンそのものの振動が少ないということでしょうか。
4気筒でもシルキーな感じっていうの?さすがバイエルンエンジン製造工場製!
トルクコンバータついでにトランスミッションを見てみますと、4速の様です。
どうも、シフトダウンして欲しいときと、シフトアップして欲しいときに、3テンポくらい遅く応答します。あまりトランスミッションはお利口ではないようです。数少ないマイナスポイントのひとつです。運転していて大きなウェイトを占める点なので、残念度は高いです。しょうがないので、結局はかなり手動操作してしまいました。
以前に乗らせてもらった2代目シトロエンC5のATの方がずっと意を汲んでくれて賢く、現代のAT知能なるものを感じさせてもらいました。そういうATがついていてくれたらなぁ・・・。
ちょっとだけ気になったのは、アクセル開度が微少な領域、例えば渋滞路をノロノロ移動する様なとき、すこーしだけアクセルを開けたつもりが、意外にドン!と元気に動いてしまいます。クリープだけではちと足りない。で、アクセルをそっと触れるくらいに開ける。それが意外におとなしくできないのです。小排気量のハンディを感じさせないようにする演出なのでしょうか?もう少しこの辺りがジェントルならなぁ、と思いました。
高速巡航時には、100Km/hで約3000rpmくらいの回転数になりますが、この回転数ではマフラーのタイコの辺りで結構大きく排気音が共鳴してしまいます。ずっとこの音に曝されていると、すこし頭がボーっとしてきます。日本の高速道路で長時間使うなら、マフラーの共鳴周波数を少しずらした方がラクに巡航出来る様になると思います。
着座位置は、クーペフィアットと比較して、床に対して座面がやや低めで、地上から座面までもやや低めです。RX-7よりは高いけれど・・・。やや低めの視点は、とても久しぶりです。
今回は借り物です。何があっても壊してはいけませんので、ASC(オートマティック・スタビリティ・コントロール)はOFFにはしないことにしました。その範囲で、丁寧にグリップさせて走らせますと、シャシの前後重量配分が素晴らしいと思いました。久しぶりに、バランスの良いクルマに乗った気がします。ロールやピッチ方向の姿勢変化は少な目な方だと思います。決してガチガチに固めているのではなく、適度に姿勢も変化していますが、不安感のない自然な動きです。
もう少し元気に曲がってみますと、前輪が外にズズズと逃げていきます。ややアンダーステアな動きになりました。アクセルをゆるめたり、ステアリングを切り増したりすればすぐに修正できるので、怖くはありません。
ブレーキを見てみますと、ややグニャとした踏み心地ですが、ノーマルのホースとしては良い方だと思います。踏力と減速Gの関係はほぼリニアで、制御しやすいものです。少々酷使したくらいでは、焦げ臭くなったり煙が出たりすることはありません。比較的安心感があります。ABSの動作開始も決して早すぎることはなく、出しゃばりな印象はありません。
ウチにとっては珍しい4ドアセダンですが、取り回しは良く、車庫入れもやり易いです。舵角は大きく切れ、駐車場や細い路地なでもまったくストレスを感じません。適度な大きさと取り回しの良さは、東京の路地でも使いやすいです。さすが、実用セダンの優等生です。
はっきりと計測できたわけではありませんが、なんだか燃料の減りが早いような気がします。気のせいでしょうか?一週間しか借りませんので満タンにはしませんから、正確なところは計れませんが・・・。
4速ATトランスミッションがイマイチなのと、ひょっとすると燃費が良くないかもしれないこと、アクセルの微小開度領域での大雑把な操作感を除くと、他の点は非常によくできた使いやすいクルマです。ひとにも奨められる安心感があり、とても良いクルマだと思います。
このクルマ(6万Km強くらいの個体の場合)が、今の中古市場で50~70万円程度というのは、お買得感もあると思います。これだけのデキの良さですから。値段の相場を知ったら、嫁さんもビックリしていました。「これが、その値段で買えちゃうの!?へぇーっ!」とのこと。
ただし、「良くできてるし、日常使いにも便利だし、実用車としてイイのはわかるけど、面白くはないわねぇ。」ですって。
そう来たか・・・。
やっぱりラテン系が好きな嫁さんでした。
Posted at 2009/05/26 02:07:12 |
トラックバック(0) |
インプレッション | クルマ