カイカイ通信に掲載された記事を転載致します。
http://blog.livedoor.jp/kaikaihanno/archives/43925926.html
1. 韓国人(スレ主)
日本の素材産業について簡単に調べてみたいと思う。
日本には鵜飼い(うかい)という漁法がある。
鵜は魚をエサとしている鳥であるが、この鳥の首の下部をヒモで縛り、獲った魚を飲み
込めないようにした後、鵜が魚を飲み込もうとしたところで漁師が魚を鵜から抜き獲る
という漁法だ。
去る1980年代末、日本の経済学者である小室直樹氏は、韓国経済を「鵜飼い経済」
と皮肉った。
非常に卑下的な表現ではあるが、間違った表現でもない。
これに対し我々は、感情的にそれを受け止めるのではなく、韓国経済の問題点を把握
しなければならない。
それでは、小室氏がなぜ、韓国経済を「鵜飼い経済」と表現したのか考えてみよう。
簡単に説明すると、韓国は輸出を拡大させ利益を出したとしても、韓国国内の部品、
素材産業は対日依存度が高いために、実益を日本に持っていかれてしまうという脆弱な
産業構造を有しているためだ。
日本が堂々とこのようなことを言える理由は、1980年代以前から日本の素材市場が
世界の主導権を握っているためであり、そのことに対する自信の表れだと見ることもできる。
現在、世界市場を占有しているアップルやサムスンの携帯電話の内部素材の大部分は
日本の化学メーカーが生産、供給している。
今回ギャラクシーS6に自社開発部品を使用したという話もあるが、その半導体を切削し、
練磨するための最高技術は日本が持っている。
これは本当の意味での自社開発と言えるだろうかと思ったりもする。
現代重工業でも設備の相当数が日本製ということを現場で仕事をしている人は分かって
いることだろう。
このような先端IT製品以外の生活用品市場でも、日本は圧倒的な底力を発揮している。
防水性が高く、伸縮性に優れた日本製おむつは、中国と開発途上国(東南アジア)でも
大変人気であり、世界的な高齢化、少子化などの悪条件にも関わらず、開発途上国の
需要増大が素材産業の投資拡大の牽引役となっている。
このように先端素材に始まり、鉄鋼、機能化学、製紙、非鉄など、あらゆる産業に適用
できる素材産業は今後日本経済成長を牽引する有力産業と見られている。
このような技術力の源泉はどこにあるのか?
産業専門家たちは日本の「終身雇用制度」にその答えを求めている。
具体的には、日本は会社に入社すると、20年以上長期勤務する場合が多いが、
特に日本の素材産業はこのような長期勤務型人材管理により技術力を蓄積、
確保しているという点が、人材流動性が高い新興国との違いという論理だ。
これも正しい見方ではあると思うが、俺はこれにもう一つ付け加えたい。
それは
忍耐力 である。
日本には韓国にはない忍耐力がある。
韓国人の民族性は、とにかく早く解決しなければならないと考えるが、日本人は
気長に待つことができると言える。
とある逸話によると、戦国時代に国を治めた天下の名将織田信長は
「泣かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」という考えのもと、死ぬ覚悟で臨まない部下は
容赦なく切り捨て、その後、信長の後を継いだ豊臣秀吉は
「泣かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」と言った、ものすごい自信家だ。
しかし、100年を越える戦国時代の最後の勝者となった徳川家康は
「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」とし、「忍耐の美学」を提唱した。
このような精神は、いまだ日本で続いており、その中の一つが、まさに素材産業
でないかと考えている。
韓国が急速な成長を成し得たのは、すぐにお金になる産業に全力投球し、
それに注力してきたためだと考える。
いわゆる、選択と集中の成果だ。
スタイルの違いもあり、何が正しいのかは、個々が判断することだが、このように
今すぐお金になる産業に全力投球することにより急激な成長が可能であったが、
未来に対する準備が不十分であった点が残念でもある。
例えば、産業専門家たちに「韓国の次世代の経済成長の牽引役は何ですか?」
と尋ねても簡単には答えが返ってこないであろう。
そして、このような難局を乗り切るために朴槿恵と企画財政部長官は創造経済を提唱し、
韓国の産業構造を変革させようと努力している最中であるが、果たして効果があるかは
定かではない。
だが、日本は違う。
一つにすべてを注力することはなく、少し先の未来を見通した選択をしてきている。
その中の一つが素材産業だ。
20~30年間の長期投資が必要な素材産業を継続的に育んできており、このように
大きく広がった技術格差を韓国が縮めることは容易なことではないであろう。
自動車や携帯電話を作るには、部品を買って組み立てれば済むが、その部品を作る
機械と、部品そのものを作るには技術力がないと不可能である。
そのため、サムスンは高額年俸を提示し、日本の技術者を引き抜こうとしている。
日本の素材、半導体会社は経済の好不況に関わらず、一定水準の研究開発費を
維持する場合が非常に多い。
現在も新技術開発と生産コストの削減を進めながら、日本素材産業は見えない所で
成長を続けている。
素材産業の怖いところは主に
BtoB(企業間取引) で行われ、初期技術および
市場先行者が相対的に大きな利益を享受することになるという点だ。
例えば、摩耗が起きにくく、軽くて熱にも強く、時には摩擦力にも強い素材が開発された
とし、これをタイヤメーカーに供給する契約を結んだとするなら、技術力があれば長期
供給が可能であり、それに伴い長期的で安定した収入源を確保することできる。
しかし、スマートフォンのような場合は、一度作って売ればそれで終わりであり、1年後
には新しいモデルが出るため、持続的で長期的な収入源になることはないだろう。
これがまさに完成品を供給する
BtoC(企業対消費者間取引) の限界だと思われる。
日本も韓国に比べて、すべてにおいて優れているわけではない。
日本は、韓国や中国と比較して、組立てや加工工程における競争力で遅れをとっている。
しかし、圧倒的な技術力と先に述べた忍耐力を土台とした長期的で持続的な技術開発の
努力により市場で優位を占めている。
今後、日本は持続的な技術力開発および価格競争力強化により全般的な産業優位を占める
ことができるということから、韓国企業は対応策が必要だと考えられる。
翻訳元:http://www.ilbe.com/5501735233
----------- 転載おしまい -------------
冷静に分析されていると思います。
この様に相手の良さを認め、自分たちを高めようと考える人々は素直に評価したいですね。
あと、素材で一括りにしていますが「ものづくり」の本質は、“継続は力なり”ですので
日本人の性格
にぴったり当て嵌まると思っています。
ただ少し、我慢や辛抱が足りない人が増えつつある様な気もしなくもないですけど。
最近のニュースなどを見ていると・・・
皆さんはどのように感じましたか?
それではまた。