「お前は何様のつもりだ!」
とお叱りを受けそうなタイトル及び内容ですが、敢えてというか、先日ふと覗きに行った先で、
「国産メーカーが作るクルマに乗っている奴はお金の無い貧乏人でクルマの事は全然判っていない!」とか「クルマが好きなら欧州車でしょ!○○○はどうだ!○○はこうだ!みんな安物ばかり作っていて高級車は作れない!」とか「国産メーカーなんてもっと減らしてしまえ!」とか(以下自粛)
等と勝手に色んな決め付けをしていて国産車の誹謗中傷ばかり書かれていてうんざりしたのですが、ココへの書きこみでは同じような考えで意見を寄せている方が多数見受けられたので、どうやら日本人なのに国産車自体がまるでダメみたいに本気で思っている方が大勢居ました。
ボク自身の身元は明かせませんが、職業柄色んな国産自動車メーカー様とか部品サプライヤー様を見ていて肌で感じていますし、また各部署の担当者様のお話も聞かせてもらったりしています。
先に申し上げておきますが、確かに手放しで国産だからと100%褒められるかと言われれば色々と有りますし、敢えて詳細は書きません。(書けませんが正解です)
しかしながら、それでも日本車がダメで欧州車が優秀だなんていう盲目的(そういう意味では一部モータージャーナリストの意見も可笑しいのが有ります)な発想で安易に書いてあるのを読んでしまうと反論したくなったので、少し書いてみようかと思いました。
(一部、思い入れが有るのはご愛嬌で読んで下さい)
さて、前置きが長くなりましたがクルマの話の前にほんの少しだけ「零戦」の話に触れてみたいと思います。
太平洋戦争時(緒戦だけとも言われてますが)「零戦」は、対空戦に於いて非常に優れた戦闘機でした。(例え悪いかも知れませんが、峠で大排気量のクルマを追うロドスタみたいなイメージですかね)
この飛行機は軽量化の創意・工夫・新素材(超々ジュラルミン)を駆使した当時最高傑作の“乗り物”でした。しかし終戦後にアメリカから民間機も含めて日本は飛行機の製造を中止にされてしまいました。
(日本の優秀な技術に恐れを持っていたからです。昨今、航空機の製造許可が出ました。)
そんな経緯から特に日本では多くの航空技術者が自動車産業に流出しました。
飛行機の技術で自動車に最も恩恵を与えたのは、日本の量産車にすっかりお馴染みのモノコックフレームです。
モノコックフレームは簡単に言うならボディ(外核)以外は全て共通する一体式のシャシの事です。(厳密に言えばシャシはフレームも含む意味です)結果としてプレスにて大量生産に向いており同じ品質の物を一定量供給でき、しかも安価に抑えられ軽量化も図れるシャシ(フレーム)です。
モノコックフレームの基本設計が出来る優秀なスタッフは当時国外を見渡してもそんなに居たとは思えず、皮肉にもアメリカが取った策が日本車の基礎技術面で貢献して日本車優位を生んだ結果となりました。
ところが、冒頭で紹介した方達の中には「昔の日本は人件費と円安が幸いし安いから売れたのだ」とか「下請けを安価に叩き大量生産した結果“安かろう悪かろう”で売って来た」等と本気で思っている方が多いのにビックリします。
確かに安価というのは売れる理由の大きな要素です。
しかし、いくら安くても欠陥だらけの自動車だったら二度目は買ってもらえません。
まして北米マーケットは何度も米国の溺愛過ぎる愛国心から日本車の不買運動が幾度となく行われて来ました。ところが実際購入する側の立場からは「故障しない車」という認知がなされているため購入され続けています。(今は現地工場化という側面も有り米国の雇用を助けているので以前のような“日本車叩き”は殆ど聞かなくなりました)
更に付け加えると、昨今の米国セレブの中には今までメルセデスベンツを選んでいた層がレクサスを選ぶという事はここに書くまでもなく有名な事実です。
さて現状はというと、国産車叩きをした方には気の毒ですが日本製自動車は決して安価ではなく北米並びに欧州でもソコソコの値段で売っています。
それでも北米市場や欧州市場で支持されているというのは良いクルマだからであって、安いからではないのです。
それから、もう数10年来ドイツではマツダやスバルは人気売れ行きとも素晴らしく、ドイツの有力雑誌に何度も特集を組まれている程です。(ボクが高校生の頃、カペラがドイツの賞を貰っていましたし、RX-8もドイツやオーストラリアでも賞を貰っていましたね)
そういう意味ではきちんと分別が出来て、良いクルマが判るドイツ人(オーストラリア人)の方が盲目的な一部に存在する日本の成金と違ってきちんと評価できる土壌が備わっているのでしょう。
話題を欧州車の購入をする方についてですが、日本で欧州製のクルマを選ぶ人の中には
①ハード面での優位性で購入される方と、
②ブランドで購入される方に別けられると思います。
①ハード面の優位性と書いたのは1000万円を越えるような高級欧州製自動車の場合、殆どが手を加える必要が無い程最初から高級で高品質な部品を使用しており、例えばホイール1つ取ってもノーマルよりも高品質なホイールが無い程の物を選定していたり、内装に目を向けると木目のパネルは“木目調”ではなくて本物の木を使用していたり、エンジンの部品に限らずデフやミッションに至るまで許容範囲を大きく上回る品質の良い部品を選定(レシプロの話で言えばメルセデスは標準車でもカウンタークランクを採用していたり)と、色んな面で突出しております。
依って国産車から上記に書いた仕様にするには限度が有るというか、各部品にまで同じ品質を求めると全て新しく作り直した方が早いと思う程に手を入れないといけなくなり、彼らが言う「返って国産車の方が高くつく」という話はその点からは正解だし、そこまでの物を求めるので有れば最初から全てに於いて高級嗜好で製作した高級欧州車の方が良いというのも一理有りますのでそこは否定しません。
また②ブランドでと申し上げた方は、鞄はヴィトンとかスーツはアルマーニとか確かに良い品でデザイン性はあるけれど、機能性を本当に考えるならこの選択は有り得ないと思います。鞄を仕事道具の一つと考えればどのような用途を考えても最近のヴィトンは高価なだけで選べないし、アルマーニのスーツは使えるポケットが限られ(シルエットが崩れるからという理由)機能性はまるで有りません。
こういうブランド嗜好の方達は、ブランド=良い物という妄信から購入する層で実質の良さを熟知して選んでいるとは言い難いと思います。
(しつこいようですがデザインは良いと思います)
このように書くと一方で欧州車(欧州そのもの)を賛美したいのか、或いは卑下したいのか、お前は一体どっちなんだと言われそうですが、ボク自身は欧州車(欧州そのもの)ももちろん認めていますし、幼少の頃からスーパーカーが憧れでしたから、否定は一切しません。ボクは欧州車を悪く言うつもりは初めから有りませんので。
ですが、欧州車だけを持上げて国産車のみを悪く言う人は本当にクルマ好きなのかという風に聞いてみたいのです。
さて、欧州車の中でも比較的安価なグレードのクルマが日本でも最近よく見かけるようになりましたが、このクルマ達は国産車に比べて優秀だから購入したのでしょうか?
もし国産車よりも優秀だと思われていて購入されたのならそれはそれで否定はしませんが、性能面で国産車より優秀だと思えるクルマを探すのは難しいです。
それはよく巷で言われるスペックという話ではなく、操作性等々の話です。スペックなんて自分が乗っているクルマでさえもイイカゲンにしか覚えていませんから、そういう事ではなく乗った感触がどうだったかという話です。
欧州車で庶民が買える範囲の中から選ぶとしたら、優秀なクルマの代表選手はVW社のゴルフでしょうか。
ゴルフは以前から国産メーカーの技術者もベンチマークとして考えられ、確かに今でもトップレベルの居住性、運動性能が有ると思います。
ですが、例えばマツダのアクセラや日産のティーダと比較して乗り比べた時、果たしてゴルフの方が優秀だ、価格差を考えてもゴルフを選ぶというのはボクの考えではとても考えられないのです。実際、乗り比べれば判ると思いますが剛性面でも操舵感でも静粛性でも何でも良いですが、雑誌に書いているような違いはボクには感じられず逆に国産車の方が優秀だなと感じました。
ただ、クルマを選ぶ条件は性能の比較ではなくその殆どが“フィーリング”だったり“見た目”だったり、そういう感性で左右しますのでそこは敢えて今回の趣旨とは離れますので、書かせて頂きますが性能面の比較だけならわざわざ高価な方を選択する事はないと思います。その余った費用で大型テレビを買う等の方がより快適な生活が送れるように思うからです。
逆にエンブレムのVWを外して他社のエンブレムを付けたら良いクルマでは有りますが、今よりもゴルフは売れないと思います。(そういう意味ではVWもブランドだと思います)
何度も書いて恐縮ですが昔よく語られた剛性の話も今の国産車なら問題視するのも滑稽というかある意味“都市伝説”的な盲目的な見方しか出来ない頭の硬い方ではないかと思います。
初代プリメーラが出た時に父親世代の方が「国産車もココまで来たか」と言ったのをよく覚えていますし、実際ボクも良いクルマだと思いました。
さてさて、話にまとまりがなくなってきましたので、今後の自動車の行方について簡略ですが記述させてもらいます。
すでにトヨタやホンダではハイブリッドの市販車が発売されておりますし、マツダはスウェーデンに「マツダRX-8ハイドロジェンRE」を販売しております。EV車の分野においても三菱自工や富士重が(実は戦後直後から製造していて電気自動車を販売していた)官公庁に売っており、もはや全世界的な視野から見ても日本のメーカーほど近未来に向けたクルマ造りをしている所は無いと言い切れるでしょう。
その様な事から自動車産業こそ日本経済を牽引して来た基幹産業と言えます。
ですから日本人なら日本車に誇りを持ってもらいたいです。それなのに日本人で有りながら自国のクルマ(この冒頭の彼らの場合、自動車産業をも否定)を誹謗中傷するという愚かさというか、何故そんなに卑下したいのか不明です。
彼らは上記の事を重々承知で「日本車がダメ」だと思っているのかソコの所が知りたいです。自分の度量が狭い故に安易に書き込んでいるのでしたら早急に改めてもらいたいです。
皆さんは、国産車叩きをする方や妄信的に欧州車のみを信じている方をどのように思いましたか?
ボクはコストパフォーマンスやスタイリングで考えてもRX-8のようなクルマを国産で買えるなんて他の国の人と比べてめちゃめちゃ幸せな事だと思うのですが・・・結局、最後はココに話が集約しますネ(爆)
※文章自体も乱文で、誤字脱字、誤解が有るかも知れませんので何かもの凄い間違いをしていたら教えてくださいネ。直ぐ訂正します。