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米中が迫る「踏み絵」、踏めない韓国 編集委員 秋田浩之
南シナ海をめぐり、米中のせめぎ合いが激しくなってきた。
中国が岩礁を埋め立てた「人工島」付近に、米軍が艦船を航行させ始めたからだ。
米軍作戦をどこまで支持するのか――。
アジアの国々はそんな選択を迫られている。
とりわけ難しいのが、米中双方と良い関係を保とうとしてきた韓国の選択だ。
中国は周辺国と領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で、
7カ所の岩礁を埋め立て、「人工島」をつくっている。
米国は10月27日、そのうちのスービ礁などの12カイリ(約22キロ)以内にイージス駆逐艦を
派遣し、中国の領土と認めない姿勢を鮮明にした。
アジア各国の反応は予想どおり、割れた。
いちばん明確に米国を支持したのは、日本やフィリピンだ。
逆に、フィリピンを除いた東南アジアの国々は踏み込んだ論評を避けている。
「内心、米国を支持していても、突出すれば中国の怒りを買いかねない」
(東南アジア外交筋)との計算がある。
筆者が注目した記事
・10月29日 韓国紙・中央日報「試される朴槿恵政権の均衡外交」
・10月29日 韓国紙・東亜日報「やむを得ず、南シナ海の立場を明らかにした韓国外交」
・10月28日 日経朝刊7面「南シナ海人工島12カイリ内航行、米同盟国から支持、韓国は
評価言及避ける」
そこで興味深いのが、韓国の反応だ。
日本と同様、米国の同盟国であるにもかかわらず、米中に“等距離的”なコメントを出す
にとどまっているからだ。

韓国は米国の同盟国なのだが……
(10月16日、ホワイトハウスで記者会見する朴大統領=左=とオバマ大統領)=AP
■「どちらに近いのか分からないほどあいまい」
米イージス艦がスービ礁などを航行した直後の27日。
韓国外務省の報道官は記者会見で韓国の立場を問われ、こう答えた。
「南シナ海は重要な海上交通であり、航行の自由の保障などが重要だという点を
一貫して表明してきた」。
ひとまず、抽象的な言い方にとどめ、中国批判も米国支持も避けた格好だ。
ところが一夜明けても、韓国の“中立姿勢”は変わらなかった。
「この地域の紛争は、国際的に確立されたルールによって、平和的に解決され
なければならない」。
29日付の韓国紙、中央日報や東亜日報によると、韓国大統領府の関係者は28日、
こう発言し、さらに次のような立場を示した。
*南シナ海は韓国の輸出品の30%、輸入エネルギーの90%が通過する重要な
海上交通路であり、韓国の利害も大きくかかわる海だ。
*南シナ海の平和と安定に影響するいかなる行動も自制するよう、韓国は国際
会議などで強く求めてきた。
南シナ海での米軍作戦について、どのような態度を示すか、韓国政府内では
27日から28日にかけて、議論が交わされたにちがいない。
それでも結局、国際法の大切さに触れるにとどめ、米国を支持することを控えた。
「行動の自制」にしても、米中のどちらに呼びかけているのかあいまいな発言になっている。
「米国と中国のどちらにより近いのか、分からないほどあいまいだ」。
大統領府コメントについて、東亜日報も社説でこう解説し、
「いつまでもそのようなあいまいな態度が通じるのか、疑問だ」とも指摘した。
韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権をめぐっては、「対中傾斜」がとりざたされて久しい。
中国主導によるアジアインフラ投資銀行(AIIB)への加入、在韓米軍が配備を検討
している「戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)」へのあいまいな対応……。
こうした態度が、南シナ海問題にもあらわれているといえる。
しかし、こうした韓国の対応も限界を迎えかねない。
オバマ政権は今後、数週間から数カ月間にわたり、南シナ海で今回と同様の作戦を
展開すると公言しているからだ。
年末にかけて、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議をはじめとする外交
日程が相次ぐ。こうした場で、中国の埋め立て問題に焦点が当たるのは確実だ。
韓国は、米中のどちら側に立つのか、「踏み絵」を突きつけられるだろう。

朴政権の「対中傾斜」がとりざたされて久しい
(9月2日、北京の人民大会堂で握手する朴大統領=左=と中国の習近平国家主席)=共同
■仕方がない等距離外交の事情
では、韓国は本音ではどう考えているのか。
韓国政府に近い韓国人の安保専門家に聞いてみよう。
「私たちも、強大になる中国に不安を感じている。南北が分断国家になったのも、
そもそもは中国が朝鮮戦争に参戦したからだ。だから、中国という国家を信頼し、
接近しているわけではない」。
彼はこう強調したうえで、それでも中国との関係を損なえない事情をこう説明した。
(1)南北統一を実現するには、米国だけでなく、中国の協力が欠かせない。
中国を敵に回したら、統一はさらに難しくなってしまう。
(2)中国市場への依存度は、日米よりもずっと韓国が高い。
(3)米国は戦後、何度か、在韓米軍を縮小するそぶりをみせ、韓国は動揺させられた。
米国一辺倒で大丈夫かという、潜在的な不安が底流にはある。
つまり、韓国は好きこのんで米中等距離の外交をしているわけではなく、国益上、
仕方がない事情があるというわけだ。
とりわけ、切実なのが、(1)だろう。オバマ政権は、北朝鮮の核開発を止めることは
まったくできていない。
こうした事実が、よけいに「米国一本やり」への不安を増幅させているとみられる。
ただ、米中が本当に衝突するような事態になったら、どうするのか。
「そうなれば当然、同盟国である米国の側に立つ。それ以外に選択肢はない。
だからこそ、最良のシナリオは米中危機を避け、韓国が抜き差しならない状況に
追い込まれないようにすることだ」。別の韓国人の外交専門家は語る。
米中どちらの「踏み絵」も踏みたくない韓国。
南シナ海の情勢は、そんな韓国に重くのしかかっている。
転載おしまい
内容については、所詮は素人で一般市民ですので私的な意見を挟みませんが、
お隣の国はホント大変ですね。
親米とか親中とか、日本国内でも色々と取りざたされたりしていますが、この記事を読んで
みただけでも、日本の方がよっぽどマシかなと思います。
それは為政者についても同じです。
数年前は、それでも日本も相当ヤバい状況でしたけど、現在は一部不満を募る方も
散見されますが自由に意見が出来ているという意味で健康な日本という国に住まい、高度な
判断をして上手く国益を損なわずに運営していて助かりますね。
目には見えない所で、ご活躍されているであろうお役人様。ホント感謝しています。
一方で、未だマスコミに操られている事に気が付かず、役人=税金を集っている輩 という
風に国益を護っている高尚な方々を妙なプロパガンダで悪く思わぬようにしたいものですね。
あ、勿論、権力が有れば悪用しようとする人も出て来るかも知れないですが、それは日本
でなくても同じ事。それよりも日本人が日本人を信用しない方が異常な考えなので。
と、いう感じです。それではまた。