
先週は他の用事で進まず・・
昨日はアマチュア無線のクランクアップタワーに登って同軸コネクタの半田付け。
自前のタワーならまだしも他人のやつだからあまり気が進まない。でも仕方ない
当人はお年を召した方なので代わりにやってあげるしかないのだ。
ほぼ2週間ぶりのB6Eg作業で嬉しい。
作業ができない平日の夜はずーっとコンロッドボルトの扱いをどうしようか考えていた。他にはARP2000ボルトを無駄に精密に採寸してみたり・・長さを測ったり。
おかげで新たな課題も
今後この塑性ボルトを使うときは最初に測定子を当てる部分を修正する。
具体的に言うとちょっと仕上がりが雑なおかげでポイントマイクロとかストレッチゲージを当てるとき誤差が出やすい。
ボルトの扱いについては結局ある一定量まで伸ばすことにした。
一度気になるととことん調べる性分で、、だけど今回は林 義正大先生の本にも、地元の勇 長谷川先生(HKSの社長)の本にも、ネットにもあまりここの部分について求める内容が見つからない。
見つからない理由は考えるに2通り・・・
1つ目、単純に測定器がないので気付かない(ふり?)でプラスチゲージ頼み。
良くて塑性ボルトについて調べてストレッチゲージで伸びを測りながら組んで満足しておしまい。(危うく自分もここで止まりかけた)
2つ目、ノウハウを持ってるプロは核心を公表しない。そりゃそうだ、何機も組んで試した情報は付加価値だもんね
ごく一部に欲しい関連情報を公表してくれている他車を弄るプライベーター?レースメカ屋?のHPを見つけて読んだ。そしてずーーーーっと考えた(笑 ホント有りがたかった。
そして今回自分もボルトを伸ばして測ることに。
測る対象はストレッチ量だけではなくて、コンロッドの大端部の真円度。

この類の作業で手書きメモは絶対に役立たずの紙切れになる(特に自分は)
なので気合を入れて測定フォーマットを作った(笑
使ってみたけどちょっと惜しい。まぁ、本番ではVer.UPしたのでやるさ!
測ってみてやはりその公表してくれている方と同じ傾向が得られた!
ざっくりと言って、規定量の範囲まで伸ばすことでほぼロッドメーカーの真円度が再現できそう。
但し、そこまで伸ばしてしまうと本組みの時にへたってしまう恐れ有り。それでは本末転倒。
今回は伸び値90~100μm程度まででやめておいた。

↑これは一旦50N・mで締めあげた時のラインから今回最終の65N・mのずれ。
概ねみんな同じように伸びたことがわかる。
今回の事で得られたことは・・・
・指定範囲まで伸ばすことで真円度はほぼ担保される(と思う)
弾性域3kで締めてボア径40u//27u//41u 同じく5kで28u//23u//29u さらに
6.5kまで締めあげる事でボルトが90μm~97μmに伸びて26u//23u//21u//22u//27u
(いずれもセンター値がロッドの上下方向。他は左右45度、最後だけさらに半分の22度を測定)
・ストレッチ量を適切に管理する理由は大端部のクローズドイン、フレッティングなど燃焼圧力や慣性疲労強度のためのボルト締めつけ力だけではなくて、メタルを適切に選択するために真円度を担保する目的も大きい。
・今回5kまで締めて一旦完全に緩めてもほとんど元の自由長に戻った。(6.5kからはまだ戻していない)これ位のトルクによる締めあげで3回程度の繰り返しでは、あまりへたりは深刻にならなくて良い。(自分のロッドボルトは)
これでやっと狙うメタルの厚みわかる。ここまでくるのに長かったなぁ~
あとは同じくクランクメインのボア計測。
理由はコンロッドの子メタルを選定するのと同じ理由。つまり真円度がどうなるかの確認。

こちらはロッドボルトと同じみんな大好きARPのメインスタッドを使ってます。
手に入れた時期がかなり昔のため、今の同社HPで公表されているトルク値と、手持ち品の取説では値が異なる。
(現行品は潤滑油の性能が上がって摩擦力が抑えられるために要求トルクが下がった模様)
あ、余談だけど思い出したのでついでに、、
ARP社のクランクメインとかヘッドボルトの多くは塑性域締めではなくて弾性域締め! 一部のHP(プロ含む)にARPは基本塑性だー 的な記載があるけど明らかに間違い。同社日本語カタログにも説明があるように、国産車用のスタッドキットは少なからず弾性域と塑性域の境界にあたる降伏点に対して75%の締めつけ力になるトルク値で指定しているのが理由。
少なからずこれらスタッド品を弾性域角度法で締めあげるには、その材質とスタッド径、あとは製造工程から決まるボルト伸びと締めつけ力(軸力)の特性データが必要です。しかしながらそれに該当するデータはカタログ上のクロモリ鋼8740の3/8インチ径の代表特性だけ・・・
問い合わせてみようかな^^;
話は戻ってクランクジャーナルボアの真円度は、
ロッドほどキャップの肉が薄くないためか締めつけ力であまり径は変わらない事が判明。そして1番~5番すべて±1μに入ってる模様。
これで正式にメタル合わせが出来るな!
追加
何れにしてもプラスチゲージは最終確認のために使いまっせ!
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Posted at
2020/09/21 00:29:36